10 / 65
1章スローライフ準備編
10 同居(アセナ視点)
しおりを挟む
その日から暫くそいつと草原に行っては、初心者にふさわしいお花摘みをした。が、もちろん薬草摘みだからモンスターに出会わないなんてことはない。
なるべくアキトに戦わせるようにしたら、危なっかし過ぎて黙って見ていられなかった。
「違う。そんなんじゃスライムにも喰われるぞ」
こんな感じで、ちゃんと教える。そしてコイツもちゃんと習得してくれる。
「そういやお前、魔法は使えるのか?」
自分は一切使えない。魔力もない。だけど少し気になった。
「一応、少しだけなら」
少しなら使えると言う人は多い。
「使ってみろ」
「えっ、そんな魔物倒すとか無理「使え」ヒィッ」
まだごにゃごにゃ言うので威圧してやったら、左手から火、右手から水を出しやがった。
魔法はまるで習得したてかのような粗さだが、膨大な魔力でカバーしているといった感じだろうか。
それを使って目の前のスライムを倒せというと、慣れない手つきで魔法を大きくして燃やした。
魔法が発現したばかりの子供のような手つきだ。
でも、やっぱり居ても立っても居られなくて、そいつの魔法を貰った。
履いてるブーツには魔法を一時的に蓄えられる。
そこに魔力をたんまりと貰った。
あの精度でこれだけの魔力を込められるのは謎だ。
まぁいい。いつのまにか周りを囲んで襲おうとしてくる雑魚モンスター達を一蹴する。
目を輝かせるアキトが見えたその瞬間、心臓を鷲掴みにされたような、心臓の音しか聞こえなくなったような感覚になった。
普段、自発的には魔法が使えないオレが久しぶりに魔法を使ったから体に負担がかかっただけだ。きっとそうだ。
「お前もやってみろ」
無理難題かもしれないが、オレに向けられる夕日以上に眩しい目を他へ向けさせたかった。
そして、アキトはあっさりとオレとは逆側にいた魔物を焼き切った。
魔法のセンスはあるのかもしれない。
「はぁ、宿の更新しなきゃなぁ」
村に帰ろうとした時、アキトがボソッと呟いた。
「まだ宿暮らしなんかよ」
コイツと倒した魔物の魔石はコイツに全て渡している。だから金はあるはずだ。
「うん」
コイツが今泊まっているのは村に一つしかない宿だろう。
あのおっさんはああ見えてとても変態だ。そんなやつの餌食になるぐらいなら、
「オレの家に来い」
「え?」
「だからオレの家に来い!冒険者としての心得を私生活から叩き直してやる」
何言ってんだ俺!コイツがどうなろうと、強くなって冒険者として一人前にさえなればいい、、、いいはずなのに。私生活から叩き直す?朝のランニングぐらいしかやってることはないだろう。
結局家に連れてきてしまった。
癪だが、あのババアに金払って食事と布団を一人分追加した。
食事を済ませた後、どうでもいい話をしている時にあのババアが布団を持ってきやがった。
「お待たせね。アセナのクサイベッドじゃ寝れないだろからね。しっかり干した布団持ってきたわよ。ベッドじゃないけど、敷いてよく眠るんだね!」
「はぁ?誰がクサイだこのババア!」
あのババアここぞとばかりに揶揄いやがって。
言い返す言葉を聞いていないかのように布団を置いて降りていった。
オレのベッドはアキトの後ろにある。
「スンスン」
は?あのババアの言葉を間に受けて人の寝台を嗅ぐとは失礼なやつだ。
若干の不機嫌を隠せないでいると気がつくとアキトの顔が首の近くにあった。
「スンスン」
「なっ!」
オレの首のところを嗅がれた。
上目遣い、可愛らしい唇、奪ってやろうか。って、、、何考えてんだよ。この歳にもなって欲求不満かよ。
「全くクサくないよ?なんならむしろ、ほんのりいい匂いが、スンスン」
最近遠出から帰ってきてずっとコイツの特訓をしていたせいで自分の世話がご無沙汰なのは言うまでもない。そして、体臭も多分今は臭うと思う、、、のに、こいつは。
「なにすんだよ!!!あ、あたりめーだ!」
そう言いながら自分で自分の匂いを嗅ぐふりをする。
もうこの心を解き放って無防備なコイツを襲ってしまいたくな、、、
アキトの口の端から牛乳が溢れそうになった。
だめだ。この場にいるとコイツを泣かせてしまう。そんな顔も見てみたいが、、
「オ、オレはシャワー浴びてくる。その間にその布団でも好きなところに敷いとけ」
薄れかけた理性でなんとか戦場を離脱した。
今までにないぐらいの欲望を誰もいない浴室で吐き出した。
なるべくアキトに戦わせるようにしたら、危なっかし過ぎて黙って見ていられなかった。
「違う。そんなんじゃスライムにも喰われるぞ」
こんな感じで、ちゃんと教える。そしてコイツもちゃんと習得してくれる。
