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74話 イバラ王 -3-
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༺ ༒ ༻
風蛇ザイロンは、一声かすかな唸りを残して病院棟の前に降り立った。
足をついた瞬間、冷えた石畳の感触と、胸の奥にまだ残る焦りが同時に現実へ引き戻す。
職員の一人がこちらに気づき、事の重大さを物語るように悲壮な表情を浮かべて駆け寄って来る。
「こちらへ! ヴァロア騎士の病室までご案内します!」
ザイロンが、ひゅ、と風を巻いて姿を変え、アスコットタイとしてカナードの喉元に巻き付く。
そのまま俺とカナード寮監は、職員の後を追って走った。
長い廊下を折れ、階段を一つ上のフロアまで上がる。
その途中、開け放たれた病室がいくつか目に入った。
「っ……」
鍛え上げられた肩幅と腕の太さ、一見して騎士と思われる者たちが数名、治癒ベッドに横たわっている。
服には乾きかけた血、所々に刻まれた傷跡。
だが、肌に貼られた魔法紋の光は穏やかで、表情にも落ち着きがあった――軽症者ばかりなのだろう。
だが、そこにルクレールの姿はない。
カナード寮監は前方に視線を据えたまま言う。
「セレス、急ぎましょう」
「……はい」
さらに奥へ進むと、空気が一変した。
重苦しい。
強い治癒魔法の光が何度も展開された痕跡の匂いが残っている。
「こちらです」
職員が立ち止まった。
案内されたのは、一番奥の個室。
厚い扉の表面には、結界の存在を示すかすかな光が揺らめいている。
その淡い輝きだけで、ここが“通常とは異なる状態にある者”のために用意された部屋なのだと知れた。
職員がおもむろに扉を押し開けた。
そこで、足が止まる。
空気が明らかに違った。
治療の光が室内全体に淡く残り、中央のベッドだけが白く浮かぶように見えた。
その上に──ルクレールが横たわっている。
顔色は紙のように白い。呼吸は浅いが、かろうじて規則を保っていた。
胸元には、急造の魔力安定装置がいくつも配置され、魔力焼けを抑えるための冷却魔法陣が淡く脈打っている。
「ルクレール……」
名を呼んだのに声になっているのか分からなかった。
俺はベッドへ近づく。
カナード寮監は、さっと治療陣を確認してから小さな溜息とともに振り返り、ドア前に居た別の職員に言った。
「ボンシャン先生はどちらに?」
「噛まれた隊員の様子を見に行っていて、すぐに戻ら──」
職員が言い切るより早く、駆けて来る低い足音とともに長い外套の裾が揺れた。
「コルベール君、よく来てくれました!」
ボンシャンが姿を現し、ルクレールへ視線を落とす。瞳が鋭く状況を測り取り、次の瞬間には迷いのない声が響いた。
「……来て直ぐに申し訳ないんですが、お願いします。今からあなたの魔力を私に流し込んでください」
ボンシャンの声は、一切の迷いを含まなかった。
そしてその眼差しも、覚悟と緊張を隠してはいなかった。
「本来なら、かなりの時間をかけて二人で事前に調整の練習をするべきです。あなたの魔力量は常人の域を大きく外れている。私の引力結界を編んだ糸を、簡単な障壁で軽々と弾き飛ばすほどに……。扱いを誤れば──こちらが焼き切れます」
まるで変圧器も通さず、海外の高電圧に日本製の家電のプラグを直に差し込むようなものなのかもしれない。許容量を一つでも間違えれば、一瞬で回路はショートし火花を散らして燃え上がる。
背筋が冷たくなった。
そのとき――、
「……セレスタン、あなたの魔力流量を、私が随時測定します。私が“魔力束”の圧を出来る限り減衰させるリミテ・シグナムを展開しましょう」カナードは俺の方へ短く目だけを向け、続けた。「想定したくはないですが、過剰魔力を検知すれば、私が偏向幕で流れをそらすことが出来るかもしれません。確実に出来ると断言してあげたいのですが……、正直、あたなの魔力量だと難しい。でも、やれることは全力で頑張ります。なので、セレスは……ボンシャン先生の手を離さないことだけを心がけてください」
「分かりました」
俺はうなずき、深呼吸して右手を差し出す。
ボンシャンも同じように掌を開き──二人のベネンを合わせた。そして、低く呪文を唱え始める。
「リエ・マグナ・コンダクティオ──光路よ結べ。二つの理をひとつに」
俺のベネンと、ボンシャンのベネンが淡く共鳴し始める。
淡い光が走り、掌の接触面が温かくなった。
「……はい。今です。ゆっくり開口部を広げてください。呪文は、アペリオ ・ラントゥマン」
「アペリオ ・ラントゥマン」
「コルベール君、魔力の“出口”だけを意識して。こちらが“入口”となります」ボンシャンは、静かに続けた。「あなたが魔力を“押し出す”必要はありません。むしろ、それをした瞬間に暴走します。“開くだけ”でいい。流れはすべて、私が制御します」
ボンシャンはそっと息を整え、掌に低く呟いた。
「プリムス・タンジェレ……、モトゥス・レニス」
呪文と同時に──ボンシャンのベネンから、ほんのわずかに魔力が流れ込んできた。
温かい。柔らかな揺らぎ。
「……これは?」
「プライミング、“誘い水”です。私の魔力を少量、あなたに触れさせ、流路を一度だけ馴染ませる。接触面で混ぜ、魔導脈の“拍動”を合わせます」
その言葉どおり、掌の中心で二つの魔力がふっと触れ合った。混ざる、というより共鳴して形が整う感覚に近い。
次の瞬間、背後でカナードの声が静かに響く。
「展開します。リミテ・シグナム」
彼の指先の動きに呼応して、足元に淡く青白い円環が広がり、複数の細線が幾重にも織られていく。
光の糸が俺とボンシャンの掌のあいだへ伸び、魔力束の太さを測りながら脈動を抑制しているのが分かった。
「……過剰反応なし。流路、安定しています。セレスタン、そのまま“開いた状態”を保ってください」
カナードの声は冷静そのものだが、張りつめた集中が言外に滲む。
風蛇ザイロンは、一声かすかな唸りを残して病院棟の前に降り立った。
足をついた瞬間、冷えた石畳の感触と、胸の奥にまだ残る焦りが同時に現実へ引き戻す。
職員の一人がこちらに気づき、事の重大さを物語るように悲壮な表情を浮かべて駆け寄って来る。
「こちらへ! ヴァロア騎士の病室までご案内します!」
ザイロンが、ひゅ、と風を巻いて姿を変え、アスコットタイとしてカナードの喉元に巻き付く。
そのまま俺とカナード寮監は、職員の後を追って走った。
長い廊下を折れ、階段を一つ上のフロアまで上がる。
その途中、開け放たれた病室がいくつか目に入った。
「っ……」
鍛え上げられた肩幅と腕の太さ、一見して騎士と思われる者たちが数名、治癒ベッドに横たわっている。
服には乾きかけた血、所々に刻まれた傷跡。
だが、肌に貼られた魔法紋の光は穏やかで、表情にも落ち着きがあった――軽症者ばかりなのだろう。
だが、そこにルクレールの姿はない。
カナード寮監は前方に視線を据えたまま言う。
「セレス、急ぎましょう」
「……はい」
さらに奥へ進むと、空気が一変した。
重苦しい。
強い治癒魔法の光が何度も展開された痕跡の匂いが残っている。
「こちらです」
職員が立ち止まった。
案内されたのは、一番奥の個室。
厚い扉の表面には、結界の存在を示すかすかな光が揺らめいている。
その淡い輝きだけで、ここが“通常とは異なる状態にある者”のために用意された部屋なのだと知れた。
職員がおもむろに扉を押し開けた。
そこで、足が止まる。
空気が明らかに違った。
治療の光が室内全体に淡く残り、中央のベッドだけが白く浮かぶように見えた。
その上に──ルクレールが横たわっている。
顔色は紙のように白い。呼吸は浅いが、かろうじて規則を保っていた。
胸元には、急造の魔力安定装置がいくつも配置され、魔力焼けを抑えるための冷却魔法陣が淡く脈打っている。
「ルクレール……」
名を呼んだのに声になっているのか分からなかった。
俺はベッドへ近づく。
カナード寮監は、さっと治療陣を確認してから小さな溜息とともに振り返り、ドア前に居た別の職員に言った。
「ボンシャン先生はどちらに?」
「噛まれた隊員の様子を見に行っていて、すぐに戻ら──」
職員が言い切るより早く、駆けて来る低い足音とともに長い外套の裾が揺れた。
「コルベール君、よく来てくれました!」
ボンシャンが姿を現し、ルクレールへ視線を落とす。瞳が鋭く状況を測り取り、次の瞬間には迷いのない声が響いた。
「……来て直ぐに申し訳ないんですが、お願いします。今からあなたの魔力を私に流し込んでください」
ボンシャンの声は、一切の迷いを含まなかった。
そしてその眼差しも、覚悟と緊張を隠してはいなかった。
「本来なら、かなりの時間をかけて二人で事前に調整の練習をするべきです。あなたの魔力量は常人の域を大きく外れている。私の引力結界を編んだ糸を、簡単な障壁で軽々と弾き飛ばすほどに……。扱いを誤れば──こちらが焼き切れます」
まるで変圧器も通さず、海外の高電圧に日本製の家電のプラグを直に差し込むようなものなのかもしれない。許容量を一つでも間違えれば、一瞬で回路はショートし火花を散らして燃え上がる。
背筋が冷たくなった。
そのとき――、
「……セレスタン、あなたの魔力流量を、私が随時測定します。私が“魔力束”の圧を出来る限り減衰させるリミテ・シグナムを展開しましょう」カナードは俺の方へ短く目だけを向け、続けた。「想定したくはないですが、過剰魔力を検知すれば、私が偏向幕で流れをそらすことが出来るかもしれません。確実に出来ると断言してあげたいのですが……、正直、あたなの魔力量だと難しい。でも、やれることは全力で頑張ります。なので、セレスは……ボンシャン先生の手を離さないことだけを心がけてください」
「分かりました」
俺はうなずき、深呼吸して右手を差し出す。
ボンシャンも同じように掌を開き──二人のベネンを合わせた。そして、低く呪文を唱え始める。
「リエ・マグナ・コンダクティオ──光路よ結べ。二つの理をひとつに」
俺のベネンと、ボンシャンのベネンが淡く共鳴し始める。
淡い光が走り、掌の接触面が温かくなった。
「……はい。今です。ゆっくり開口部を広げてください。呪文は、アペリオ ・ラントゥマン」
「アペリオ ・ラントゥマン」
「コルベール君、魔力の“出口”だけを意識して。こちらが“入口”となります」ボンシャンは、静かに続けた。「あなたが魔力を“押し出す”必要はありません。むしろ、それをした瞬間に暴走します。“開くだけ”でいい。流れはすべて、私が制御します」
ボンシャンはそっと息を整え、掌に低く呟いた。
「プリムス・タンジェレ……、モトゥス・レニス」
呪文と同時に──ボンシャンのベネンから、ほんのわずかに魔力が流れ込んできた。
温かい。柔らかな揺らぎ。
「……これは?」
「プライミング、“誘い水”です。私の魔力を少量、あなたに触れさせ、流路を一度だけ馴染ませる。接触面で混ぜ、魔導脈の“拍動”を合わせます」
その言葉どおり、掌の中心で二つの魔力がふっと触れ合った。混ざる、というより共鳴して形が整う感覚に近い。
次の瞬間、背後でカナードの声が静かに響く。
「展開します。リミテ・シグナム」
彼の指先の動きに呼応して、足元に淡く青白い円環が広がり、複数の細線が幾重にも織られていく。
光の糸が俺とボンシャンの掌のあいだへ伸び、魔力束の太さを測りながら脈動を抑制しているのが分かった。
「……過剰反応なし。流路、安定しています。セレスタン、そのまま“開いた状態”を保ってください」
カナードの声は冷静そのものだが、張りつめた集中が言外に滲む。
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