子爵令嬢は二度目の人生でも囚われる

在江

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一度目の人生

4 悪夢の初夜 *

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 私はウィリアムと結婚式を挙げた。一回目の結婚である。
 この時は、ジェイムズも式に参列していた。


 ねや教育は、受けていた。それも、『旦那様にお任せするのです』などという無責任なものではなく、どの穴に、どのようなモノが入るか、痛みを抑えるにはどのような状態が望ましいか、子種がどのような物か、実物こそなけれども、具体的に教えてもらった。

 それ故に、ウィリアムが思いやりのないやり方で私を抱いたことも、わかってしまった。
 ここでも伯爵夫妻の思いやりが、逆効果となってしまったのだ。しかし、教わったことに後悔はない。

 「ほう。これを見ても驚かないとは、お前も隠れてよろしくやっていた口か」

 黒光りしてそそり立つモノを、私の目の前へ突き出したウィリアムは、楽しげな口調で言った。その裏には、怒りが見えていた。

 私は無論、驚いていた。実物を見るのは初めてであった。
 絵や木彫りの見本は精巧であったものの、浮き出した血管がびくびくと脈打ち、先端から滲み出る透明な汁によるテカリがかもし出す生々しさには、到底かなわなかった。

 講師に請け合われたにもかかわらず、本当にこの禍々まがまがしい巨大なモノが、自らの体内に入り得るのか、疑わざるを得なかった。

 「くわえろ」

 「え?」

 聞き返す間もなく、頭をガッと両手で掴まれ、顔にそれを押し当てられた。
 一瞬、鼻の穴に入れられるかと思ったが、ぶるんと滑って、頬にペタつく跡を残しただけだった。
 想像よりも、熱い。そこだけひどく、熱を持つように感じられた。

 「咥えるんだ。歯を立てるなよ」

 私は、どうにか意図を理解して、その熱いモノを口に含んだ。そういう技法がある、と教わったことを思い出した。
 途端に、ウィリアムの手が、私の頭をぐっと押し込んだ。

 「ぐっ」

 そのまま前後に頭を揺すられた。頭がぐらぐらする。苦しい。
 口中によだれあふれて、じゅぼじゅぼと湿った音を立てる。
 ひどくはしたない感じがした。
 それよりも、苦しい。

 「ぐっ、ぐぶっ」

 一刻も早く、口いっぱいに含まれたモノを、涎と一緒に排出したい。しかし私は、頭を押さえられ、どう動けば良いか、わからない。

 「ううっ」

 ウィリアムの口からも、呻き声が漏れてきた。手の動きが激しくなる。私の髪はめちゃくちゃだ。
 もうだめだ、と思った時、口の奥に、ドバッと何かが撃ち込まれた。

 「うげほっ、げほっ」

 同時に頭が解放され、私は横を向いて咳き込んだ。枕元に、白い液体が涎と共に飛び散るのが見えた。

 「うわ、汚ねえな。飲めよ」

 ベッドサイドに、事後の股を拭くための、布が用意されていた。私が布を掴むや、今度は腰を掴まれ、後ろへ引き摺られた。あごがシーツを擦って痛い。

 「腰を上げろ。違う、尻だけ持ち上げるんだ。うつ伏せのまま」

 腰を平手で叩かれた。私の髪が、吐き出した子種と涎に被さる。言われた通りにすると、穴に、柔らかい感触を持つ硬いモノが押し付けられた。

 「くっそ。きついな」

 「い、痛」

 「黙れ」

 思わず上げた声を、歯を食いしばって飲み込んだ。肘を使い、必死で子種を拭き取ろうとした。
 足の間が、突かれる度に痛む。そして徐々に、皮がめくられ、硬いモノが体内へ侵入するのがわかった。

 「ううっ。もっと濡らせ」

 無理な話だった。下腹部全体に、モノを詰められたような感覚があった。
 擦られる度に、痛い。幸いだったのは、ウィリアムが早々に子種を放出したことだった。

 「意外ときつかったな。もしかして、処女か?」

 「は、はい」

 「そうか。儲けたな」

 そのままウィリアムは、ベッドへ寝転がり、目を閉じてしまった。
 私は、後始末を続けながら、涙が出た。声を出すと怒られそうな気がしたので、声を殺して泣いた。
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