「そういやお前、魔法は使えるのか?」
自分は一切使えない。魔力もない。だけど少し気になった。
「一応、少しだけなら」
少しなら使えると言う人は多い。
「使ってみろ」
「えっ、そんな魔物倒すとか無理「使え」ヒィッ」
まだごにゃごにゃ言うので威圧してやったら、左手から火、右手から水を出しやがった。
魔法はまるで習得したてかのような粗さだが、膨大な魔力でカバーしているといった感じだろうか。
それを使って目の前のスライムを倒せというと、慣れない手つきで魔法を大きくして燃やした。
魔法が発現したばかりの子供のような手つきだ。
でも、やっぱり居ても立っても居られなくて、そいつの魔法を貰った。
履いてるブーツには魔法を一時的に蓄えられる。
そこに魔力をたんまりと貰った。
あの精度でこれだけの魔力を込められるのは謎だ。
まぁいい。いつのまにか周りを囲んで襲おうとしてくる雑魚モンスター達を一蹴する。
目を輝かせるアキトが見えたその瞬間、心臓を鷲掴みにされたような、心臓の音しか聞こえなくなったような感覚になった。
普段、自発的には魔法が使えないオレが久しぶりに魔法を使ったから体に負担がかかっただけだ。きっとそうだ。
「お前もやってみろ」
無理難題かもしれないが、オレに向けられる夕日以上に眩しい目を他へ向けさせたかった。
そして、アキトはあっさりとオレとは逆側にいた魔物を焼き切った。
魔法のセンスはあるのかもしれない。
「はぁ、宿の更新しなきゃなぁ」
村に帰ろうとした時、アキトがボソッと呟いた。
「まだ宿暮らしなんかよ」
コイツと倒した魔物の魔石はコイツに全て渡している。だから金はあるはずだ。
「うん」
コイツが今泊まっているのは村に一つしかない宿だろう。
あのおっさんはああ見えてとても変態だ。そんなやつの餌食になるぐらいなら、
「オレの家に来い」
「え?」
「だからオレの家に来い!冒険者としての心得を私生活から叩き直してやる」
何言ってんだ俺!コイツがどうなろうと、強くなって冒険者として一人前にさえなればいい、、、いいはずなのに。私生活から叩き直す?朝のランニングぐらいしかやってることはないだろう。
結局家に連れてきてしまった。
癪だが、あのババアに金払って食事と布団を一人分追加した。
食事を済ませた後、どうでもいい話をしている時にあのババアが布団を持ってきやがった。
「お待たせね。アセナのクサイベッドじゃ寝れないだろからね。しっかり干した布団持ってきたわよ。ベッドじゃないけど、敷いてよく眠るんだね!」
「はぁ?誰がクサイだこのババア!」
あのババアここぞとばかりに揶揄いやがって。
言い返す言葉を聞いていないかのように布団を置いて降りていった。
オレのベッドはアキトの後ろにある。
「スンスン」
は?あのババアの言葉を間に受けて人の寝台を嗅ぐとは失礼なやつだ。
若干の不機嫌を隠せないでいると気がつくとアキトの顔が首の近くにあった。
「スンスン」
「なっ!」
オレの首のところを嗅がれた。
上目遣い、可愛らしい唇、奪ってやろうか。って、、、何考えてんだよ。この歳にもなって欲求不満かよ。
「全くクサくないよ?なんならむしろ、ほんのりいい匂いが、スンスン」
最近遠出から帰ってきてずっとコイツの特訓をしていたせいで自分の世話がご無沙汰なのは言うまでもない。そして、体臭も多分今は臭うと思う、、、のに、こいつは。
「なにすんだよ!!!あ、あたりめーだ!」
そう言いながら自分で自分の匂いを嗅ぐふりをする。
もうこの心を解き放って無防備なコイツを襲ってしまいたくな、、、
アキトの口の端から牛乳が溢れそうになった。
だめだ。この場にいるとコイツを泣かせてしまう。そんな顔も見てみたいが、、
「オ、オレはシャワー浴びてくる。その間にその布団でも好きなところに敷いとけ」
薄れかけた理性でなんとか戦場を離脱した。
今までにないぐらいの欲望を誰もいない浴室で吐き出した。
11
あなたにおすすめの小説
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
【完結】巷で噂の国宝級イケメンの辺境伯は冷徹なので、まっっったくモテませんが、この度婚約者ができました。
明太子
BL
オーディスは国宝級イケメンであるにも関わらず、冷徹な性格のせいで婚約破棄されてばかり。
新たな婚約者を探していたところ、パーティーで給仕をしていた貧乏貴族の次男セシルと出会い、一目惚れしてしまう。
しかし、恋愛偏差値がほぼ0のオーディスのアプローチは空回りするわ、前婚約者のフランチェスカの邪魔が入るわとセシルとの距離は縮まったり遠ざかったり…?
冷徹だったはずなのに溺愛まっしぐらのオーディスと元気だけどおっちょこちょいなセシルのドタバタラブコメです。
隣に住む先輩の愛が重いです。
陽七 葵
BL
主人公である桐原 智(きりはら さとし)十八歳は、平凡でありながらも大学生活を謳歌しようと意気込んでいた。
しかし、入学して間もなく、智が住んでいるアパートの部屋が雨漏りで水浸しに……。修繕工事に約一ヶ月。その間は、部屋を使えないときた。
途方に暮れていた智に声をかけてきたのは、隣に住む大学の先輩。三笠 琥太郎(みかさ こたろう)二十歳だ。容姿端麗な琥太郎は、大学ではアイドル的存在。特技は料理。それはもう抜群に美味い。しかし、そんな琥太郎には欠点が!
まさかの片付け苦手男子だった。誘われた部屋の中はゴミ屋敷。部屋を提供する代わりに片付けを頼まれる。智は嫌々ながらも、貧乏大学生には他に選択肢はない。致し方なく了承することになった。
しかし、琥太郎の真の目的は“片付け”ではなかった。
そんなことも知らない智は、琥太郎の言動や行動に翻弄される日々を過ごすことに——。
隣人から始まる恋物語。どうぞ宜しくお願いします!!
【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。
カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。
異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。
ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。
そして、コスプレと思っていた男性は……。
【8+2話完結】氷の貴公子の前世は平社員〜不器用な恋の行方〜
キノア9g
BL
氷の貴公子と称えられるユリウスには、人に言えない秘めた想いがある――それは幼馴染であり、忠実な近衛騎士ゼノンへの片想い。そしてその誇り高さゆえに、自分からその気持ちを打ち明けることもできない。
そんなある日、落馬をきっかけに前世の記憶を思い出したユリウスは、ゼノンへの気持ちに改めて戸惑い、自分が男に恋していた事実に動揺する。プライドから思いを隠し、ゼノンに嫌われていると思い込むユリウスは、あえて冷たい態度を取ってしまう。一方ゼノンも、急に避けられる理由がわからず戸惑いを募らせていく。
近づきたいのに近づけない。
すれ違いと誤解ばかりが積み重なり、視線だけが行き場を失っていく。
秘めた感情と誇りに縛られたまま、ユリウスはこのもどかしい距離にどんな答えを見つけるのか――。
プロローグ+全8話+エピローグ
獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。
異世界転生した双子は今世でも双子で勇者側と悪魔側にわかれました
陽花紫
BL
異世界転生をした双子の兄弟は、今世でも双子であった。
しかし運命は二人を引き離し、一人は教会、もう一人は森へと捨てられた。
それぞれの場所で育った男たちは、やがて知ることとなる。
ここはBLゲームの中の世界であるのだということを。再会した双子は、どのようなエンディングを迎えるのであろうか。
小説家になろうにも掲載中です。
最強賢者のスローライフ 〜転生先は獣人だらけの辺境村でした〜
なの
BL
社畜として働き詰め、過労死した結城智也。次に目覚めたのは、獣人だらけの辺境村だった。
藁葺き屋根、素朴な食事、狼獣人のイケメンに介抱されて、気づけば賢者としてのチート能力まで付与済み!?
「静かに暮らしたいだけなんですけど!?」
……そんな願いも虚しく、井戸掘り、畑改良、魔法インフラ整備に巻き込まれていく。
スローライフ(のはず)なのに、なぜか労働が止まらない。
それでも、優しい獣人たちとの日々に、心が少しずつほどけていく……。
チート×獣耳×ほの甘BL。
転生先、意外と住み心地いいかもしれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる