18 / 54
十八話:宴のあと
しおりを挟む
リカルドがそのまま踊り始めそうになって、僕は慌てて聞いた。
「サロモア嬢は?」
「丁重にお断りをした。キミ、キューピッド役をやるのは良いけど、俺にも人を選ぶ自由ってものがあるはずだよ」
僕の橋渡しは上手くいかなかったらしい。
「ほら、だから気にしないで踊ろう」
僕にも人を選ぶ自由があるという言葉が喉元まで出かかったが、ミブ殿下からの誘いを断らせてしまった以上、口に出すことはしなかった。
リカルドと練習をしていたこともあり、踊りやすかった。脚がもつれて転ぶような無様なことにならなかったことに、ほっと胸をなでおろす。
そろそろお開きというときに、リカルドは僕を呼び止めた。
「これから学院ではどう振舞うつもりだい?」
そのことについては父と話し合っていた。
披露目会を開いて、王族であるミブ殿下を招待したからには、王室が年に一度発行する貴族名鑑の末端に名を連ねることになる。披露目会で説明した病弱で伏せっていたという理由までは名鑑には乗らないし、披露目会をしていないから苗字を明かさずにいた、という説明は用意した。しかし、披露目会が遅くなった理由を聞かれると困る。
「できる限り今まで通り過ごすってことになってるよ」
「それは良かった。ライバルが増えたら困るからね」
「僕が貴族だと明かしたところで、貴方のことを好きだった人たちが僕を好きになることは無いと思うけど」
「そういうことじゃないんだけどな……。ま、何か困ったことがあったらすぐに相談してよ。何か力になれるかもしれないから」
「貴方にはもう充分助けてもらってる。これ以上貸しを作りたくない」
「そう言わずにさ。じゃ、また学院で」
「また」
招待客の全ての見送りが終わると、一気に疲れが押し寄せてきた。
「ラルフ、僕もう寝たい」
「坊ちゃん、もう少しの辛抱です」
「明日の休みは何も予定無かったよね」
「ええ」
一生分人と話をした気分ですっかり疲れてしまった。明日は家にこもって思う存分本を読むんだ、と心に決めた。
週明けに学院に着いた馬車を降りると、同じく馬車から降りたばかりらしいサロモア嬢に声をかけられた。
「まあ、勿体ない。髪型、戻してしまったの? 一昨日みたいに髪を上げていた方がシルヴァ様には似合うのに。シルヴァ様の執事さんもそう思うでしょう?」
急に話を振られたラルフは少し戸惑った様子で返事をした。
「ええ、まあ……」
「執事さん、今から一昨日みたいな髪型にできるかしら」
「シルヴァ様は目立つことを嫌っておられますので……」
「シルヴァ様、一昨日リカルド様を貴方のもとに向かわせたのは私なんですの」
ライバルには強くあってもらわなくては面白くありませんわ、とサロモア嬢は言葉をつづけた。その意味を図りかねている間にもサロモア嬢からの圧を感じる。仕方ない。
「ラルフ、サロモア嬢の言う通りに従ってほしい」
「よいのですか」
「うん」
「坊ちゃん、馬車の中へ」
ラルフに促されるまま馬車に戻ると、ラルフは道具を用意しだした。
「……どうして道具があるの」
「私も常々勿体ないと思っておりましたので」
ラルフはあまり表情を表には出さないが、今はうきうきしているらしいのが手に取るように分かるほどで、全く隠しきれていない。
スプレーをしたり櫛を通したりした後に手際よく髪を結いあげると、最後に何かを飾り付けたようだった。
「ラルフ、学院ではあんまり飾り付けない方が……」
「これくらいなら充分許容範囲内ですよ。サロモア嬢もご満足されるでしょう」
馬車を降りると、サロモア嬢はにんまりと口の端を上げている。ラルフの言うように満足している様子だ。ほら言ったじゃないとでも言うかのように、得意げですらある。
「シルヴァ様より執事さんの方がよっぽど分かってるわ。極めつけはそのリボンの色」
「ラルフ、リボン付けたの?」
頭に手をやると、さらりとした物が手に触れる。
「細めのサテンリボンです」
「色は?」
嫌な予感がしている。
「パステルグリーンです」
聞くや否や僕はリボンをほどいた。二人が嘆息する。
「却下。緑系統は駄目」
「なぜ」
二人の声が揃う。なぜってそれは言うまでもない。決まっている。
「まるで僕がリカルドのことを意識してるみたいになるから……!」
「意識はとっくにしてる癖によく言うわ。ねえ、執事さん」
「坊ちゃんは存外に頑固なんです」
僕は二人を無視して校舎に向かう。二人の与太話には付き合いきれない。これ以上話に乗っていたら遅刻する。
意識はとっくにしてる癖に、というサロモア嬢の言葉がリフレインしている。
意識はしている。それは認めよう。今まで隅っこにいたのにその僕の領域にずかずかと乗り込んできたのは向こうだ。意識しないというのは無理な話だ。
ただ、サロモア嬢は恋愛の意味で言っているだろう。僕がリカルドにしている意識は恋愛の意味だろうか。
悶々と一人で思考を巡らせていると、不意に誰かから背中を軽く叩かれた。こんなことをするのは一人しか思い当たらない。
「おはようシルヴァ君」
「リカルド、驚かせるのはやめてよ。口から心臓が飛び出るかと思った」
「それはいけない。髪型、学院でもそれでいくことにしたんだ」
「うちの執事がサロモア嬢に唆されて仕方なく」
「ナイス唆しだ」
ただ、とリカルドは表情を曇らせた。
「一昨日のシルヴァ君はあまり大勢に知られたくないな。ミブ殿下みたいに横槍を入れられると厄介だからね」
リカルドが立ち止まったので、思わず僕も立ち止まった。僕の頭にリカルドの手が伸びる。しゅるりと髪を結わえていたものが解かれる。
「うん、これでいつも通り」
「似合ってなかった?」
「いやいや。似合いすぎていたから駄目なんだよ」
「何それ」
学院での時間はいつもと何ら変わることなく過ぎていった。
「サロモア嬢は?」
「丁重にお断りをした。キミ、キューピッド役をやるのは良いけど、俺にも人を選ぶ自由ってものがあるはずだよ」
僕の橋渡しは上手くいかなかったらしい。
「ほら、だから気にしないで踊ろう」
僕にも人を選ぶ自由があるという言葉が喉元まで出かかったが、ミブ殿下からの誘いを断らせてしまった以上、口に出すことはしなかった。
リカルドと練習をしていたこともあり、踊りやすかった。脚がもつれて転ぶような無様なことにならなかったことに、ほっと胸をなでおろす。
そろそろお開きというときに、リカルドは僕を呼び止めた。
「これから学院ではどう振舞うつもりだい?」
そのことについては父と話し合っていた。
披露目会を開いて、王族であるミブ殿下を招待したからには、王室が年に一度発行する貴族名鑑の末端に名を連ねることになる。披露目会で説明した病弱で伏せっていたという理由までは名鑑には乗らないし、披露目会をしていないから苗字を明かさずにいた、という説明は用意した。しかし、披露目会が遅くなった理由を聞かれると困る。
「できる限り今まで通り過ごすってことになってるよ」
「それは良かった。ライバルが増えたら困るからね」
「僕が貴族だと明かしたところで、貴方のことを好きだった人たちが僕を好きになることは無いと思うけど」
「そういうことじゃないんだけどな……。ま、何か困ったことがあったらすぐに相談してよ。何か力になれるかもしれないから」
「貴方にはもう充分助けてもらってる。これ以上貸しを作りたくない」
「そう言わずにさ。じゃ、また学院で」
「また」
招待客の全ての見送りが終わると、一気に疲れが押し寄せてきた。
「ラルフ、僕もう寝たい」
「坊ちゃん、もう少しの辛抱です」
「明日の休みは何も予定無かったよね」
「ええ」
一生分人と話をした気分ですっかり疲れてしまった。明日は家にこもって思う存分本を読むんだ、と心に決めた。
週明けに学院に着いた馬車を降りると、同じく馬車から降りたばかりらしいサロモア嬢に声をかけられた。
「まあ、勿体ない。髪型、戻してしまったの? 一昨日みたいに髪を上げていた方がシルヴァ様には似合うのに。シルヴァ様の執事さんもそう思うでしょう?」
急に話を振られたラルフは少し戸惑った様子で返事をした。
「ええ、まあ……」
「執事さん、今から一昨日みたいな髪型にできるかしら」
「シルヴァ様は目立つことを嫌っておられますので……」
「シルヴァ様、一昨日リカルド様を貴方のもとに向かわせたのは私なんですの」
ライバルには強くあってもらわなくては面白くありませんわ、とサロモア嬢は言葉をつづけた。その意味を図りかねている間にもサロモア嬢からの圧を感じる。仕方ない。
「ラルフ、サロモア嬢の言う通りに従ってほしい」
「よいのですか」
「うん」
「坊ちゃん、馬車の中へ」
ラルフに促されるまま馬車に戻ると、ラルフは道具を用意しだした。
「……どうして道具があるの」
「私も常々勿体ないと思っておりましたので」
ラルフはあまり表情を表には出さないが、今はうきうきしているらしいのが手に取るように分かるほどで、全く隠しきれていない。
スプレーをしたり櫛を通したりした後に手際よく髪を結いあげると、最後に何かを飾り付けたようだった。
「ラルフ、学院ではあんまり飾り付けない方が……」
「これくらいなら充分許容範囲内ですよ。サロモア嬢もご満足されるでしょう」
馬車を降りると、サロモア嬢はにんまりと口の端を上げている。ラルフの言うように満足している様子だ。ほら言ったじゃないとでも言うかのように、得意げですらある。
「シルヴァ様より執事さんの方がよっぽど分かってるわ。極めつけはそのリボンの色」
「ラルフ、リボン付けたの?」
頭に手をやると、さらりとした物が手に触れる。
「細めのサテンリボンです」
「色は?」
嫌な予感がしている。
「パステルグリーンです」
聞くや否や僕はリボンをほどいた。二人が嘆息する。
「却下。緑系統は駄目」
「なぜ」
二人の声が揃う。なぜってそれは言うまでもない。決まっている。
「まるで僕がリカルドのことを意識してるみたいになるから……!」
「意識はとっくにしてる癖によく言うわ。ねえ、執事さん」
「坊ちゃんは存外に頑固なんです」
僕は二人を無視して校舎に向かう。二人の与太話には付き合いきれない。これ以上話に乗っていたら遅刻する。
意識はとっくにしてる癖に、というサロモア嬢の言葉がリフレインしている。
意識はしている。それは認めよう。今まで隅っこにいたのにその僕の領域にずかずかと乗り込んできたのは向こうだ。意識しないというのは無理な話だ。
ただ、サロモア嬢は恋愛の意味で言っているだろう。僕がリカルドにしている意識は恋愛の意味だろうか。
悶々と一人で思考を巡らせていると、不意に誰かから背中を軽く叩かれた。こんなことをするのは一人しか思い当たらない。
「おはようシルヴァ君」
「リカルド、驚かせるのはやめてよ。口から心臓が飛び出るかと思った」
「それはいけない。髪型、学院でもそれでいくことにしたんだ」
「うちの執事がサロモア嬢に唆されて仕方なく」
「ナイス唆しだ」
ただ、とリカルドは表情を曇らせた。
「一昨日のシルヴァ君はあまり大勢に知られたくないな。ミブ殿下みたいに横槍を入れられると厄介だからね」
リカルドが立ち止まったので、思わず僕も立ち止まった。僕の頭にリカルドの手が伸びる。しゅるりと髪を結わえていたものが解かれる。
「うん、これでいつも通り」
「似合ってなかった?」
「いやいや。似合いすぎていたから駄目なんだよ」
「何それ」
学院での時間はいつもと何ら変わることなく過ぎていった。
19
あなたにおすすめの小説
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
裏乙女ゲー?モブですよね? いいえ主人公です。
みーやん
BL
何日の時をこのソファーと過ごしただろう。
愛してやまない我が妹に頼まれた乙女ゲーの攻略は終わりを迎えようとしていた。
「私の青春学園生活⭐︎星蒼山学園」というこのタイトルの通り、女の子の主人公が学園生活を送りながら攻略対象に擦り寄り青春という名の恋愛を繰り広げるゲームだ。ちなみに女子生徒は全校生徒約900人のうち主人公1人というハーレム設定である。
あと1ヶ月後に30歳の誕生日を迎える俺には厳しすぎるゲームではあるが可愛い妹の為、精神と睡眠を削りながらやっとの思いで最後の攻略対象を攻略し見事クリアした。
最後のエンドロールまで見た後に
「裏乙女ゲームを開始しますか?」
という文字が出てきたと思ったら目の視界がだんだんと狭まってくる感覚に襲われた。
あ。俺3日寝てなかったんだ…
そんなことにふと気がついた時には視界は完全に奪われていた。
次に目が覚めると目の前には見覚えのあるゲームならではのウィンドウ。
「星蒼山学園へようこそ!攻略対象を攻略し青春を掴み取ろう!」
何度見たかわからないほど見たこの文字。そして気づく現実味のある体感。そこは3日徹夜してクリアしたゲームの世界でした。
え?意味わかんないけどとりあえず俺はもちろんモブだよね?
これはモブだと勘違いしている男が実は主人公だと気付かないまま学園生活を送る話です。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
過労死転生した悪役令息Ωは、冷徹な隣国皇帝陛下の運命の番でした~婚約破棄と断罪からのざまぁ、そして始まる激甘な溺愛生活~
水凪しおん
BL
過労死した平凡な会社員が目を覚ますと、そこは愛読していたBL小説の世界。よりにもよって、義理の家族に虐げられ、最後は婚約者に断罪される「悪役令息」リオンに転生してしまった!
「出来損ないのΩ」と罵られ、食事もろくに与えられない絶望的な日々。破滅フラグしかない運命に抗うため、前世の知識を頼りに生き延びる決意をするリオン。
そんな彼の前に現れたのは、隣国から訪れた「冷徹皇帝」カイゼル。誰もが恐れる圧倒的カリスマを持つ彼に、なぜかリオンは助けられてしまう。カイゼルに触れられた瞬間、走る甘い痺れ。それは、αとΩを引き合わせる「運命の番」の兆しだった。
「お前がいいんだ、リオン」――まっすぐな求婚、惜しみない溺愛。
孤独だった悪役令息が、運命の番である皇帝に見出され、破滅の運命を覆していく。巧妙な罠、仕組まれた断罪劇、そして華麗なるざまぁ。絶望の淵から始まる、極上の逆転シンデレラストーリー!
【完結】マジで婚約破棄される5秒前〜婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ悪役令息は一体どうしろと?〜
明太子
BL
公爵令息ジェーン・アンテノールは初恋の人である婚約者のウィリアム王太子から冷遇されている。
その理由は彼が侯爵令息のリア・グラマシーと恋仲であるため。
ジェーンは婚約者の心が離れていることを寂しく思いながらも卒業パーティーに出席する。
しかし、その場で彼はひょんなことから自身がリアを主人公とした物語(BLゲーム)の悪役だと気付く。
そしてこの後すぐにウィリアムから婚約破棄されることも。
婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ一体どうしろと?
シナリオから外れたジェーンの行動は登場人物たちに思わぬ影響を与えていくことに。
※小説家になろうにも掲載しております。
龍は精霊の愛し子を愛でる
林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。
その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。
王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる