オオカミ獣人にスローライフの邪魔される ツンデレはやめてくれ!

さえ

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1章スローライフ準備編

10 同居(アセナ視点)

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その日から暫くそいつと草原に行っては、初心者にふさわしいお花薬草摘みをした。が、もちろん薬草摘みだからモンスターに出会わないなんてことはない。

なるべくアキトに戦わせるようにしたら、危なっかし過ぎて黙って見ていられなかった。

「違う。そんなんじゃスライムにも喰われるぞ」
こんな感じで、ちゃんと教える。そしてコイツもちゃんと習得してくれる。

「そういやお前、魔法は使えるのか?」
自分は一切使えない。魔力もない。だけど少し気になった。

「一応、少しだけなら」
少しなら使えると言う人は多い。

「使ってみろ」

「えっ、そんな魔物倒すとか無理「使え」ヒィッ」
まだごにゃごにゃ言うので威圧してやったら、左手から火、右手から水を出しやがった。

魔法はまるで習得したてかのような粗さだが、膨大な魔力でカバーしているといった感じだろうか。

それを使って目の前のスライムを倒せというと、慣れない手つきで魔法を大きくして燃やした。
魔法が発現したばかりの子供のような手つきだ。


でも、やっぱり居ても立っても居られなくて、そいつの魔法を貰った。
履いてるブーツには魔法を一時的に蓄えられる。
そこに魔力をたんまりと貰った。

あの精度でこれだけの魔力を込められるのは謎だ。

まぁいい。いつのまにか周りを囲んで襲おうとしてくる雑魚モンスター達を一蹴する。

目を輝かせるアキトが見えたその瞬間、心臓を鷲掴みにされたような、心臓の音しか聞こえなくなったような感覚になった。

普段、自発的には魔法が使えないオレが久しぶりに魔法を使ったから体に負担がかかっただけだ。きっとそうだ。

「お前もやってみろ」
無理難題かもしれないが、オレに向けられる夕日以上に眩しい目を他へ向けさせたかった。


そして、アキトはあっさりとオレとは逆側にいた魔物を焼き切った。
魔法のセンスはあるのかもしれない。


「はぁ、宿の更新しなきゃなぁ」

村に帰ろうとした時、アキトがボソッと呟いた。

「まだ宿暮らしなんかよ」
コイツと倒した魔物の魔石はコイツに全て渡している。だから金はあるはずだ。

「うん」

コイツが今泊まっているのは村に一つしかない宿だろう。
あのおっさんはああ見えてとても変態だ。そんなやつの餌食になるぐらいなら、

「オレの家に来い」

「え?」

「だからオレの家に来い!冒険者としての心得を私生活から叩き直してやる」

何言ってんだ俺!コイツがどうなろうと、強くなって冒険者として一人前にさえなればいい、、、いいはずなのに。私生活から叩き直す?朝のランニングぐらいしかやってることはないだろう。


結局家に連れてきてしまった。
癪だが、あのババアに金払って食事と布団を一人分追加した。


食事を済ませた後、どうでもいい話をしている時にあのババアが布団を持ってきやがった。

「お待たせね。アセナのクサイベッドじゃ寝れないだろからね。しっかり干した布団持ってきたわよ。ベッドじゃないけど、敷いてよく眠るんだね!」

「はぁ?誰がクサイだこのババア!」
あのババアここぞとばかりに揶揄いやがって。

言い返す言葉を聞いていないかのように布団を置いて降りていった。

オレのベッドはアキトの後ろにある。

「スンスン」
は?あのババアの言葉を間に受けて人の寝台を嗅ぐとは失礼なやつだ。

若干の不機嫌を隠せないでいると気がつくとアキトの顔が首の近くにあった。

「スンスン」

「なっ!」
オレの首のところを嗅がれた。
上目遣い、可愛らしい唇、奪ってやろうか。って、、、何考えてんだよ。この歳にもなって欲求不満かよ。

「全くクサくないよ?なんならむしろ、ほんのりいい匂いが、スンスン」

最近遠出から帰ってきてずっとコイツの特訓をしていたせいで自分の世話がご無沙汰なのは言うまでもない。そして、体臭も多分今は臭うと思う、、、のに、こいつは。

「なにすんだよ!!!あ、あたりめーだ!」
そう言いながら自分で自分の匂いを嗅ぐふりをする。

もうこの心を解き放って無防備なコイツを襲ってしまいたくな、、、

アキトの口の端から牛乳が溢れそうになった。

だめだ。この場にいるとコイツを泣かせてしまう。そんな顔も見てみたいが、、


「オ、オレはシャワー浴びてくる。その間にその布団でも好きなところに敷いとけ」
薄れかけた理性でなんとか戦場を離脱した。

今までにないぐらいの欲望を誰もいない浴室で吐き出した。
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