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第16章五つの玉船内のナニカ

船内のナニカ#2

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その物音は徐々に増していき、何者かが迫ってくるのが助実に分かった。

「優君!何かが上がってくるわ!怖いわね」

ナニカの足音「ドスンッ!ドスンッ…」

その重低音は、優と花子の不安を増幅し、2人は怯えきっている。

「何見とんねん、ここはわしの巣じゃ、どっかいけい!」

その禍々しい姿に2人は言葉を失い、固まる事しか出来なくなってしまう。

「おう!わしが怖いか?そりゃそうじゃろな、宇宙一怖いとされてる星から来たからのぅ、そこらの星人とは格が違うと思われます」

見た目とは裏腹に性格は大人しく、話せば分かる星人のようだ。

「あのー、この宇宙船は私達が使っているので、巣を作られたら困ります…」

ナニカかは、此方をギロッと見ると、手に握りこんでいる物を差し出して来た。

「これで勘弁して貰えないか?わしはここが好きなのだ、もうしばらくここに居たいの」

それは不思議な色の宝石だった。

「この宝石は、わしの星では命の次に大事な物なのだ、売れば末代まで遊んで暮らせるほど希少で、出来れば渡したくはないのだが、仕方がない…」

宝石を無理やり手に持たせ、ナニカは巣の中へ戻って行ったそうな…続く
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