異世界でロリッ子魔導師になりました

リオック

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共和国編

根本問題に目を向けるのでした

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 目的地の大空洞に近づくにつれ魔物の数も多くなっていますが、超音波的奇声を発するコウモリ型が度々登場してくるのです
「キィィィイイイイッ!」「キィィ」「キィィ」
「くっ、またですの!?私(わたくし)この音はこれ以上無いくらいには苦手・・・ですわ!」
「・・・ふぅぅう・・・・・・」「うわ~ん!耳がつらいよ!」「キュゥ・・・」
 ユラは目もつむり、黙々とコウモリ型に若干の殺意を感じる奇襲的斬撃を放ち、姉様は片耳を抑えながら坑道を削る勢いで魔力が乗った剣撃で屠っているのです。
「ブレイズトーチ!・・・いわゆる魔導師的火炎放射なのです!」
 ボワアァァァァアッ!!!
「ウインド・フィールドを周囲に展開していると、心なしか音が和らぐ感じがしなくもないですわ・・・」
「大丈夫なのですミリー?表情がげんなりとしているのです」
「フィオナは・・・あの音・・・何ともないんですの・・・?」
 敢えて口にすると悲しくもあるのですが、五感が鋭いわけではないので影響が少ないのかもです・・・私的にはすっごく耳障りな程度で済んでいるのです。
「むむ、こっちに突進してくるです・・・プラズマストラクチャー展開なのです!」
 私の頭上で雷撃膜に捕まっているコウモリ型に炎圧縮、フレイムスティンガーを突き刺し一気に振り下ろす、真っ二つにしたコウモリ型を倒した辺りで魔物侵攻が一旦収まったのでした。

 想像以上に、というより想定外なコウモリ型の攻撃手段に皆が疲弊していたのです・・・携帯水袋から水分補給をし、各々珍しく溜め息をついているのです。
「強力な物理攻撃より、生物の器官的弱点・・・あのコウモリ型はなかなかに厄介かもなのです」
「まだ耳がキィーーンってするぅぅ」「私もなのにゃぁぁぁ、戦ってないのに疲れたにゃん!」
 身体能力の高さと五感の鋭さが逆に作用して近接前衛が特に影響が出ているようなのです、ミリーも音に過敏な所もあって相応に精神的なダメージが大きいよう・・・私とアキさんの影響が少ないのはもはや言うまでもないのです。
「アキ、解析情報を転送します」「ありがとう・・・・・・なるほどね」
 それにしてもアキさんは端末を持っているからともかく、シオンさんはどうやって解析しているのか・・・謎なのです。
「既存のコウモリ型と構造に大差はないね・・・一部の個体の喉頭に微弱ながらベンタルミナらしき反応がある、暫定的に言えばこれが超音波を強化させている要因だろうね」
「私(わたくし)達もコウモリ型は何度か討伐しましたけれど、あそこまで攻撃を避けられたことはありませんわよ・・・不可解ですわ」
「エコーロケーション、いわゆる反響定位による感知能力が発達したのだろうけど・・・・・・最悪のケースかもしれない、変異と進化が同時に、かつ自然に起こるはずはない・・・これにレプリカーゼが関係しているのなら・・・手遅れかもね」
「ある意味、ミリーさんが鉱山上空で羽付きの蜘蛛型を殲滅したのは正解だったのかもしれませんね・・・もしあの時の羽蜘蛛が同じ性質を有していた場合、各地に飛散する可能性を未然に防いだ事にもなりますから」
 悲惨な事態は回避できたのかもですね、早々に手遅れと見切りをつけるアキさんも決断が早計と言えなくもないですが。
「ほぼほぼ私はコウモリ型を相手にしていたから分からないのですが、蜘蛛型の方はどうだったです?」
「違いが分からなかったね!」「キュ!」「・・・確かに・・・羽は生えてなかったね」
「根本問題に直面してから考えろと、そういうことかいフィオナちゃん?言ってくれるね」
「そこまで意図した発言ではなかったのですが・・・こういうのは大抵、大ボスがいると相場が決まっているのです」
 いない方が寧ろ問題かもですが、原因がはっきりしているなら対処も可能なのです・・・根っ子が腐ってるのに枝や葉っぱをどうにかした所でという話なのです。


