156 / 188
最終章:崩壊王国の戦い
第156話 てんぱいへの道
しおりを挟む
「――てんぱぁぁぁぁぁいっ!!!」
玄太の喉から飛び出した声が、丘をまるごと揺らした。
その声を合図に、大地に広がった魔力が、草の根を駆け抜け、つぼみの芯へと一斉に流れ込む。
その瞬間、ぽんっと音を立てて、一輪の花が開いた。
……ぽん。
もう一輪。
それを合図にしたみたいに、あちこちのつぼみがぷつぷつと震え出す。ひとつ咲くたびに、光の粒が舞い上がって、次のつぼみへと飛んでいく。
「うわっ、すげっ……!」
玄太が思わず声をあげた。
赤、青、金。
三色の波が混ざり合って、草原の色を塗り替えていく。
「うそ……咲いてる、全部……!」
閉じた目を開いたアリス。
「……きれい……」
ライラが見とれてつぶやく。丘の上では、探していた花たちが気持ちよさそうに揺れていた。
(これだ!おれがここへ来た時に見た花……!)
玄太の胸が高鳴る。
――そのとき。
ミミが眉をひそめて、そっと指を伸ばした。
「ねぇ……花、見て」
その一言に、全員の視線が集まる。
「……おい、なんか変だぞ」
コンバインの低い声が玄太の浮かれた空気をすっと削った。
「え?どこがですか?」
「花の向きだよ。ほら、頭見ろ。全部、あっち向いてやがる」
言われてみると、開いた花たちはバラバラに揺れているくせに、顔だけはそろって一方向を見ていた。風が吹いても向きがずれない。
まるで「そこだ」と指を差すように。
「み、見て……あれ……!」
ライラが小さく指を伸ばす。
花が示す先――丘のまんなか。さっきまで何もなかった場所。
「……!?」
そこには、黒い“へこみ”が浮かんでいた。
「黒い魔法……?」
「いや、違う。空間が……裂けてるわ!」
アリスとシーダが同時に息を飲む。
黒いへこみは、空気ごと裏返すように、ゆっくりと広がり、やがてぽっかりと穴をあける。穴の縁から、赤いうねりが滲み出し、まるで生き物の呼吸みたいに脈打っていた。
「ま、まさかあれが、次元の――!?」
アリスがそう言った瞬間。
「危ないっ!」
リオックが前に出るよりも早く、赤い魔力のしぶきが草の上を走った。地面を伝って広がり、いちばん近くにいたシーダの足首にまとわりつく。
「っく……!」
シーダが片膝をついた。赤い魔力が絡みついたところから、彼女の光――緑色のアストラがふっと消える。
「シーダ!」
アリスが駆け寄る。
「だ、だめ……これ……アストラを……阻害する……!」
(でも、この感覚……以前どこかで……!?)
シーダの顔が歪む。痛みというより、魔力の蛇口を無理やり閉められたような苦しさだ。
「っく……触れた者の魔力(マナ)を阻害するのか……!」
ラクターが歯を噛んだ。
黒い穴から、さらに一筋の赤がぶわっと飛ぶ。今度は花を伝ってスルスルと伸び、グロウの足もとに触れた。
「うっ……!」
グロウの足から流れていた緑光が消えた。「あっ」と短く声を洩らすと、その場にぺたりと座りこむ。
「グロウ!」
「ごめ……さい……!力が……!」
赤い魔力は止まらない。コンバインが腕で払えば、そこにまとわりつき、力を吸い取る。ライラが光を強めようとしても、触れた指先からハッキリと光がしぼんでいく。
「ちょ、ちょっと、これマズくない!?」
「このままだと、みんなのアストラ全部止められちゃうよ!」
せっかく開いた黒い空間が、赤に縛られて小さくなっていく。まるで「お前たちの魔力じゃ足りねえよ」と言わんばかりに。
「くそっ……!ここまで来て!」
ラクターが拳を握りしめた。
そんな中で――玄太だけが、平然と立っていた。
「げ、玄太……お前……!?」
苦痛に顔を歪ませながら驚くリオック。
足もとの花に赤いうねりが触れているのに、苦痛も力が抜ける感じもしない。
「おれ、なんともない……?」
玄太は自分の腕を見た。赤い筋が触れては消え、触れては消える。
その様子を見て、シーダが息を荒くしながら言った。
「――そうか……玄太さん前に、天貴さんの背中に触れた時……あの“天秤”の魔力に一度、干渉されて克服してるから……」
「へ?あ!あの時はぶっ倒れちゃって……」
「それ……身体が覚えてるんだと思う……あの次元の魔力の“味”を……!」
「免疫ってやつか……!」
しかし、皆のアストラの力が弱まるにつれて、黒い空間は徐々に小さくなっていく。アリスが黒い空間を見て、唇を噛む。
「でも、このままだと閉じるわ……!」
