短編集

雪だるま

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届かない想い2

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「私、本当は貴方のことが好きなの。大好き、愛してる」
「俺も、愛してる!誰よりも、キミのことを…!」
「嬉しいわ…!」

自宅に帰り、テレビをつけると甘酸っぱい恋愛が繰り広げられていた。

B「…っ、何でだよ、クソ」

何で恋が叶うんだ。
俺が男で、アイツも男だからなのか?

俺が女の子だったら、叶っていた…?

B「本当、笑えないな」

テレビは消した。
これ以上、見たくない。
惨めになるだけだ。

テレビの音が無くなったため、静かになった空間に一人頭を抱える。

頭の中はAのことでいっぱいだった。

ブー、ブー、ブー

テーブルの上にあるスマホのバイブ音が部屋に響く。

B「何だ…?」

見ると、Aから電話が来ていた。

B「もしもし」
A「あ、まだバイトに行っていなくて良かった」

不意にドキっとしてしまった。
全く…何でカッコイイんだよ。

B「あ~、そろそろ行くところ。で、どうした?」
A「お前、財布忘れてるぞ」
B「え…。あ、ああ。分かった。バイト行くついでに行くわ」
A「おう」

電話を切り、自分の鞄を確認する。
財布は鞄の中にちゃんとある。

それに俺は財布を持ってAの家には行っていない。

B「アイツは馬鹿なのか…?」

軽く困惑しながら、Aの家に再び向かう。


ピンポーン

B「A、来たぞ~」
A「ああ、良かった。ほら財布」

そう言って、丁寧に財布を渡される。

B「おっ、おう」

その財布は自分が持っている財布と同じものだった。

A「全く、お前は忘れっぽいんだから」
B「そうだな。俺ってば本当に忘れっぽいな」
A「本当だよ。でも良かったな」

B「ああ。まさか自分の鞄に財布が入ってたことを忘れるなんて、俺は本当バカだなぁ」

そう言って、本当の俺の財布をAに見えるように取り出す。

A「ーーーーーっ!?」
B「なあ、A。お前が持ってる財布は誰のだ?俺のじゃないよな?」

A「それは…、その、お前の財布と似ているから、お前のだと思ったよ!多分友達のだろうな!ははっ、俺の早とちりだった!ごめんな!」

焦りながら必死に言い訳を考えるAを見て、少しの期待を抱いた。

もしかしたら、Aは俺のことを好きなのか…?

B「ふ~ん?まあ良いわ。ありがとな」

Aから貰った財布を返し、家路に戻る。
さっき通った時より気持ちはいくらか晴れやかで、そして足取りが軽かった。


~続く(多分)~
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