異世界でロリッ子魔導師になりました

リオック

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帝国編

ゆっくり休みすぎたのでした

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 建国祭当日、僕達第二騎士団別隊はミリーさん達が泊まっている宿所2階の1部屋を借り、野営することなく今日を迎えた。
「ベッド私達で使って悪かったわね、2人共身体は問題ないかしら?」
「私プッド・ハガード、何のこれしき」
「野営に比べたら楽だよ、雨風にさらされないだけで十分・・・問題はこれからなんだけどね」
「皇帝陛下と帝国騎士団の行進があるみたいね、昨日号外が出回ってたけれど・・・私達も参列する事になっていたわ」
 ミリーさん達と闘技場の見学をしていた時にその号外を見て驚いた次第だね、スウ団長から何も聞かされていないのが理由だけど。
 一緒に居た龍人貴族のリア様が皇帝陛下に話を聞いてくれた、念話というらしいけど龍族の力とは凄いものだ。
「大勢の人達に見られるのは・・・凄く緊張してしまいそうです・・・」
「ん・・・ただ歩くだけ・・・それがとても面倒・・・」
「ミオンはともかく、ノヴァは少しくらい緊張しなさいよ、私達は1対1での対戦形式のようだからサボれないわよ?」
「リア様が話を通してくれたんだよねぇ?冒険者側の出場順から私達の出る順番を選べるんだっけぇ?」
「僕達はある意味前哨戦みたいなものだからね、気楽にとは思っていないのだけども・・・アイリと誰が当たるかを気にしなくて済んだのは幸いだね」
「私達と戦わせたくない理由はなんなのよ?そこまでやわじゃないわよ?」
「武器や盾は別だからね、僕のミスリル剣なら刃を変えれば済むし」
「壊れる事前提なのね・・・」
「アストさん、今何故武器と盾を分けたのですかな?」
「特に意味はないんだけど・・・少なくとも僕は盾を武器として使う人をあまり見たことないからかな・・・」
 王都に戻ったら予備の刃をまた頼んでおかないと・・・今回は早い別れとなりそうだ、前回は実によく保ったほうだね。


 人生初の朝風呂ンティアを満喫しているのですが、何かを忘れている気がしなくもないのです。
「同じ湯船でも自宅だと落ち着きすぎるのです~・・・レイブンはどうです?」
「水かお湯かの違いでしかないんやけどな、悪くないで・・・それはそうとええんか?」
 洗い桶に湯を張って、文字通りカラスの行水をしていたレイブン、割と気に入っているようなのです。
「確か今日が帝都の祭りやないん?まあうちには関係あらへんのやけどな」
 そうそう建国祭だったのです、人混みは酔うから苦手ではあるので・・・・・・
「マジで忘れとったんかいな、鳥頭なんか?居心地ええからって抜け過ぎやなぁ、かまへんでうちは」
「エントリーされていなければもうしばらくのんびりしていたいのですが・・・このままサボったとして、ミリー達から苦言の1つ・・・もしくは2つ以上言わせるのはよろしくないのです」
 風呂場から出る前に軽く温風で私とレイブンの水滴を飛ばしておくのです、しかしながら、濡れている足裏が気になって結局タオルを使ってしまったのです。
 衣服を整えて居間に顔を出し、母様と父様に声を掛けるのです、実に名残惜しいのです。
「アイリにもよろしくなぁフィオナ、気をつけて行くんだぞぉ~」
「忘れ物があったら倉庫に置いておくわね~、行ってらっしゃいフィオナ」
 両親にハグをしたのち玄関の扉を開け、行ってきますと告げるのです・・・思案した際、遅刻という単語が脳裏に浮かびつつ杖を浮遊させるのでした。


「ケリー選手ぅここでミオン選手の斧槍の一撃を避け・・・れないぃい!!短剣で受け止めるも場外へと飛ばされるぅぅぅっ!!!」
 ・・・これがフィオナ曰わく、てんしょんが高いというやつなのかな、あの龍人貴族様はとても活き活きしているよ。
「飛ばされる方向が逆だった場合、私(わたくし)達がいる特設席を直撃していましたわね」
「・・・弱々しい雰囲気の方だと思ってたけど、騎士団は伊達じゃないということかな」
 ・・・消極的というより堅実といった感じかな、素早い短剣の連撃をいなして、体勢が崩れたところに横凪を当てる・・・いい狙いだね。
「ケリー、仇は取ってやる・・・この俺、ガレルがな・・・・・・?」
「ミオンさんお見事でした、サハスさんいいのですかな?この私プッド・ハガードに任せていただいても?」
「頑張ってねぇ~」「む・・・私が変わっ・・・」
「第二騎士団にいるのにも驚いたが・・・お前が出てくるか、プッド・ハガード」
「お久しぶりですなガレル、私立剣術学院以来の対決・・・油断はしませんとも」
 ・・・どうやら知り合いらしいね、と思ったけれど、確か学院の頃の合同戦で組んだ剣士だった気がするね。
「両者準備はよろしいかぁ?よろしいな、構ぁえぇ・・・・・・始ぃぃめぇぇえ!」
「それにしても元気な龍人だよね、ノリノリじゃない?」
「そうですわね、余程この瞬間を楽しみにしていたのでしょう・・・趣味に興じている者の空気感ですわ」
 ・・・フィオナも唐突にてんしょん高くなる時があるけど、それと似たようなものかな。
 ギィン ギィン ギィン
「くそ!相変わらずの盾だなおい!?」
「今の私には盾が2つあるのですよ?どういう意味か・・・学院時代に1つで防ぎきった私を倒すのは困難という事!」
「意味わかんねー!」「隙、見つけたり!」
 ・・・直剣の攻撃を左盾で弾いてからの右盾の殴打、ガレル君の鳩尾に強打が入ったね・・・半月型の盾角は確かに痛烈かも。
「立てるかぁ冒険者ガレルぅぅ・・・これは、勝負あぁぁりぃぃい!」
「ガレル、盾とは過信するでなく身を預けるものだよ・・・君も盾を持つべきだったのですぞ?」
「かはっ・・・やっぱりお前は学院で一緒だった時から、意味・・・不明だぜ・・・」
「なるほど・・・確かにあれなら魔力を盾角に集中させれば武器にもなり得ますわね、手痛い一撃ですわ・・・それはそうと、フィオナ戻ってきませんわね・・・」
「居ないなと思ってはいたけど、宿で寝てる?」
「・・・王都に帰ってるんだけど・・・所要を装って闘技戦終わるまで戻る気がなかったんじゃ・・・」
「家でのんびりした結果、忘れてる可能性はありますわね、リアさんに状況を聞いてもらいたいところですけど・・・」
(ふむ、今こちらに向かっているようじゃな・・・端的に言えばミリーの言葉通りじゃの)
「・・・忘れてただけなんだ、乗り気でないからとてっきり・・・」
「フィオナはジオの時、結構好戦的ですからサボりはしないと思っていましたわ・・・対人戦は渋りますけれど」
 ・・・そういえば最初にミリーと出会った時のフィオナは冒険者ジオで同行していたっけ、確かに嬉々として、レーザーブレードを振り回していた気がするよ。
 ・・・今こちらに向かっているのなら、試合の運び方によっては・・・というより、普通に間に合わないかもね。
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