黒は確かに縮んでいた。さっきは人一人分くらい開いていたのに、今は子どもがやっと通れるくらいの大きさしかない。みなのアストラが弱まるにつれ、じわじわとその口が閉じる。
「ラクター隊長!おれ、どうしたら……!」
「どうするもこうするも――決まっている!」
ラクターは玄太の方を向いた。
「玄太、行け!今しかない!」
「で、でも、みんなが……!」
ラクターの声は怒鳴り声だったけど、怯えを吹き飛ばすような太さだった。
「それに、クザンと戦う力なんて俺には何も――」
「そんなもんは、行ってから考えろ!」
ラクターが即答する。
「今ここでそれが閉じたら、考える方法すらなくなる!」
玄太はぐっと黙った。足元では花がまだ同じ方向を向いている。みんなの魔力が弱くなったせいで、花の首も少しずつ下がっていた。
つまり、時間はない。
「玄太さん!」
今度はアリス。膝をついているのに、声だけはしっかりしている。
「あなたしか、あの魔力には……神の力には対抗できないの!自信をもって!」
「アリスさん……!」
「天貴のこと……頼んだわよ」
アリスは口角をわずかに上げた。
「げ、玄太!」
「リオックさん……は、はい!」
「今、分かったぞ……それが、お前の力だ」
リオックは涙目のまま、力いっぱい笑った。
「お前の行動すべてが、天貴殿に繋がっていたんだ……くやしいがそれは……お前だけが持つ、こじ開ける力なのだ!」
「リオックさん……!」
ラクターが最後にもう一度叫んだ。
「ここは心配するな!」
「そうよ!導流晶で、ちょちょいの……ちょいよ!」
「は……はいっ!!」
玄太は大きく息を吸った。
足元の花がふわっと揺れ、まるで「行け」と背中を押す。
(そうだ……てんぱいを追って異世界まで来たのに……)
「ここで立ち止まっちゃダメだ!」
目の前には黒い穴。
その向こうには、てんぱいがいる。
行くか行かないかなんて、もう選ぶ余地はない。
「てんぱい!今、行きます!!」
思いっきり叫ぶと、玄太は赤い魔力を蹴散らすように、黒い裂け目の中心へと飛び込んだ。
玄太の喉から飛び出した声が、丘をまるごと揺らした。
その声を合図に、大地に広がった魔力が、草の根を駆け抜け、つぼみの芯へと一斉に流れ込む。
その瞬間、ぽんっと音を立てて、一輪の花が開いた。
……ぽん。
もう一輪。
それを合図にしたみたいに、あちこちのつぼみがぷつぷつと震え出す。ひとつ咲くたびに、光の粒が舞い上がって、次のつぼみへと飛んでいく。
「うわっ、すげっ……!」
玄太が思わず声をあげた。
赤、青、金。
三色の波が混ざり合って、草原の色を塗り替えていく。
「うそ……咲いてる、全部……!」
閉じた目を開いたアリス。
「……きれい……」
ライラが見とれてつぶやく。丘の上では、探していた花たちが気持ちよさそうに揺れていた。
(これだ!おれがここへ来た時に見た花……!)
玄太の胸が高鳴る。
――そのとき。
ミミが眉をひそめて、そっと指を伸ばした。
「ねぇ……花、見て」
その一言に、全員の視線が集まる。
「……おい、なんか変だぞ」
コンバインの低い声が玄太の浮かれた空気をすっと削った。
「え?どこがですか?」
「花の向きだよ。ほら、頭見ろ。全部、あっち向いてやがる」
言われてみると、開いた花たちはバラバラに揺れているくせに、顔だけはそろって一方向を見ていた。風が吹いても向きがずれない。
まるで「そこだ」と指を差すように。
「み、見て……あれ……!」
ライラが小さく指を伸ばす。
花が示す先――丘のまんなか。さっきまで何もなかった場所。
「……!?」
そこには、黒い“へこみ”が浮かんでいた。
「黒い魔法……?」
「いや、違う。空間が……裂けてるわ!」
アリスとシーダが同時に息を飲む。
黒いへこみは、空気ごと裏返すように、ゆっくりと広がり、やがてぽっかりと穴をあける。穴の縁から、赤いうねりが滲み出し、まるで生き物の呼吸みたいに脈打っていた。
「ま、まさかあれが、次元の――!?」
アリスがそう言った瞬間。
「危ないっ!」
リオックが前に出るよりも早く、赤い魔力のしぶきが草の上を走った。地面を伝って広がり、いちばん近くにいたシーダの足首にまとわりつく。
「っく……!」
シーダが片膝をついた。赤い魔力が絡みついたところから、彼女の光――緑色のアストラがふっと消える。
「シーダ!」
アリスが駆け寄る。
「だ、だめ……これ……アストラを……阻害する……!」
(でも、この感覚……以前どこかで……!?)
