ホラー短編集【キグルミ】

AAKI

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4篇目タイトル【蘇生の回廊】

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「真ん中の部屋にあった本におかしな儀式のことが書かれてたな」
「英語だったからほとんど読めなかったけど」

 やはり、あの古書はこちらの空間で動かしたことで影響があったのだ。

「じゃあ、あっ」

 ここでようやく真吾は気づいた。行雄が壁の短剣を手にしていることに。

「ん? これか?」
「それ、こっちで外したから向こうでも動かせるようになったのか。じゃあ、やっぱり」

 予想通りだとわかり真吾は足を他の部屋を見るために進め始めた。
 続いて二人も後ろをついてきて、行雄が思い出して言う。

「あぁ、そうだ。オレらが使ってる部屋におかしなレバーがあったぜ」
「それだ! 最初に聞いた物音はそれのことか」

 真吾はまさにと理解した。からくり屋敷なんかを作った建築家なら、隠し扉を開くスイッチを仕掛けていてもおかしくはない。

「でもよ、なにも起きた様子はなかったぜ」

 行雄が言うが、何かが起こるのは【向こう側】の空間だろうから仕方ない。

「それにアレが動いちまう」
「とりあえず動かして、ん?」

 さっさとレバーとやらを作動させてしまおうと考えるも、続いてやってくる言葉にソレから視線を外してしまいそうになった。いや、見なければ良かったと思う。
 ワニに似ていながら哺乳類ほにゅうるいを思わせる獣毛の生物の像。血肉を得たセベクよりはマシな見た目ではあるものの、現実にはまず存在しないであろう姿に硬直してしまう。
 しかし、目を閉じてジッとしている姿と行雄の先の言葉から、直ぐに動いてこないことがわかる。一応は距離をとって脇を通り抜けるが。

「……今は大丈夫なわけか」
「あぁ、例のレバーを動かした途端にすごいスピードで部屋の前までくるけどな」

 安心すると同時に真吾はゲンナリとした。【向こう側】に託したとして、謎の怪物に食われる前に解決しなければおしまいだ。
 だからといって、やらなければ……。

「何だよこれ……」

 陰鬱いんうつな気分になりながらも先に進むと、さらに危機感を煽るものがあった。
 考えてみれば、二人が行方不明になっているのだからあって当然だろう。

「何もしなかったらこうなるわけ」

 恵理が言う通り、次の曲がり角の向こうには白骨死体が2つ。噛み砕かれたりした痕跡があるのは、死後の遺体処理を謎の獣が行ったからだろうか。

「……信じるしかないか。死にたくないしな」

 真吾は決意した。友のこと、才女のことを。マドンナがどれほど役立つかはわからないが、一応は手助けしてくれる方に含めておく。

「あいつらで大丈夫なの?」
「さぁな」

 後の二人はあまり信用していないようだ。
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