1500人の女に何が起こったのか

AAKI

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9話目・子供っぽい子供っぽいって、ちょっと小さいだけです! 私はそういう男性の物言いに怒ってるんですからね!

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 川辺の漁村というのはどれほど生活できるのかわからないが、穴だらけの船や破れてばかりの網がひもじさを物語る。ずさんな管理を検分する以外はできなかった。

「来てくれたんだ。抜けてこれたのはお姉さんが初めてだよ」

 唐突に聞き覚えのある声が頭の方から聞こえてくる。

「私、そんなに頼りなさそうでしたかね?」

 顔を上げれば、いつの間にか謎の少年が小舟の縁に座っていた。真清は彼の意外そうな声に軽口で返した。

「驚かないんだね」
「神出鬼没とはことことですね。いえ、こう見えても修羅場はくぐってたりするんです」

 驚いて欲しかったのかとも邪推するが、そういった存在ではないと見て大人の余裕で振る舞う。そして、少年が歩いて近づいてきた様子はなかったこと、彼自身が異質な出没であることを認めている点から考えると……。

「この街に何か未練でも? 私に成仏させて欲しいとか?」

 目的と正体ははっきりさせておかないと、心なしかすわりが悪い。なので、真清は野暮だと思いつつも聞いた。
 最悪、正体は話してくれなくても良い。

「こうやって呼び出しているからには未練と言えるのかもね。ただ、まだこっちにしがみついてるよ」
生霊いきりょうでしたか。トイレの地縛霊とかでなくて良かったです」

 彼女は意外なものに出会ったことを驚いた。顔にはあまり出ていない。
 ちょっとした冗談に対して、少年はあまり明るい反応を示さなかった。

「……生きてはいないよ。死んでないだけ」

 小さな声でつぶやく。

「大人っぽいことを言いますね」

 今度はバツが悪くなってしまったため場を和ませようとした。

「お姉さんが子供っぽいんだよ」
「たはは……。誰かさんみたい」
「?」

 少年に厳しい言葉を投げかけられる。知り合いが子供になったらこんな感じかもしれないなどと、真清は苦笑を浮かべつつ思うのだった。
 少年に聞かれなかったようなので話を進める。

「それで君は私に何をお願いしたいの?」
「うん、時間もないからね。あぁ、えっと……」

 少年は促されてポツポツと語り始めるが、不意に言葉をつまらせる。

「どうしました?」

 真清は首を傾げた。

「いや、名前を。うん、名前を名乗らなくちゃいけないくらいのところまで来たのは初めてだから」

 大人びた少年でありながら妙なことを気にするのだなと感じる真清。考えてみればそうだ。
 亡くなっているわけではないのだから体はどこかにある。下手をすれば真清を通して居場所がバレ、どんな批判を浴びるかわからない。
 念を入れるのはわかる。

「ミレイ。そう呼んでよ」
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