シーダの顔が歪む。痛みというより、魔力の蛇口を無理やり閉められたような苦しさだ。
「っく……触れた者の魔力(マナ)を阻害するのか……!」
ラクターが歯を噛んだ。
黒い穴から、さらに一筋の赤がぶわっと飛ぶ。今度は花を伝ってスルスルと伸び、グロウの足もとに触れた。
「うっ……!」
グロウの足から流れていた緑光が消えた。「あっ」と短く声を洩らすと、その場にぺたりと座りこむ。
「グロウ!」
「ごめ……さい……!力が……!」
赤い魔力は止まらない。コンバインが腕で払えば、そこにまとわりつき、力を吸い取る。ライラが光を強めようとしても、触れた指先からハッキリと光がしぼんでいく。
「ちょ、ちょっと、これマズくない!?」
「このままだと、みんなのアストラ全部止められちゃうよ!」
せっかく開いた黒い空間が、赤に縛られて小さくなっていく。まるで「お前たちの魔力じゃ足りねえよ」と言わんばかりに。
「くそっ……!ここまで来て!」
ラクターが拳を握りしめた。
そんな中で――玄太だけが、平然と立っていた。
「げ、玄太……お前……!?」
苦痛に顔を歪ませながら驚くリオック。
足もとの花に赤いうねりが触れているのに、苦痛も力が抜ける感じもしない。
「おれ、なんともない……?」
玄太は自分の腕を見た。赤い筋が触れては消え、触れては消える。
その様子を見て、シーダが息を荒くしながら言った。
「――そうか……玄太さん前に、天貴さんの背中に触れた時……あの“天秤”の魔力に一度、干渉されて克服してるから……」
「へ?あ!あの時はぶっ倒れちゃって……」
「それ……身体が覚えてるんだと思う……あの次元の魔力の“味”を……!」
「免疫ってやつか……!」
しかし、皆のアストラの力が弱まるにつれて、黒い空間は徐々に小さくなっていく。アリスが黒い空間を見て、唇を噛む。
「でも、このままだと閉じるわ……!」
黒は確かに縮んでいた。さっきは人一人分くらい開いていたのに、今は子どもがやっと通れるくらいの大きさしかない。みなのアストラが弱まるにつれ、じわじわとその口が閉じる。
「ラクター隊長!おれ、どうしたら……!」
「どうするもこうするも――決まっている!」
ラクターは玄太の方を向いた。
「玄太、行け!今しかない!」
「で、でも、みんなが……!」
ラクターの声は怒鳴り声だったけど、怯えを吹き飛ばすような太さだった。
「それに、クザンと戦う力なんて俺には何も――」
「そんなもんは、行ってから考えろ!」
ラクターが即答する。
「今ここでそれが閉じたら、考える方法すらなくなる!」
玄太はぐっと黙った。足元では花がまだ同じ方向を向いている。みんなの魔力が弱くなったせいで、花の首も少しずつ下がっていた。
つまり、時間はない。
「玄太さん!」
今度はアリス。膝をついているのに、声だけはしっかりしている。
「あなたしか、あの魔力には……神の力には対抗できないの!自信をもって!」
「アリスさん……!」
「天貴のこと……頼んだわよ」
アリスは口角をわずかに上げた。
「げ、玄太!」
「リオックさん……は、はい!」
「今、分かったぞ……それが、お前の力だ」
リオックは涙目のまま、力いっぱい笑った。
「お前の行動すべてが、天貴殿に繋がっていたんだ……くやしいがそれは……お前だけが持つ、こじ開ける力なのだ!」
「リオックさん……!」
ラクターが最後にもう一度叫んだ。
「ここは心配するな!」
「そうよ!導流晶で、ちょちょいの……ちょいよ!」
「は……はいっ!!」
玄太は大きく息を吸った。
足元の花がふわっと揺れ、まるで「行け」と背中を押す。
(そうだ……てんぱいを追って異世界まで来たのに……)
「ここで立ち止まっちゃダメだ!」
目の前には黒い穴。
その向こうには、てんぱいがいる。
行くか行かないかなんて、もう選ぶ余地はない。
「てんぱい!今、行きます!!」
思いっきり叫ぶと、玄太は赤い魔力を蹴散らすように、黒い裂け目の中心へと飛び込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】自称ワンコに異世界でも執着されている
水市 宇和香
BL
「たとえ異世界に逃げたとしたって、もう二度と逃さないよ」
アザミが高校二年生のときに、異世界・トルバート王国へ転移して早二年。
この国で二十代半ばの美形の知り合いなどいないはずだったが、
「キスしたら思いだしてくれる? 鳥居 薊くん」
その言葉で、彼が日本にいたころ、一度だけキスした同級生の十千万堂 巴波だと気づいた。
同い年だったはずのハナミは、自分より七つも年上になっていた。彼は王都から辺境の地ーーニーナ市まではるばる、四年間もアザミを探す旅をしていたらしい。
キスをした過去はなかったこととして、二人はふたたび友人として過ごすようになった。
辺境の地で地味に生きていたアザミの日常は、ハナミとの再会によって一変し始める。
そしてこの再会はやがて、ニーナ市を揺るがす事件へと発展するのだった…!
★執着美形攻め×内弁慶な地味平凡
※完結まで毎日更新予定です!(現在エピローグ手前まで書き終わってます!おたのしみに!)
※感想や誤字脱字のご指摘等々、ご意見なんでもお待ちしてます!
美形×平凡、異世界、転移、執着、溺愛、傍若無人攻め、内弁慶受け、内気受け、同い年だけど年の差
【完結】ルガルの星―冷徹な社長は、僕の運命を知っていた―
綾波絢斗
BL
この世界には、二つの特別な称号を持つ者たちが存在する。
一つは、絶対的な権力を持つ王の称号――ルガル(lugal)。
もう一つは、ルガルと対をなし、その力を補う「番」――ムル(mul)。
ルガルは生まれながらに選ばれし存在。
国家からエリート教育と地位を与えられ、能力に応じて厳格なランク分けが行われる。
最上位のルガルは、政治さえも動かす絶対者だ。
一方で、ムルは生まれた瞬間にはその正体がわからない。
遺伝子検査や学力テストを経て候補が絞られるが、
最終的に「真のムル」かどうかを見極められるのは――ルガルだけ。
ムルが覚醒したとき、同じ場所に「紋章」が現れ、その瞬間から、ルガルとムルの力は共鳴し始める。
ムルの能力はルガルの力を最大限に引き出す。
ゆえにルガルたちは、自らのムルを求め、時には他人のムル候補を奪い合う。
そして、すべての出生データと遺伝情報を管理するのは、
巨大企業イルジオン――国家をも超える存在。
その頂点に立つ社長、一条レイ。
冷徹なルガルの頂点に君臨する彼が「自分のムル」と出会った。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
【完結】竜討伐の褒賞は、鹿角の王子様。(志願)
N2O
BL
執着王子 × 異世界転生魔法使い
魔法使いが逃げられなくなる話。
『上』『中』『下』の全三話、三連休中に完結します。
二万字以下なので、ショートショート𖤣𖥧𖥣
Special thanks
illustration by okiagsa様(X:@okigasa_tate)
MBM様(X:@MBMpaper)
※独自設定、ご都合主義。あしからず。
【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。
カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。
異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。
ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。
そして、コスプレと思っていた男性は……。
2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。
ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。
異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。
二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。
しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。
再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。
俺の推し♂が路頭に迷っていたので
木野 章
BL
️アフターストーリーは中途半端ですが、本編は完結しております(何処かでまた書き直すつもりです)
どこにでも居る冴えない男
左江内 巨輝(さえない おおき)は
地下アイドルグループ『wedge stone』のメンバーである琥珀の熱烈なファンであった。
しかしある日、グループのメンバー数人が大炎上してしまい、その流れで解散となってしまった…
推しを失ってしまった左江内は抜け殻のように日々を過ごしていたのだが…???
雪解けを待つ森で ―スヴェル森の鎮魂歌(レクイエム)―
なの
BL
百年に一度、森の魔物へ生贄を捧げる村。
その年の供物に選ばれたのは、誰にも必要とされなかった孤児のアシェルだった。
死を覚悟して踏み入れた森の奥で、彼は古の守護者である獣人・ヴァルと出会う。
かつて人に裏切られ、心を閉ざしたヴァル。
そして、孤独だったアシェル。
凍てつく森での暮らしは、二人の運命を少しずつ溶かしていく。
だが、古い呪いは再び動き出し、燃え盛る炎が森と二人を飲み込もうとしていた。
生贄の少年と孤独な獣が紡ぐ、絶望の果てにある再生と愛のファンタジー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる