28 / 30
28 騒然のパーティ
しおりを挟む
これでは、王太女の地位よりも、現国王の基盤を強化する行事になってしまう。イザベル王女とキューネルン王国との縁組に加えて、王妃の腹の子が王子だった日には、王太女の地位さえ奪われかねない。
俺は、その場に立ち尽くす。ここで王妃の腹を凹ませても、王女を殺しても形勢は不利なままだ。
こうしている間にも人々が集まり、王妃は祝福される。今しも俺の横を、体格の良い貴族がすり抜けていった。
ふらり、と姫が揺れたかと思うと、視界から消えた。
「殿下!」
アデラの叫ぶ声がする。人の動きが乱れる。俺の足が動いた。
人の頭の向こうに、姫の足元が見える。倒れたのか。側で介抱するアデラ。その後ろから、手を挙げて近付く大柄の貴族。手の先が光った。
「危ない!」
魔法で手首から切り落とした。犯行を確実に止める、周囲を巻き込まない。咄嗟の判断でできることは、それが限度だった。
「ぎゃあああっ!」
刃物を握ったままの手が、床に落ちる音がした。誰も傷つけずに済んだようだ。喚く犯人の周囲から人が引く。気付けば、アデラが犯人を押さえ込んでいた。アキも駆けつけて、ぐったりした姫を抱えている。
「きゃあっ」
「うわああっ」
悲鳴を上げたのは、犯人だけではなかった。たちまち会場が騒然となった。
「近衛兵、この者を縛れ!」
アキの声に、呆然としていた兵士が動き出した。
もう、パーティどころではなくなってしまった。兵士がこちらへ向かおうとすると、参加者が不安から足止めする。
もとより招待客を遠ざけ、退出を請う人を誘導する官吏もいるのだが、武装兵の方が安心するようだ。
姫とアキの作戦を、潰してしまったかもしれない。
俺は、人が減ったところへ進み出た。姫は、まだ倒れたままである。アデラの膝の下に這いつくばる体格の良い貴族の頭が、変な方向に曲がっている。
手首からは大量出血中だ。このままでは死ぬ。俺は、自分の衣装を裂いて止血をしてやった。
「生きている?」
俺は髪を掴んで顔を見ようとした。ずるり、と髪が抜けた。
ギョッとしたが、残った頭にも違う色の髪が生えている。カツラだった。
「あ、元団長だ」
上から押さえるアデラが指摘した。言われて見れば、職場でハーレムを築いた、ゴールト元辺境騎士団長その人だった。
「くそっ。お前のせいで、俺はっ」
ゴールトは今になって、自分を押さえるのがアデラと気付いたようだ。必死に逃れようともがき始めた。
「そんなに暴れると、出血多量で死ぬよ」
俺は、まだナイフを握ったままの手首を目の前に突き出した。ゴールトの顔が白くなった。
「部下を私的に侍らせて、騎士団の仕事を疎かにしたから、辞めさせられたんだよね。密輸も取り締まらなかった。お前の後始末と、騎士団の建て直しをしてくれる人を恨むのは、筋違いも甚だしい。仮にその人を殺しても、お前が団長の地位に戻ることはない」
「平民の癖に魔術師だからと偉そうに、あの方とは大違い‥‥」
がくり、と急に頭を垂れた。首の脈を取る。一応、生きていた。貧血とも取れるが、俺は魔法を感知した。
「アデラ殿。捕縛の用意ができました」
ようやく近衛兵が来て、三人がかりで気を失ったゴールトを縛り上げ、引きずるようにして連れ去った。
「王太女殿下の具合は、如何ですかな」
すぐ側に、宮廷魔術師がいた。アキに話しかけている。アキは倒れた姫を抱えていて、姫はうっすらと目を開けたところだった。ぼんやりと、生気のない様子で宙を見つめている。
相変わらず綺麗で、人妻なのに未だに可愛らしかった。久々にまともに見た顔が、ショックを受けた表情というのは、溌剌とした顔を記憶に刻む俺には辛かった。
「普段の仕事に加え、式典の準備もあって、体が限界だったのでしょう。普段から、特別な食事を仕立ててもらっていたのに。あのレシピは、コンクエスト卿のご指導で作られたのですよね?」
まだ喋るのも辛そうな姫に代わり、アキが応じた。
「大まかな指導はしましたが、我輩は料理人ではありませんのでね」
