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第一章
038 ホープダイヤモンドの絆─⑥
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父は紙袋二つ分を持って戻ってきた。
「それなんだ?」
「フィンリーさんからだ」
中身は菓子折りだ。それも五つも。
「せんだってはありがとうございました、だとよ。風邪引いて看病されたのがよほど嬉しかったらしい。人の手料理を久しぶりに食べたと感動していたぞ」
「…………そっか。他に何か言ってた?」
「しばらく縁のある国へ行きます、だそうだ」
縁のある国。イギリスならば母国へ帰る、でいいだろう。わざとそういう言い回しにしたに違いない。
「それとこれをお前に渡してほしいと」
大きな紙袋から、小さな紙袋が出てきた。
中には正方形の箱が入っている。ハルカは目を見張った。
同じ箱を持っていて、中は何が入っているのか見当がつく。
そっと蓋を開けてみると、緋色の指輪が入っていた。京都で作った緋銅と呼ばれる昔ながらの技法で作られたものだ。
石がついている。アンバー色。琥珀だ。通称・人魚の涙。
中はインクルージョンがある。水と何かの植物だ。指輪を動かすと、中の水が揺れ動く。何億年も前の命が閉じ込められていた。
どんな思いで琥珀を指輪へ埋めたのだろう。想いを託したのだろう。
琥珀を人に贈るときの意味を思い出してみる。すぐに思いつくのは幸運だったり、長寿だ。あとは魔除け。
「…………魔除け」
ぼそっと呟いてみる。何かから守ろうとしているのか。
「他に何か言ってた?」
「いや、それだけだ」
彼の置かれた状況を考えてみると、回りに迷惑をかけないようにフランスへ行ったというのが正しく思える。だとすると、指輪の意味は魔除けがしっくりくる。
何のために──決まっている。テレビ局や野次馬から守るためのお守りだ。
今までも違和感はあったのだ。日本のテレビでサンソン一家の話題が出た後、テレビ局の人間がフィンリーの元へやってきた。しかもフィンリーは体調が悪化し、ただの風邪というにはタイミングが良すぎる。精神的なものが大きかったはずだ。
「俺に渡すつもりだった?」
「お前のためにどうしたらいいのか、ずっと悩んでいた」
答えてほしかったことではない。なぜなら父は違う土俵の上で悩んでいるからだ。
息子の幸せを願う一方で、潜む思いは何十年と生き続けた中で育ってきたものだ。親の教え、家庭、育った環境、宗教。いろいろな問題がある。同じ人間は二人といない。息子だからといって勝手に変えることはできないし、彼の人権を尊重しなければならない。
フィンリーとは、恋愛関係にいるわけではない。けれど、彼が頭から離れない。
父は目を瞑った。感情に忠実な息子は、お菓子を買ってもらえず地団駄を踏む子供とも違う。叱って追われれば、家族も壊れると判っている。
「好きにしろ」
「うん。ありがとう」
父がかけられる精いっぱいの言葉だった。
日本から一万キロ近く離れた場所にあるパリ。パリと聞いて思い浮かぶものといえば、某有名映画だったり、ルーブル美術館、ジェラート、エッフェル塔、クロワッサン。スイーツは祖父から教わったものもあるし、授業やテレビの影響で知ったものもあった。
予約したホテルの部屋に荷物を置き、まずは電気と水のチェックをした。電気と水は当たり前にあると思うな──祖父の言葉である。そうフィンリーにも告げると、彼は発音良く「トレビアン」と口にした。
まずは腹ごしらえのためにホテルを一度出た。バゲットの良い匂いに誘われて外から眺めていると、呼び込みをしていた店員から「ニーハオ」と声をかけられた。
ハルカは黙って微笑む。中国語は判らないが、片言の中国語で中へどうぞと言われている雰囲気だ。
「アジア人はみな中国人じゃないです」
と柔らかくフランス語で話すと、一瞬だけ彼の目が泳いだ。
ハルカは場所を変えて他の店に行くことにした。
三軒目まではニーハオと言われ、四軒目でようやくボンジュールと挨拶がきた。身体中に流れるフランスの血が、ここだ、と喜びの舞を踊っている。
クロワッサンのサンドイッチを頼んだ。それとコーヒー。
日本のサンドイッチと比べ、バターがたっぷりと塗られている。ハムとチーズ、レタス。シンプルだが、具材が多い。
一気に平らげた後、コーヒーを飲みつつ町の様子をしばらく眺めた。
ずっと来たかった祖父の故郷。まさかこのような事情のために来るとは想像すらできなかった。
ふと、テレビカメラが通った。何かの撮影かもしれない。一種のひらめきが頭をよぎった。
温くなったコーヒーを飲み、近くにいた店員に「Merci beaucoup」と告げた。日本語で「どうもありがとう」だ。
カメラを持った男性たちを追いかけていくと、広場で止まった。周りに目を配りながら、よく観察している。
「こんにちは。何かの撮影ですか?」
「やあ。君は日本人?」
「よくわかりましたね」
「撮影で何度もアジアにも行ってるからね。ちょっと協力してくれない? 旅行客の話を聞きたいんだ」
「ちなみに、いつ放送します?」
「生放送で、あと二十分くらいかな」
ハルカは心の中でガッツポーズを決めた。直接観てくれなくてもいい。動画やメッセージの送り主でもいい。
「フランス語のままで大丈夫かい? 英語も話せるけど」
「フランス語がいいですね。なんだかフランスのテレビ局も今、サムソン一家の件で大変なことになってるとか」
「ああ、その件ね。実はうちのテレビ局が報じたんだよ」
「それはすごい。歴史が動き出す可能性もありますね。サムソン一家が絡んでくるとマリー・アントワネットにも埋もれた歴史がまだありそうですし」
「実はここだけの話、サンソンの末裔がフランスへ戻ってきたってざわついてるんだよ。なんとかカメラに収めたいところなんだがね」
「目星はついてるんですか?」
「まあね。向こうからコンタクトを取ってきたんだ。それより、時間は二分くらいだけど、旅行の目的とか聞いてもいい?」
「ええ、大丈夫です」
「こおら、早くしろ! カメラの準備だ!」
もう一人の男性が癖のあるフランス語でまくし立てた。
二分とは、愛を語るには短すぎる。
ハルカは胸を押さえ、何度も何度も胸中で繰り返した。
そして始まる。小さな少女がこちらを見ている。大人たちも興味津々だ。
「フランスへ旅行に来た日本人にインタビューをしてみよう。名前は?」
「アルカです」
「どこへ行く予定なんだい?」
「ルーブル美術館へは一度行ってみたかったんですよ。あとは……コンコルド広場とか」
コンコルド広場。フランス革命にてマリー・アントワネットが命を落とした場所。そして処刑執行人を務めたのがシャルル=アンリ・サンソン。
「コンコルド広場! それはいいね! ここ数日間でいろいろお騒がせするけど、ぜひ行ってみるといい」
皮肉を込めた言い方だ。ハルカは愛想笑いでやり過ごす。
テレビの影響力は計り知れない。SNSなどで広まってくれたらいい。
「それなんだ?」
「フィンリーさんからだ」
中身は菓子折りだ。それも五つも。
「せんだってはありがとうございました、だとよ。風邪引いて看病されたのがよほど嬉しかったらしい。人の手料理を久しぶりに食べたと感動していたぞ」
「…………そっか。他に何か言ってた?」
「しばらく縁のある国へ行きます、だそうだ」
縁のある国。イギリスならば母国へ帰る、でいいだろう。わざとそういう言い回しにしたに違いない。
「それとこれをお前に渡してほしいと」
大きな紙袋から、小さな紙袋が出てきた。
中には正方形の箱が入っている。ハルカは目を見張った。
同じ箱を持っていて、中は何が入っているのか見当がつく。
そっと蓋を開けてみると、緋色の指輪が入っていた。京都で作った緋銅と呼ばれる昔ながらの技法で作られたものだ。
石がついている。アンバー色。琥珀だ。通称・人魚の涙。
中はインクルージョンがある。水と何かの植物だ。指輪を動かすと、中の水が揺れ動く。何億年も前の命が閉じ込められていた。
どんな思いで琥珀を指輪へ埋めたのだろう。想いを託したのだろう。
琥珀を人に贈るときの意味を思い出してみる。すぐに思いつくのは幸運だったり、長寿だ。あとは魔除け。
「…………魔除け」
ぼそっと呟いてみる。何かから守ろうとしているのか。
「他に何か言ってた?」
「いや、それだけだ」
彼の置かれた状況を考えてみると、回りに迷惑をかけないようにフランスへ行ったというのが正しく思える。だとすると、指輪の意味は魔除けがしっくりくる。
何のために──決まっている。テレビ局や野次馬から守るためのお守りだ。
今までも違和感はあったのだ。日本のテレビでサンソン一家の話題が出た後、テレビ局の人間がフィンリーの元へやってきた。しかもフィンリーは体調が悪化し、ただの風邪というにはタイミングが良すぎる。精神的なものが大きかったはずだ。
「俺に渡すつもりだった?」
「お前のためにどうしたらいいのか、ずっと悩んでいた」
答えてほしかったことではない。なぜなら父は違う土俵の上で悩んでいるからだ。
息子の幸せを願う一方で、潜む思いは何十年と生き続けた中で育ってきたものだ。親の教え、家庭、育った環境、宗教。いろいろな問題がある。同じ人間は二人といない。息子だからといって勝手に変えることはできないし、彼の人権を尊重しなければならない。
フィンリーとは、恋愛関係にいるわけではない。けれど、彼が頭から離れない。
父は目を瞑った。感情に忠実な息子は、お菓子を買ってもらえず地団駄を踏む子供とも違う。叱って追われれば、家族も壊れると判っている。
「好きにしろ」
「うん。ありがとう」
父がかけられる精いっぱいの言葉だった。
日本から一万キロ近く離れた場所にあるパリ。パリと聞いて思い浮かぶものといえば、某有名映画だったり、ルーブル美術館、ジェラート、エッフェル塔、クロワッサン。スイーツは祖父から教わったものもあるし、授業やテレビの影響で知ったものもあった。
予約したホテルの部屋に荷物を置き、まずは電気と水のチェックをした。電気と水は当たり前にあると思うな──祖父の言葉である。そうフィンリーにも告げると、彼は発音良く「トレビアン」と口にした。
まずは腹ごしらえのためにホテルを一度出た。バゲットの良い匂いに誘われて外から眺めていると、呼び込みをしていた店員から「ニーハオ」と声をかけられた。
ハルカは黙って微笑む。中国語は判らないが、片言の中国語で中へどうぞと言われている雰囲気だ。
「アジア人はみな中国人じゃないです」
と柔らかくフランス語で話すと、一瞬だけ彼の目が泳いだ。
ハルカは場所を変えて他の店に行くことにした。
三軒目まではニーハオと言われ、四軒目でようやくボンジュールと挨拶がきた。身体中に流れるフランスの血が、ここだ、と喜びの舞を踊っている。
クロワッサンのサンドイッチを頼んだ。それとコーヒー。
日本のサンドイッチと比べ、バターがたっぷりと塗られている。ハムとチーズ、レタス。シンプルだが、具材が多い。
一気に平らげた後、コーヒーを飲みつつ町の様子をしばらく眺めた。
ずっと来たかった祖父の故郷。まさかこのような事情のために来るとは想像すらできなかった。
ふと、テレビカメラが通った。何かの撮影かもしれない。一種のひらめきが頭をよぎった。
温くなったコーヒーを飲み、近くにいた店員に「Merci beaucoup」と告げた。日本語で「どうもありがとう」だ。
カメラを持った男性たちを追いかけていくと、広場で止まった。周りに目を配りながら、よく観察している。
「こんにちは。何かの撮影ですか?」
「やあ。君は日本人?」
「よくわかりましたね」
「撮影で何度もアジアにも行ってるからね。ちょっと協力してくれない? 旅行客の話を聞きたいんだ」
「ちなみに、いつ放送します?」
「生放送で、あと二十分くらいかな」
ハルカは心の中でガッツポーズを決めた。直接観てくれなくてもいい。動画やメッセージの送り主でもいい。
「フランス語のままで大丈夫かい? 英語も話せるけど」
「フランス語がいいですね。なんだかフランスのテレビ局も今、サムソン一家の件で大変なことになってるとか」
「ああ、その件ね。実はうちのテレビ局が報じたんだよ」
「それはすごい。歴史が動き出す可能性もありますね。サムソン一家が絡んでくるとマリー・アントワネットにも埋もれた歴史がまだありそうですし」
「実はここだけの話、サンソンの末裔がフランスへ戻ってきたってざわついてるんだよ。なんとかカメラに収めたいところなんだがね」
「目星はついてるんですか?」
「まあね。向こうからコンタクトを取ってきたんだ。それより、時間は二分くらいだけど、旅行の目的とか聞いてもいい?」
「ええ、大丈夫です」
「こおら、早くしろ! カメラの準備だ!」
もう一人の男性が癖のあるフランス語でまくし立てた。
二分とは、愛を語るには短すぎる。
ハルカは胸を押さえ、何度も何度も胸中で繰り返した。
そして始まる。小さな少女がこちらを見ている。大人たちも興味津々だ。
「フランスへ旅行に来た日本人にインタビューをしてみよう。名前は?」
「アルカです」
「どこへ行く予定なんだい?」
「ルーブル美術館へは一度行ってみたかったんですよ。あとは……コンコルド広場とか」
コンコルド広場。フランス革命にてマリー・アントワネットが命を落とした場所。そして処刑執行人を務めたのがシャルル=アンリ・サンソン。
「コンコルド広場! それはいいね! ここ数日間でいろいろお騒がせするけど、ぜひ行ってみるといい」
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