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2話目・未読はまだ許せますが既読無視って何考えてるんでしょうね? 忙しいならせめてそれぐらい伝えてください。甲斐性なしの男のどやりますよね!
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真清が都内A区の区役所からバスに揺られてたどり着いたのは、一言で表せばテーマパークだ。フェンスと短い柵に囲われ、ピクトグラムと数種の言語で女性専用であることを伝えている。
『女性専用特区前~。バステズ前~。お降りの方は~』
乗客が1人しかいない車内にアナウンスが流れた。彼女はスマートフォンのアプリで支払って降車し、オリクへ入っていく前にチャットアプリも開いた。
『こんにちは。(未読)
忙しいですか?(未読)
今ピンチなので連絡してください(未読)』
知り合いにしておいた連絡には返信がない。読んでくれた形跡もないため期待はせずにおく。
「……」
諦めた彼女は柵の向こうに入っていくため、それらしい門の場所へと向かった。さすがに物々しい警備はなく、小さな詰め所に女性が1人いるだけだ。
「ごめんください、雑誌社の沖と申します。取材を申し込ませいただいていたのですが」
平静を装いつつ猫なで声で受け付てもらう。女性は少しして真清の言葉を理解したように話し始める。
「……少々待っててください」
バインダーを手に取り挟まれていた書類からアポイントを確認していった。
「はい、連絡してもらってますね」
編集長がちゃんと予約を勝手にしておいてくれたいた。会社に呼び出された翌日にオリクを訪れているのはそういうことである。
「直ぐに担当の者を呼ぶので、あちらの屋根のある場所で待っててください」
「はぁい」
いろいろと考えていると真面目にやる気力がなくなった真清は、指示に従いバス停みたいな場所へと移動した。詰め所の脇の方に設置された心ばかしの待合所。
カラフルないすたちの1つに座り5分ほど待てば、知り合いからの返信もないまま迎えが来てしまった。迷わず待合場所の近くに停まったので多分そうだろう。
丸みを帯びた軽自動車からショートカットヘアーの女性が降りてきて、真清もそれに合わせて立ち上がる。
「アナタが沖さん?」
「はい。本日はよろしくお願いします」
女性に約束した相手かを尋ねられたので、名刺を取り出しながら頭を下げアイサツした。
「どうも。私は石狩あゆみです」
女性――あゆみは名乗った。真清はその名前を調べたがゆえに知っていた。
「石狩? あゆみさんというと、この特区の建設を発起したあの?」
「そうね。まあ、車に乗ってちょうだい」
取材とはいえ簡単な答えは返してくれるが、個人的に詳細を聞ける空気ではないのを悟る。急かされて真清は助手席に乗り込んだ。
『女性専用特区前~。バステズ前~。お降りの方は~』
乗客が1人しかいない車内にアナウンスが流れた。彼女はスマートフォンのアプリで支払って降車し、オリクへ入っていく前にチャットアプリも開いた。
『こんにちは。(未読)
忙しいですか?(未読)
今ピンチなので連絡してください(未読)』
知り合いにしておいた連絡には返信がない。読んでくれた形跡もないため期待はせずにおく。
「……」
諦めた彼女は柵の向こうに入っていくため、それらしい門の場所へと向かった。さすがに物々しい警備はなく、小さな詰め所に女性が1人いるだけだ。
「ごめんください、雑誌社の沖と申します。取材を申し込ませいただいていたのですが」
平静を装いつつ猫なで声で受け付てもらう。女性は少しして真清の言葉を理解したように話し始める。
「……少々待っててください」
バインダーを手に取り挟まれていた書類からアポイントを確認していった。
「はい、連絡してもらってますね」
編集長がちゃんと予約を勝手にしておいてくれたいた。会社に呼び出された翌日にオリクを訪れているのはそういうことである。
「直ぐに担当の者を呼ぶので、あちらの屋根のある場所で待っててください」
「はぁい」
いろいろと考えていると真面目にやる気力がなくなった真清は、指示に従いバス停みたいな場所へと移動した。詰め所の脇の方に設置された心ばかしの待合所。
カラフルないすたちの1つに座り5分ほど待てば、知り合いからの返信もないまま迎えが来てしまった。迷わず待合場所の近くに停まったので多分そうだろう。
丸みを帯びた軽自動車からショートカットヘアーの女性が降りてきて、真清もそれに合わせて立ち上がる。
「アナタが沖さん?」
「はい。本日はよろしくお願いします」
女性に約束した相手かを尋ねられたので、名刺を取り出しながら頭を下げアイサツした。
「どうも。私は石狩あゆみです」
女性――あゆみは名乗った。真清はその名前を調べたがゆえに知っていた。
「石狩? あゆみさんというと、この特区の建設を発起したあの?」
「そうね。まあ、車に乗ってちょうだい」
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