宮廷魔術師が答えた。これで彼を捕まえようとしたなら、無理な策であった。せいぜい料理人が詰め腹を切るだけだ。
「まあ。きっと、魔王退治で力を使い果たしてしまわれたのですわ。そのように脆弱なお体で国政を担うのは、マデリーン様には重荷でございましょう。王太女様は、もう十分に国に尽くされました。その大功を以て引退なさっても、誰にも文句を言わせませんわ。今後はゆっくりとお過ごしになり、お身体をお労りになられては如何でしょうか」
王妃だった。退出せず、段から降りて姫を見に来たのである。
懐妊したと発表したが、ゆったりとしたドレスを纏っていることもあり、腹の膨らみを確認できなかった。
姫の目に光が宿った。アキに支えられ、上体を起こす。
「私の食事には、ルルフィウムが加えられていました」
「まあ。王太女殿下ともなると、希少な調味料も使い放題ですのね」
「ええ。私には過ぎた薬味でした。ルルフィウムは王妃様にこそ相応しい品です。ご希望なら、今後は王妃陛下がご賞味ください。ここへ料理長を呼んで、国王陛下から命じて貰いましょう」
「それには及びませんわ。確か、媚薬の効能があるそうですわね。それなら、わたくしには不要の物ですもの。これまで通り、マデリーン様がお使いなさい」
「いいえ。体力を心配され、引退を期待される身にこそ、媚薬は不要でしょう。料理長をこれへ」
姫は料理長を呼ぶことには成功した。依然、形勢は不利である。
退出した客もあるが、大半は残って遠巻きにやり取りを眺めている。中には外国からの客もいるのだ。
他国の内紛を目の当たりにするのは、さぞかし面白かろう。ある意味、ダンスよりも好評な余興になりそうだ。それも、姫が勝利を収めてこその話だった。
思いがけず呼び出された料理長は、姫と王妃と宮廷魔術師が鼎立するのを見て、何かを察した。これだけで、心証は真っ黒である。だが証拠はない。
「料理長。あなたは私の食事にだけ、以前からルルフィウムを加えていましたね。誰の命令によるものですか?」
姫は、料理長が来るまでに、立ち上がれるほど回復した。今は、薬も魔法も使わずに済ませたが、疲労が溜まっているのは明らかである。表情は厳しいままだ。
料理長は魔術師を見、魔術師は料理長を睨みつけた。王妃にも助力を求めたそうだったが、視線を向ける勇気は出せなかったようだ。王妃は堂々微笑を湛えている。その目は笑っていない。
「そ、それは‥‥私が判断して」
「ルルフィウムは、塩胡椒よりも貴重な薬草です。栽培もできず、自生地も限られています。私とアキが求めもしないのに、毎日使うほどの量を常備するには、通常の糧食購入費では賄えません。それに、正式な予算を別途組んだとして‥‥そのような形跡は見られませんが‥‥一定量を継続して入手するには、特別な伝手が必要な筈。料理長。あなた自身にはその両方が欠けています」
姫は料理長の言い訳を遮って指摘する。料理長は、進退極まって沈黙を選んだ。これでは、黒幕を炙り出せない。
いや、この場にいる人間には、少なくとも宮廷魔術師が噛んでいる事は察しただろう。証拠がないだけだ。そして、証拠がなければ、彼がいかに有罪に見えても、姫の負けである。
「ところで、先ほど王妃陛下からもご指摘がありましたが、私のような者にルルフィウムのような高価な調味料を用いるのは、国家の無駄。ですが、既に調理されてしまった物を廃棄するのは、より大きな無駄遣いとなります」
姫は、料理長から視線を外し、会場で聞き耳を立てる参加者に話しかけるような声を出した。
「ですので、しばらく前から、私の食事と王妃陛下の食事を入れ替えてもらうよう、陛下付きの皆さんにお願いしておりましたの。皆様喜んで協力してくださいましたわ。先ほどのお話を聞きましても、効き目があったようですわね。国の発展に寄与できたこと、喜ばしく思います」
王妃の顔が、さあっと青ざめた。その顔で見られた宮廷魔術師が、慌て出した。
「ルルフィウムを王妃陛下に。何という恐ろしいことを。あれは、流産を促す‥‥」