 〔フィオナパーティーの坑道侵入同時期〕
「つまりディオール素材を杖に使う時、魔力の導線として触媒結晶への供給を高速化させる事で術式の展開効率を高めるからこそ使用者に恩恵があるのだけれど、加工難易度も同様に高く・・・」
 ジークに背中を押されながら喋り続けるジュノ嬢は話が止まらないが、俺なら舌を噛む自信があるくらい流暢に言葉が出てくる。
「あのフィオナちゃんの杖はすげえってことだろ?いいことなんじゃねえのか?」
「一言で纏めるなジーク、あの杖の何が問題なのか、面白いのはこれからだろう?いいか、あの杖は触媒結晶以外、全部が、ディオール素材だ、この意味が分かる?」
「分かんねえわ」「分からないな・・・」「分かんない!」「・・・」
「魔力を通してないと重いらしい、故に持つだけで消費する事になる、そういうことだろう?」
 使った上で実感がないのではあるが、手から離すと凄い勢いで落ちる、それくらいの感覚だ。
「そもそもフォボスが無駄に心配するから解説してるんだ、まずそれを分かれ」
「分かったから落ち着けってジュノ、ミスリルってなあそういうことなんだろ、だからこそ商会長殿が依頼をしたってなもんだ」
「ごめんジュノ・・・気を取り直して、改めて整理すると、僕達は東側のヴェルガリア鉱山の通商隧道北方面扉から入って大空洞を目指す、その間にレプリカーゼという魔物を見掛けるようだったら捕縛、それ以外の魔物は討伐・・・で、いいんだよね?」
「そう言うことにはなるけれど、しかしながら・・・商会長がわざわざ出向くほどの依頼なのか疑問が残る、確かに魔物の巣窟になっている可能性のある大空洞での戦闘を考慮したものだから、相応に危険ではあるだろうけど」
「口で言うのは簡単だろジュノ、ミスリルランクの冒険者が必要な討伐も兼ねた依頼なら・・・・・・あれ、これって僕達、大丈夫なのか・・・?つい先日の戦闘でもひいひい言っていたのに・・・?」
「お前ら・・・そういう事だ、表向きには特筆するような討伐依頼ではない、魔物の巣窟を潰すだけならミスリルランクを派遣するのはより確実・・・なら何故、わざわざ商会長が現地に同行してまで調査する?」
「まあそうなんだけどよ・・・」「じゃ、じゃあ私達の加勢って想定外なんじゃ・・・」
「商会長やあのパーティー含め・・・明言していないがアレサの行動如何によっては、私達の参加は断られたと思っていい、龍人様の子女というのが大きい・・・正直、私は少し話を聞ければいいとしか考えてなかったし」
 フィオナメンツとクルスメンツで恐らく俺への解釈は違うだろう、少なくともフィオナは俺の存在を勘違いしていそうな気がしなくもない・・・リアの娘と紹介されている以上アートマ体辺りを想像している可能性があるな。
「ねえルイ、この道で本当に合ってる?僕はそっちの方が不安になってきたんだけど」
「合ってる合ってる!こっちだよ~」「心配だ・・・・・・僕は心配だよ!」
「?少し揺れた気がするが・・・錯覚か?」「どうしたアレサちゃん?」「いや・・・」
「ここから進んだ先がフォボス君が突っ込んだ場所だよ?」
「そうなのか・・・そうそう、あの時に小さい奴を見掛けて追いかけたら魔物が奥からどんどん迫ってきたんだよなぁ・・・・・・あんな風に、ね・・・!?」
 なるほど、先程のは錯覚ではなく蜘蛛型が移動してくる振動だったらしい・・・さっきの違和感とも異なる気もするのだが、まあいいか。
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