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出会いと初め
第一章
しおりを挟むこの世界には色々な物語がある
そのほとんどが冒険譚だ
誰もが憧れる勇者、魔法使い、聖女、などもう何千年も前のことだがどれも本当にあった話で実際に勇者パーティーと名乗る人がこのエルフの里に立ち寄った。
その時も僕は勇者に憧れることなどなくただ寿命が短い人間を哀れに思った…まだ若いのに魔王と戦うために自ら険しい道を選ぶ愚か者だと笑ったりもした
でもそう思っていたのも何百年も前のことで今は羨ましく思っている、エルフの集落でハイエルフとして生まれた僕はリエルと名付けられエルフよりも寿命が長く魔力も多い僕をみんなが拝めていた。
何をやっても怒られず退屈な日々を過ごしていてなんにも面白くない…
僕も勇者達のように世界を冒険し、自ら険しい道を進めば少しは楽しくなるのではないか?そう思う日も多々あった…
でも行動に移そうとは思えず今日もまたエルフの里から少し離れた花畑で日向ぼっこをしていた…
すると眩しかったはずの顔に影がかかった、突然のことで驚いたが人間の男だと気がついた…
「誰?君?僕は今自然を堪能してるんだけど、邪魔しないでくれない?」
聞こえていないのか何一つ喋らないこの人間は僕を見つめている、多分だけどエルフが珍しいのだろう…エルフは基本集落から出ずに平和にのうのうと暮らしているが自分たちの役割はちゃんと全うしている、エルフは世界樹の周りに結界が張ってあるので世界樹を守りつつ結界内で暮らしている
だからよほどの事がない限り、エルフは集落の外には出ない…ではなぜ僕が集落から少し離れた花畑にいるのかって?それは単に集落が見飽きたからだ、それにもし襲われたとしても人間よりも遥かに強いから返り討ちにするのでそこは心配ない…
「君…可愛いね、それにエルフ?珍しいな」
ようやく口を開いたかと思うと予想してなかった言葉が聞こえた
僕が可愛い?何を当たり前なことを…エルフはみんな美しいくて可愛い子ばかりだぞ、やはりこの人間はエルフを見た事がないんだな、
「当たり前だろ?人間、なぜここに来たんだ?」
「人間だけども僕にもちゃんとした名前があるよ、僕はレオン、次からはレオンって呼んでくれないかい?それと君の名前は?教えて欲しいな?」
人間に名前を聞かれたのは初めてのことだった、どうせ短い命ですぐ忘れてしまうというのに…教える意味がない、でもこの時の僕はこの人間に名前を知って欲しいと思っていた、それがなぜか僕にはわからない…初めてのことだった…
「僕はリエルだよ…」
ただそれだけ呟くとこの人間、レオンは笑顔で僕の名前を呼んだ、その時僕の心臓が強い脈を打ち始めた、鼓動が速くなる…なんだこれ…体が熱くなる…レオンの笑顔を見ただけなのに…確かにレオンも人間の間では顔はそこそこ整っていると思う、でも僕のように何千年も生きていればレオンよりもカッコいい人などいっぱい見てきたはずだ…それにエルフは人間よりも遥かに美人が揃っている…ならこの不整脈はなんだろう?…病気、は絶対に無い…まあほっといても支障はないだろう…
それから僕はこの花畑でレオンと話す楽しさを知り約束をして毎日のように足を運んだ
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