「コンクエスト卿!」
王妃が強く遮った。魔術師は黙った。
俺は、その場に立ち尽くす。ここで王妃の腹を凹ませても、王女を殺しても形勢は不利なままだ。
こうしている間にも人々が集まり、王妃は祝福される。今しも俺の横を、体格の良い貴族がすり抜けていった。
ふらり、と姫が揺れたかと思うと、視界から消えた。
「殿下!」
アデラの叫ぶ声がする。人の動きが乱れる。俺の足が動いた。
人の頭の向こうに、姫の足元が見える。倒れたのか。側で介抱するアデラ。その後ろから、手を挙げて近付く大柄の貴族。手の先が光った。
「危ない!」
魔法で手首から切り落とした。犯行を確実に止める、周囲を巻き込まない。咄嗟の判断でできることは、それが限度だった。
「ぎゃあああっ!」
刃物を握ったままの手が、床に落ちる音がした。誰も傷つけずに済んだようだ。喚く犯人の周囲から人が引く。気付けば、アデラが犯人を押さえ込んでいた。アキも駆けつけて、ぐったりした姫を抱えている。
「きゃあっ」
「うわああっ」
悲鳴を上げたのは、犯人だけではなかった。たちまち会場が騒然となった。
「近衛兵、この者を縛れ!」
アキの声に、呆然としていた兵士が動き出した。
もう、パーティどころではなくなってしまった。兵士がこちらへ向かおうとすると、参加者が不安から足止めする。
もとより招待客を遠ざけ、退出を請う人を誘導する官吏もいるのだが、武装兵の方が安心するようだ。
姫とアキの作戦を、潰してしまったかもしれない。
俺は、人が減ったところへ進み出た。姫は、まだ倒れたままである。アデラの膝の下に這いつくばる体格の良い貴族の頭が、変な方向に曲がっている。
手首からは大量出血中だ。このままでは死ぬ。俺は、自分の衣装を裂いて止血をしてやった。
「生きている?」
俺は髪を掴んで顔を見ようとした。ずるり、と髪が抜けた。
ギョッとしたが、残った頭にも違う色の髪が生えている。カツラだった。
「あ、元団長だ」
上から押さえるアデラが指摘した。言われて見れば、職場でハーレムを築いた、ゴールト元辺境騎士団長その人だった。
「くそっ。お前のせいで、俺はっ」
ゴールトは今になって、自分を押さえるのがアデラと気付いたようだ。必死に逃れようともがき始めた。
「そんなに暴れると、出血多量で死ぬよ」
俺は、まだナイフを握ったままの手首を目の前に突き出した。ゴールトの顔が白くなった。
「部下を私的に侍らせて、騎士団の仕事を疎かにしたから、辞めさせられたんだよね。密輸も取り締まらなかった。お前の後始末と、騎士団の建て直しをしてくれる人を恨むのは、筋違いも甚だしい。仮にその人を殺しても、お前が団長の地位に戻ることはない」
「平民の癖に魔術師だからと偉そうに、あの方とは大違い‥‥」
がくり、と急に頭を垂れた。首の脈を取る。一応、生きていた。貧血とも取れるが、俺は魔法を感知した。
「アデラ殿。捕縛の用意ができました」
ようやく近衛兵が来て、三人がかりで気を失ったゴールトを縛り上げ、引きずるようにして連れ去った。
「王太女殿下の具合は、如何ですかな」
すぐ側に、宮廷魔術師がいた。アキに話しかけている。アキは倒れた姫を抱えていて、姫はうっすらと目を開けたところだった。ぼんやりと、生気のない様子で宙を見つめている。
相変わらず綺麗で、人妻なのに未だに可愛らしかった。久々にまともに見た顔が、ショックを受けた表情というのは、溌剌とした顔を記憶に刻む俺には辛かった。
「普段の仕事に加え、式典の準備もあって、体が限界だったのでしょう。普段から、特別な食事を仕立ててもらっていたのに。あのレシピは、コンクエスト卿のご指導で作られたのですよね?」
まだ喋るのも辛そうな姫に代わり、アキが応じた。
「大まかな指導はしましたが、我輩は料理人ではありませんのでね」
宮廷魔術師が答えた。これで彼を捕まえようとしたなら、無理な策であった。せいぜい料理人が詰め腹を切るだけだ。
「まあ。きっと、魔王退治で力を使い果たしてしまわれたのですわ。そのように脆弱なお体で国政を担うのは、マデリーン様には重荷でございましょう。王太女様は、もう十分に国に尽くされました。その大功を以て引退なさっても、誰にも文句を言わせませんわ。今後はゆっくりとお過ごしになり、お身体をお労りになられては如何でしょうか」
王妃だった。退出せず、段から降りて姫を見に来たのである。
懐妊したと発表したが、ゆったりとしたドレスを纏っていることもあり、腹の膨らみを確認できなかった。
姫の目に光が宿った。アキに支えられ、上体を起こす。
「私の食事には、ルルフィウムが加えられていました」
「まあ。王太女殿下ともなると、希少な調味料も使い放題ですのね」
「ええ。私には過ぎた薬味でした。ルルフィウムは王妃様にこそ相応しい品です。ご希望なら、今後は王妃陛下がご賞味ください。ここへ料理長を呼んで、国王陛下から命じて貰いましょう」
「それには及びませんわ。確か、媚薬の効能があるそうですわね。それなら、わたくしには不要の物ですもの。これまで通り、マデリーン様がお使いなさい」
「いいえ。体力を心配され、引退を期待される身にこそ、媚薬は不要でしょう。料理長をこれへ」
姫は料理長を呼ぶことには成功した。依然、形勢は不利である。
退出した客もあるが、大半は残って遠巻きにやり取りを眺めている。中には外国からの客もいるのだ。
他国の内紛を目の当たりにするのは、さぞかし面白かろう。ある意味、ダンスよりも好評な余興になりそうだ。それも、姫が勝利を収めてこその話だった。
思いがけず呼び出された料理長は、姫と王妃と宮廷魔術師が鼎立するのを見て、何かを察した。これだけで、心証は真っ黒である。だが証拠はない。
「料理長。あなたは私の食事にだけ、以前からルルフィウムを加えていましたね。誰の命令によるものですか?」
姫は、料理長が来るまでに、立ち上がれるほど回復した。今は、薬も魔法も使わずに済ませたが、疲労が溜まっているのは明らかである。表情は厳しいままだ。
料理長は魔術師を見、魔術師は料理長を睨みつけた。王妃にも助力を求めたそうだったが、視線を向ける勇気は出せなかったようだ。王妃は堂々微笑を湛えている。その目は笑っていない。
「そ、それは‥‥私が判断して」
「ルルフィウムは、塩胡椒よりも貴重な薬草です。栽培もできず、自生地も限られています。私とアキが求めもしないのに、毎日使うほどの量を常備するには、通常の糧食購入費では賄えません。それに、正式な予算を別途組んだとして‥‥そのような形跡は見られませんが‥‥一定量を継続して入手するには、特別な伝手が必要な筈。料理長。あなた自身にはその両方が欠けています」
姫は料理長の言い訳を遮って指摘する。料理長は、進退極まって沈黙を選んだ。これでは、黒幕を炙り出せない。
いや、この場にいる人間には、少なくとも宮廷魔術師が噛んでいる事は察しただろう。証拠がないだけだ。そして、証拠がなければ、彼がいかに有罪に見えても、姫の負けである。
「ところで、先ほど王妃陛下からもご指摘がありましたが、私のような者にルルフィウムのような高価な調味料を用いるのは、国家の無駄。ですが、既に調理されてしまった物を廃棄するのは、より大きな無駄遣いとなります」
姫は、料理長から視線を外し、会場で聞き耳を立てる参加者に話しかけるような声を出した。
「ですので、しばらく前から、私の食事と王妃陛下の食事を入れ替えてもらうよう、陛下付きの皆さんにお願いしておりましたの。皆様喜んで協力してくださいましたわ。先ほどのお話を聞きましても、効き目があったようですわね。国の発展に寄与できたこと、喜ばしく思います」
王妃の顔が、さあっと青ざめた。その顔で見られた宮廷魔術師が、慌て出した。
「ルルフィウムを王妃陛下に。何という恐ろしいことを。あれは、流産を促す‥‥」
「コンクエスト卿!」
王妃が強く遮った。魔術師は黙った。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる