3 / 18
3話目・取り付く島とか言いますけどなんで島なんですかね? 板とか、場所なら村や町の方がしっくりくるんですけど。もっと優しくして欲しいです。
しおりを挟む
「あのぅ」
「これが取材の予定表よ」
ちょっとばかり突っ込んで行こうとしたところで、あゆみは車を運転していながらもクリアファイルを渡してきた。有無を言わさない態度い遮られた真清はそれを受け取る。
仕方なくクリアファイルの項目を目で追う。キチキチとした予定が詰まっているのかと思えばそれほどではなく、むしろ少なく感じるくらいだ。
「1泊2日のプランにしては、その、スカスカですね」
「観光ではないでしょう? 取材ならその3ヶ所で十分よ」
ヒロインが確認するも、こちらの隠した意図を見抜かれているようで何も言いかせなかった。
「……」
ごもっともではあるのだが、もう少し取り付く島が欲しかった。
しかし、あゆみたちが受けていた今なおあるバッシングを考えればわからなくもない。街の建設については予定にある記念館でも良いだろう。
移動と街の区役所での当たり障りのない質疑応答の間に整理しておくとしよう。
「街ができたことで住民の皆さんの評判などは?」
応接室にて最初の質問をした。当初の反発も多かったため、潜入取材を差し置いても聞いておきたい質問もあった。
調べた限りでは発起人のあゆみを始めする3人はネット上で大いに批判を浴びたが、こうして目標を達成したのだから称賛すべきかもしれない。そちら――行政の支援を受けた――点への不満が湧き上がったのは。
財政的な面では、軽度の障害者、また特区内の女性が出産した男児を含めて15歳まで育てるという条件を付帯して解決した。
「えぇ、上々の好評を頂いております。先月の幸福度は――」
発起人の内の一人である区長、宮下 竹子の言う通り今のところ街は問題なく回っているようだ。区役所では大した情報が得られなかった。
この調子では明日の記念館も似たようなものだろう。
「――今日はありがとうございました」
真清は、アンケートなどの資料をいくらか受け取りつつお礼して応接室を出た。
区役所内にも軽く目を通しておくも目立っておかしなところはない。後ろでは、ややふくよかな体型で切れ長の目が真清を見送っている。
「次、行きますよ」
「あ、はい」
あゆみに急かされ車へ急いだ。そして次に向かったのは区内に一つだけの学校である。
「これが取材の予定表よ」
ちょっとばかり突っ込んで行こうとしたところで、あゆみは車を運転していながらもクリアファイルを渡してきた。有無を言わさない態度い遮られた真清はそれを受け取る。
仕方なくクリアファイルの項目を目で追う。キチキチとした予定が詰まっているのかと思えばそれほどではなく、むしろ少なく感じるくらいだ。
「1泊2日のプランにしては、その、スカスカですね」
「観光ではないでしょう? 取材ならその3ヶ所で十分よ」
ヒロインが確認するも、こちらの隠した意図を見抜かれているようで何も言いかせなかった。
「……」
ごもっともではあるのだが、もう少し取り付く島が欲しかった。
しかし、あゆみたちが受けていた今なおあるバッシングを考えればわからなくもない。街の建設については予定にある記念館でも良いだろう。
移動と街の区役所での当たり障りのない質疑応答の間に整理しておくとしよう。
「街ができたことで住民の皆さんの評判などは?」
応接室にて最初の質問をした。当初の反発も多かったため、潜入取材を差し置いても聞いておきたい質問もあった。
調べた限りでは発起人のあゆみを始めする3人はネット上で大いに批判を浴びたが、こうして目標を達成したのだから称賛すべきかもしれない。そちら――行政の支援を受けた――点への不満が湧き上がったのは。
財政的な面では、軽度の障害者、また特区内の女性が出産した男児を含めて15歳まで育てるという条件を付帯して解決した。
「えぇ、上々の好評を頂いております。先月の幸福度は――」
発起人の内の一人である区長、宮下 竹子の言う通り今のところ街は問題なく回っているようだ。区役所では大した情報が得られなかった。
この調子では明日の記念館も似たようなものだろう。
「――今日はありがとうございました」
真清は、アンケートなどの資料をいくらか受け取りつつお礼して応接室を出た。
区役所内にも軽く目を通しておくも目立っておかしなところはない。後ろでは、ややふくよかな体型で切れ長の目が真清を見送っている。
「次、行きますよ」
「あ、はい」
あゆみに急かされ車へ急いだ。そして次に向かったのは区内に一つだけの学校である。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
Husband's secret (夫の秘密)
設楽理沙
ライト文芸
果たして・・
秘密などあったのだろうか!
むちゃくちゃ、1回投稿文が短いです。(^^ゞ💦アセアセ
10秒~30秒?
何気ない隠し事が、とんでもないことに繋がっていくこともあるんですね。
❦ イラストはAI生成画像 自作
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる