43 / 54
第四十三話:出発の日
しおりを挟む
ホリデー当日から三日後。
ディミニスへ行く日がやってきた。父が雇ってくれた家庭教師との練習の成果もあって、日常会話と魔法に関する会話はだいぶ話せるようになっていた。カレンベルク家の計らいでディミニス留学は絶対のものではなくなったが、それでも得るものはあるはずだ。
海の向こうにあるディミニスだが、駅までの馬車移動のほかは全て列車だ。海底に通されたトンネルの中を列車が走ると本で読んだときには驚いた。島国であるディミニスは、船でしか行けなかった時には天候に左右されやすく、さぞ不便だったに違いない。
朝の出発で、夕方には着く予定だとラルフから聞いている。十時間にも及ぶ旅程にめまいがしてくる。駅の人の多さにまず人酔いしてきて、先が思いやられた。
「坊ちゃん、大丈夫ですか」
「人が多くて気持ち悪い」
披露目会の時にも思ったが、僕はどうやら人が多い場所が得意ではないらしい。
「乗るまでの辛抱ですよ。一等席を取ってありますから、乗ってしまえば後は眠るなりして寛げます」
話している間に父はどんどんと先に進み、追いつこうと慌てて歩いたら人とぶつかってしまった。反動で僕は尻もちをついた。
「すまん、怪我はないか」
習っていたものよりもだいぶくだけた表現ではあったが、相手が話した言葉がディグリッシュであると理解できた。
「大丈夫です。貴方にはお怪我ありませんか?」
僕は試しにディグリッシュで返した。男はたじろいだように見えた。発音が悪くて伝わらなかったのだろうか。
「……あんた、ディグリッシュが分かるのか? しかもすっげぇ綺麗な発音……お貴族様?」
矢継ぎ早に言われたために、最後の方は何を言われたのか分からなかった。笑って誤魔化す。
「伝わって嬉しい。まだまだ勉強中です」
「そんぐらい話せればじゅーぶんだろ」
男は僕に手を差し出してきた。
「早く立たねえと踏まれちまうぜ」
ニヤリと笑い、僕の右腕を引っ張り上げた。前につんのめって、顔が近づく。空色の双眸が、まじまじと僕の顔を見ていた。
「すんげぇー綺麗な顔。人形みてぇ」
どう反応したらいいものか困って、とりあえず笑っておく。
「なあ、あんた良かったら……」
「シルヴァ君!」
喧騒の中で僕の名前を呼ぶ声が聞こえた気がして、周りを見わたした。溢れかえる人の中に、光って見える場所があった。
「リカルド……?」
リカルドは、溢れかえる人混みの中を器用に走ってくる。
「よかった、見送りに間に合って……そちらにいるのはどちらさん?」
「今度は美丈夫のお出ましかよ」
「あ、えと僕とぶつかっちゃって起こしてくれたんだ」
そう告げると、リカルドは苦虫を嚙み潰したような顔をした。
「ふーん」
リカルドは男には向き直って、
「恋人を起こしてくれてどうも。その手、もう離してもいいでしょう?」
と言った。低い声で話すリカルドの姿にどきどきする。
「ちぇっ、もうはぐれるんじゃねーぞ」
男はそう言って立ち去った。なんだ、ヴァドワール語でも通じたのか。
「ねえシルヴァ君。聞きたいことがいくつかあるんだけど」
リカルドの声は低いままだった。怒ってる。なんでか分からないけど怒ってる。
「な、なに?」
「さっき、あいつに言われたこと全部教えて。絶対に口説かれてたでしょ」
「大げさに褒める人ではあったけど、口説かれてはいないはずだよ、多分。ディグリッシュで話してたから一部は分からなかったし」
「教えて」
頑なに言うので話さざるを得なかった。
話し終えると、リカルドはため息をついた。
「綺麗な顔、人形みたいは口説いてるでしょ……それで、ご当主とお兄様と執事は?」
「そ、そうだ。僕が歩くのが下手過ぎて距離が離れたから慌てて歩いて、それでさっきの人とぶつかってしまったんだ」
周りを見ても三人の姿が見当たらない。
「……はぐれちゃったみたい」
「キミ、本当に留学するつもりなら、このままだと危なっかしすぎるよ。ほら、探しに行こう。列車が出るのは十一番線だったよね?」
「うん」
リカルドに手を引かれて歩くと、さっきまでよりも幾分か歩きやすくなった。人の間を縫って歩くのに慣れている。社交場での経験値の差をこんなところで見せつけられるとは。
「シルヴァ、良かった。探したよ」
しばらく歩くと、兄さんが大きく手を振っているのが見えた。
「気付けばいなくなってるんだもん。肝が冷えたよ」
「リカルドが助けてくれたんだ」
「お久しぶりです、ルヴィアン殿」
「どうも。リカルド殿は私よりも父上に挨拶するべきなのではないかな」
「モーグ伯爵、ご挨拶が遅れまして申し訳ございません。お会いするのは、先月に宮廷で行われたお食事会以来ですね」
リカルドは微笑みを湛えた。反して父上は、渋い顔をしている。
「シルヴァを見つけてくれたことには感謝する。が、婚約について正式な挨拶がなされていないことは遺憾である」
「手厳しいですね」
「フェルヴィン様、そろそろ行かねば乗り遅れますよ。本数が少ないのですから、乗り遅れてしまうと到着が遅れてしまいます」
「分かっている。シルヴァ、一体どこで油を売っていたのか、後で聞かせてもらおう。ルヴィアン、シルヴァの手を握っておけ。まったく、いつまでも子どものままでは困るぞ」
兄さんと僕が手をつなぐと、リカルドはあからさまに不機嫌そうな顔をした。
改札を通り、列車に乗り込むと、ようやく喧騒から逃れられた。一般的な貴族家は執事は別の等級席にするらしいが、父上はラルフにも一等座席を用意した。「一人で二人の面倒を見ろというのか」と言っている横で、善意を素直に伝えれば良いのにと兄さんは言っていた。
列車が滑り出し、景色が動き始めた。窓の向こうでリカルドが手を振っている。僕は小さく手を振り返した。
ディミニスへ行く日がやってきた。父が雇ってくれた家庭教師との練習の成果もあって、日常会話と魔法に関する会話はだいぶ話せるようになっていた。カレンベルク家の計らいでディミニス留学は絶対のものではなくなったが、それでも得るものはあるはずだ。
海の向こうにあるディミニスだが、駅までの馬車移動のほかは全て列車だ。海底に通されたトンネルの中を列車が走ると本で読んだときには驚いた。島国であるディミニスは、船でしか行けなかった時には天候に左右されやすく、さぞ不便だったに違いない。
朝の出発で、夕方には着く予定だとラルフから聞いている。十時間にも及ぶ旅程にめまいがしてくる。駅の人の多さにまず人酔いしてきて、先が思いやられた。
「坊ちゃん、大丈夫ですか」
「人が多くて気持ち悪い」
披露目会の時にも思ったが、僕はどうやら人が多い場所が得意ではないらしい。
「乗るまでの辛抱ですよ。一等席を取ってありますから、乗ってしまえば後は眠るなりして寛げます」
話している間に父はどんどんと先に進み、追いつこうと慌てて歩いたら人とぶつかってしまった。反動で僕は尻もちをついた。
「すまん、怪我はないか」
習っていたものよりもだいぶくだけた表現ではあったが、相手が話した言葉がディグリッシュであると理解できた。
「大丈夫です。貴方にはお怪我ありませんか?」
僕は試しにディグリッシュで返した。男はたじろいだように見えた。発音が悪くて伝わらなかったのだろうか。
「……あんた、ディグリッシュが分かるのか? しかもすっげぇ綺麗な発音……お貴族様?」
矢継ぎ早に言われたために、最後の方は何を言われたのか分からなかった。笑って誤魔化す。
「伝わって嬉しい。まだまだ勉強中です」
「そんぐらい話せればじゅーぶんだろ」
男は僕に手を差し出してきた。
「早く立たねえと踏まれちまうぜ」
ニヤリと笑い、僕の右腕を引っ張り上げた。前につんのめって、顔が近づく。空色の双眸が、まじまじと僕の顔を見ていた。
「すんげぇー綺麗な顔。人形みてぇ」
どう反応したらいいものか困って、とりあえず笑っておく。
「なあ、あんた良かったら……」
「シルヴァ君!」
喧騒の中で僕の名前を呼ぶ声が聞こえた気がして、周りを見わたした。溢れかえる人の中に、光って見える場所があった。
「リカルド……?」
リカルドは、溢れかえる人混みの中を器用に走ってくる。
「よかった、見送りに間に合って……そちらにいるのはどちらさん?」
「今度は美丈夫のお出ましかよ」
「あ、えと僕とぶつかっちゃって起こしてくれたんだ」
そう告げると、リカルドは苦虫を嚙み潰したような顔をした。
「ふーん」
リカルドは男には向き直って、
「恋人を起こしてくれてどうも。その手、もう離してもいいでしょう?」
と言った。低い声で話すリカルドの姿にどきどきする。
「ちぇっ、もうはぐれるんじゃねーぞ」
男はそう言って立ち去った。なんだ、ヴァドワール語でも通じたのか。
「ねえシルヴァ君。聞きたいことがいくつかあるんだけど」
リカルドの声は低いままだった。怒ってる。なんでか分からないけど怒ってる。
「な、なに?」
「さっき、あいつに言われたこと全部教えて。絶対に口説かれてたでしょ」
「大げさに褒める人ではあったけど、口説かれてはいないはずだよ、多分。ディグリッシュで話してたから一部は分からなかったし」
「教えて」
頑なに言うので話さざるを得なかった。
話し終えると、リカルドはため息をついた。
「綺麗な顔、人形みたいは口説いてるでしょ……それで、ご当主とお兄様と執事は?」
「そ、そうだ。僕が歩くのが下手過ぎて距離が離れたから慌てて歩いて、それでさっきの人とぶつかってしまったんだ」
周りを見ても三人の姿が見当たらない。
「……はぐれちゃったみたい」
「キミ、本当に留学するつもりなら、このままだと危なっかしすぎるよ。ほら、探しに行こう。列車が出るのは十一番線だったよね?」
「うん」
リカルドに手を引かれて歩くと、さっきまでよりも幾分か歩きやすくなった。人の間を縫って歩くのに慣れている。社交場での経験値の差をこんなところで見せつけられるとは。
「シルヴァ、良かった。探したよ」
しばらく歩くと、兄さんが大きく手を振っているのが見えた。
「気付けばいなくなってるんだもん。肝が冷えたよ」
「リカルドが助けてくれたんだ」
「お久しぶりです、ルヴィアン殿」
「どうも。リカルド殿は私よりも父上に挨拶するべきなのではないかな」
「モーグ伯爵、ご挨拶が遅れまして申し訳ございません。お会いするのは、先月に宮廷で行われたお食事会以来ですね」
リカルドは微笑みを湛えた。反して父上は、渋い顔をしている。
「シルヴァを見つけてくれたことには感謝する。が、婚約について正式な挨拶がなされていないことは遺憾である」
「手厳しいですね」
「フェルヴィン様、そろそろ行かねば乗り遅れますよ。本数が少ないのですから、乗り遅れてしまうと到着が遅れてしまいます」
「分かっている。シルヴァ、一体どこで油を売っていたのか、後で聞かせてもらおう。ルヴィアン、シルヴァの手を握っておけ。まったく、いつまでも子どものままでは困るぞ」
兄さんと僕が手をつなぐと、リカルドはあからさまに不機嫌そうな顔をした。
改札を通り、列車に乗り込むと、ようやく喧騒から逃れられた。一般的な貴族家は執事は別の等級席にするらしいが、父上はラルフにも一等座席を用意した。「一人で二人の面倒を見ろというのか」と言っている横で、善意を素直に伝えれば良いのにと兄さんは言っていた。
列車が滑り出し、景色が動き始めた。窓の向こうでリカルドが手を振っている。僕は小さく手を振り返した。
24
あなたにおすすめの小説
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
裏乙女ゲー?モブですよね? いいえ主人公です。
みーやん
BL
何日の時をこのソファーと過ごしただろう。
愛してやまない我が妹に頼まれた乙女ゲーの攻略は終わりを迎えようとしていた。
「私の青春学園生活⭐︎星蒼山学園」というこのタイトルの通り、女の子の主人公が学園生活を送りながら攻略対象に擦り寄り青春という名の恋愛を繰り広げるゲームだ。ちなみに女子生徒は全校生徒約900人のうち主人公1人というハーレム設定である。
あと1ヶ月後に30歳の誕生日を迎える俺には厳しすぎるゲームではあるが可愛い妹の為、精神と睡眠を削りながらやっとの思いで最後の攻略対象を攻略し見事クリアした。
最後のエンドロールまで見た後に
「裏乙女ゲームを開始しますか?」
という文字が出てきたと思ったら目の視界がだんだんと狭まってくる感覚に襲われた。
あ。俺3日寝てなかったんだ…
そんなことにふと気がついた時には視界は完全に奪われていた。
次に目が覚めると目の前には見覚えのあるゲームならではのウィンドウ。
「星蒼山学園へようこそ!攻略対象を攻略し青春を掴み取ろう!」
何度見たかわからないほど見たこの文字。そして気づく現実味のある体感。そこは3日徹夜してクリアしたゲームの世界でした。
え?意味わかんないけどとりあえず俺はもちろんモブだよね?
これはモブだと勘違いしている男が実は主人公だと気付かないまま学園生活を送る話です。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
過労死転生した悪役令息Ωは、冷徹な隣国皇帝陛下の運命の番でした~婚約破棄と断罪からのざまぁ、そして始まる激甘な溺愛生活~
水凪しおん
BL
過労死した平凡な会社員が目を覚ますと、そこは愛読していたBL小説の世界。よりにもよって、義理の家族に虐げられ、最後は婚約者に断罪される「悪役令息」リオンに転生してしまった!
「出来損ないのΩ」と罵られ、食事もろくに与えられない絶望的な日々。破滅フラグしかない運命に抗うため、前世の知識を頼りに生き延びる決意をするリオン。
そんな彼の前に現れたのは、隣国から訪れた「冷徹皇帝」カイゼル。誰もが恐れる圧倒的カリスマを持つ彼に、なぜかリオンは助けられてしまう。カイゼルに触れられた瞬間、走る甘い痺れ。それは、αとΩを引き合わせる「運命の番」の兆しだった。
「お前がいいんだ、リオン」――まっすぐな求婚、惜しみない溺愛。
孤独だった悪役令息が、運命の番である皇帝に見出され、破滅の運命を覆していく。巧妙な罠、仕組まれた断罪劇、そして華麗なるざまぁ。絶望の淵から始まる、極上の逆転シンデレラストーリー!
【完結】マジで婚約破棄される5秒前〜婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ悪役令息は一体どうしろと?〜
明太子
BL
公爵令息ジェーン・アンテノールは初恋の人である婚約者のウィリアム王太子から冷遇されている。
その理由は彼が侯爵令息のリア・グラマシーと恋仲であるため。
ジェーンは婚約者の心が離れていることを寂しく思いながらも卒業パーティーに出席する。
しかし、その場で彼はひょんなことから自身がリアを主人公とした物語(BLゲーム)の悪役だと気付く。
そしてこの後すぐにウィリアムから婚約破棄されることも。
婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ一体どうしろと?
シナリオから外れたジェーンの行動は登場人物たちに思わぬ影響を与えていくことに。
※小説家になろうにも掲載しております。
龍は精霊の愛し子を愛でる
林 業
BL
竜人族の騎士団団長サンムーンは人の子を嫁にしている。
その子は精霊に愛されているが、人族からは嫌われた子供だった。
王族の養子として、騎士団長の嫁として今日も楽しく自由に生きていく。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる