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閑話
閑話 父兄との問題
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桜姫…もとい、徳川桜さんは明るく人懐っこい性格で、あっという間にクラスになじんでいった。
もともと瀬利亜さんところで相当レクチャーを受けていたうえに、頭がよく、勉強熱心なので、現代日本の文化をかなり早く習得しつつあるのだ。
今ではスマホも自由自在に使いこなせるようになった。
ただ、油断すると『時代劇風』になるので、まだ、僕たちとほぼ一緒に行動してボロがなるべく出ないようにしている。
幸いなことにここ風流院高校は『能力や存在が人外』の生徒が約半数なので、桜姫がボロを出しそうになると、『半数の例外』の生徒達が上手にフォローしてくれるということもわかってきた。
桜姫だけでなく、ナースチャ、エレーナがボロを出しそうになっても上手にフォローしてくれるのですごく助かっている。
さて、桜姫がクラスに溶け込んできたころ、父兄参観があった。
まず最初にうちの母が顔を出し、僕とナースチャ、エレーナを見つけると嬉しそうに手を振ってきた。
正直かなり恥ずかしいのですが、父兄参観など経験したことのないナースチャは素直に嬉しそうな顔をし、エレーナも少し恥ずかしそうにしながらそれでも嬉しそうだった。
そのすぐ後にタキシードをぴしっと着こなした完璧な紳士『ザ執事』という雰囲気の巧さん(石川家の執事だそうです。)が入ってこられた時はさすがに教室がざわめいた。
どうして巧さんが?!と一瞬思ったものの、すぐに気づきました。
ナースチャとエレーナと桜姫が下宿しているのは石川家ですが、そこでみんなの面倒を見てくれているのが巧さんです。
だから、三人の父親代わりに来てくれたのだと推測できました。
それに気づいて、ナースチャ、エレーナ、そして桜姫も嬉しそうです。
巧さんは僕たちに上品に小さく手を振ります。
この学校は少々、いやかなり個性的な生徒や父兄が多いですが、その中でも巧さんは目立ちます。先ほどうちの母が手を振ってめだったことなど完全にどこかへ行ってしまったようです。
そして、そのさらに後に入ってきた人を見て、桜姫、続いてナースチャと僕は完全固まってしまいます。
上品な三〇代半ばの紳士が入ってきたのですが、きっちり着こなしているにも関わらず、明らかに違和感を感じるその人は…どう見ても家々将軍ですよね??!!!
桜姫が心配なのはわかりますが……将軍様がこんなところに来られて大丈夫なんですか??!!!
そう言えば、桜姫の設定が『地方の時代に取り残された旧家のお嬢様』…うん、今の家々将軍はその『当主』にイメージぴったりです!!
どことなく桜姫に似ていますから、さすがに『将軍』とはわからなかったようですが、多くの生徒と山縣先生は『徳川桜さんのお父さん』と認識したようです。
うん、家々将軍を一人放っておいたら絶対にボロが出るよね??!!
そんな心配そうな視線を送ったのを察してくれたようで、巧さんがさりげなく家々将軍に近づいていきます。
それを見て、家々将軍もほっとした表情になります。
確か、桜姫が石川家に下宿される際に家々将軍も立ち会われたそうですから、その時に巧さんとはいろいろお話をされたそうです。
巧さんが傍におられれば家々将軍がボロを出されることはなさそうです。
とは言え、『名家の当主』と『ザ執事』が並んでいると異様に目立ちます。
山縣先生もなんだかやりにくそうです。
……山縣先生はおそらく立場上家々将軍の正体を知っておられるかもしれないよね。
授業が終わると、母が僕の席…ではなく、ナースチャの席に駆け寄ってきます。
「まあ、ナースチャちゃん、エレーナちゃん、相変わらずきれいね♪
よかったら、今日の授業が終わったら二人とも遊びに来なさいよ♪」
母はナースチャのこともエレーナのこともすごく気に入っています。
母の中では『ナースチャ=明るく元気で世話好きな嫁』で、同居でも夫婦水入らずでもどちらでもいいから早く嫁に来い…みたいな空気を出しています。
父ももう一人娘ができるようで嬉しそうだし、美佐も『世話好きなお姉ちゃん』が出来て大歓迎です。
そして、エレーナが『ウルトラシスコン』と知らない三人は、ナースチャの優しくて素敵な双子の妹認定なので、顔を見るたびに嬉しそうにしています。
そのこともエレーナが僕に対する態度を軟化させた大きな理由になったようです。
母が嬉しそうにナースチャとエレーナに話しかける様子を巧さんと家々将軍がニコニコしながら見ています。
巧さんは後でわかってビックリしましたが、義妹の美佐の実のお父さんでした。
うちの両親と親友でいろいろ事情があって美佐をうちが引き取ることになったのだそうです。
言われてみれば似ていなくはないですが…あらゆる面で完璧な巧さんと、学業もいろいろなこともイマイチでドジな美佐とは似ても似つかない気もします。
あ、美佐は性格は抜群によく、それもあってナースチャとエレーナが妹のようにかわいがってくれています。
えーと、山縣先生、どうして『進路相談』を僕と母と山縣先生以外に瀬利亜さんがおられるのでしょうか?
うちの母がものすごく不思議そうな顔をしているんですが?
「巧人さんとお母さんが不思議そうな顔をされてますが、巧人さんがナースチャをお嫁さんにすることがほぼ確定したことと、巧人さんご自身の能力の関係で、私が直にお二人と巧人さんのこれからの進路に関して折衝することになりました。
あ、これ私の名刺です。」
瀬利亜さんが名刺を取り出すと、そこにはこう書いてあった。
「さまざまな『超常トラブル』解決にお気軽にお問い合わせください♪
A級モンスターバスター石川瀬利亜 事務所 東京都◎◎区XXXX 携帯:090(◎◎XX)◎◎△△ アドレス SeadoragonMask@docomo.ne.jp」
「えええええっ!!!!瀬利亜ちゃん、モンスターバスターだったの?!!信じられない!母さん、あのシードラゴンマスクのようなモンスターバスターと初めてお知り合いになったのね!!」
「母さん落ち着いて!ナースチャとエレーナもモンスターバスターだとこの前言ったばかりでしょ!!」
「は、そうだったわね…。母さん、シードラゴンマスクさんのファンだから、モンスターバスターと聞くと、みんなシードラゴンマスクさんだと思っちゃうのよね♪」
「ええ、例のブログのせいで、モンスターバスターとシードラゴンマスクを混同される方も多いのですよね。シードラゴンマスクは有名なスーパーヒロインで、あくまでもモンスターバスターの資格も持っている…ということらしいです。」
「あら、じゃあ、瀬利亜ちゃんがシードラゴンマスクというわけではないんですね。髪の毛の色も似ているし、一瞬ドッキリしちゃったわ♪」
「いえいえ、髪の色のせいで、よく間違われるんですよ♪」
いやいや、間違われるんですよ…じゃなくて、間違いなく本人ですよね??!!
というか、携帯アドレスが『SeadoragonMask@docomo.ne.jp』 てそのまんまじゃないですか?!!よくばれなかったですよね??!!!
よく調べたら、『お約束だから指摘するのは悪い』と思っている人が非常に多く、相当バレバレだったようです。
どうしてカイザスさんといい、モンスターバスター一二星は肝心なところが抜けている人が多いんでしょうか……。
進路の話は『モンスターバスターをしながら教師や他の職業に就く』ことは非常に良くある話で、教師に付く場合はモンスターバスター協会が不正やインチキにならない程度に相当支援してくれる…という話だった。
なお、モンスターバスターの資格を取って、適切な訓練をすることは『仮に活動しなくても』自己防衛のために必要だからと強く奨めてくれました。
細かい部分はプロであるナースチャやエレーナが教えてくれたり、サポートしてくれるから彼女たちにも相談して焦らずに決めて欲しいということだった。
最初の間抜けぶりはともかく、仕事の話に入ると、瀬利亜さんはテキパキと適切に話を進めてくれて、非常に助かりました。
おかげで自分の能力をしっかり制御できるように訓練しつつ、日本史の教師のなろうという思いを強くすることが出来ました。
みんな三者面談を終えた後、帰ろうとした時に校門近くでカイザスさんが立っていた。
僕たちに何か言いたそうな顔をされているので、他のみんなに先に帰ってもらって、僕とナースチャ、桜姫が残って少し話を聞くことにした。
「ずいぶん悩んでいるようだけど、なにかあったのか?私たちに聞いて解決するような問題なの?」
ナースチャが心配そうに口を開く。
「そうだね…。君たちにしか相談できないし、君たちに話を聞いてもらうだけでもずいぶん楽になると思う。」
うーむ、こんなに真剣に悩んでいるカイザスさんを見るのは初めてな気がします。
一緒に桜姫の世界で活躍した四人がこんな風に揃うのも久しぶりだよね。
「そうだね…何から話したものやら…。どうやら『禁断の恋』にはまってしまったようなのだよ…。」
ええええ!!!なんだってーー!!!……いえいえ、カイザスさんは常時禁断の恋にはまっているような気がするのですが…。
「今日も父兄参観で『あの人』に会ってしまってね…。いけないとは思いつつも『関係をやめられない』のだよ…。」
そ、それは父兄との不倫というやつですか??!!確かにそれはヤバイです!!
「カイザス!不倫だけはやめておけよ!特にここの生徒さんのお母様ということであれば、息子さんか娘さんが酷く傷つくことになるから!」
ナースチャが一生懸命説得しようとする。
「いや、その点は大丈夫なんだ。その人の連れ合いの方はすでに亡くなっているからね。そして、その方の娘さんともうまくやれそうな気はするんだ。」
そうか、娘さんか…。少し年上の女性と夫婦になって、娘さんと三人…あるいは他の兄弟も合せて家族になるカイザスさん…カイザスさんは根っこは優しい人なので、確かにあるかもしれないね…。
「そうか、不倫じゃなくて、娘さんともうまくやれそうならいいんじゃないかな。
うん、応援するよ。」
「そうですよ、私も応援します。」
ナースチャと桜姫がカイザスさんを一生懸命励ます。
「そうか、みんなありがとう!では、早速メールするよ♪」
カイザスさんはニコニコしながら足早に立ち去っていった。
そして、数分後、僕たちは校門近くを仲良く歩いているカイザスさんと家々将軍を目撃しました…。
思わず鑑定しちゃいましたよ!!
カイザス 『恋愛中』 対象:徳川家々 愛の深さ:LV16
徳川家々 『恋愛中』 対象:カイザス 愛の深さ:LV18
両方べたぼれですが、家々将軍の方がさらに深いんですが!!!!!
桜姫が半泣き、半分呆然とつぶやかれてました。
「…この状態なら認めざるを得ませんね。確かに大江戸におられる時からその兆候はありましたから、いざという時の覚悟は固めてましたし…。」
うん、確かに娘さんは認めてくれましたが……息子さん、次期将軍は認めて下さるんでしょうか…。まあ、江戸時代は、特に高貴な身分の人は『両刀使いは当たり前』だったようなので、案外大丈夫かもしれませんね…。
~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~
結局三月いっぱいでカイザスさんは風流学院高校の教師を辞め、大目付の役職をもらい、将軍様の懐刀として活躍されることになりました。
『家庭』でも役職でも将軍様を支えるという素晴らしい活躍ぶりだそうです。
なお、その前に徹底的に和食の腕を磨き、なんと、たまに手料理を振る舞うという荒業を披露されているそうです。
たまに、モンスターバスター一二星として日本に戻って任務を遂行されるときもあり、その折には僕やナースチャ、桜姫に向こうの現況を教えてくれるようになりました。
ちなみに将軍の息子さんはあっさりカイザスさんになついてくれ、『幸せな家庭生活』を堪能されているようです。
あまり想像したくないような気もしますが、『幸せは人それぞれ』だと強く感じさせられる出来事でした。
了
もともと瀬利亜さんところで相当レクチャーを受けていたうえに、頭がよく、勉強熱心なので、現代日本の文化をかなり早く習得しつつあるのだ。
今ではスマホも自由自在に使いこなせるようになった。
ただ、油断すると『時代劇風』になるので、まだ、僕たちとほぼ一緒に行動してボロがなるべく出ないようにしている。
幸いなことにここ風流院高校は『能力や存在が人外』の生徒が約半数なので、桜姫がボロを出しそうになると、『半数の例外』の生徒達が上手にフォローしてくれるということもわかってきた。
桜姫だけでなく、ナースチャ、エレーナがボロを出しそうになっても上手にフォローしてくれるのですごく助かっている。
さて、桜姫がクラスに溶け込んできたころ、父兄参観があった。
まず最初にうちの母が顔を出し、僕とナースチャ、エレーナを見つけると嬉しそうに手を振ってきた。
正直かなり恥ずかしいのですが、父兄参観など経験したことのないナースチャは素直に嬉しそうな顔をし、エレーナも少し恥ずかしそうにしながらそれでも嬉しそうだった。
そのすぐ後にタキシードをぴしっと着こなした完璧な紳士『ザ執事』という雰囲気の巧さん(石川家の執事だそうです。)が入ってこられた時はさすがに教室がざわめいた。
どうして巧さんが?!と一瞬思ったものの、すぐに気づきました。
ナースチャとエレーナと桜姫が下宿しているのは石川家ですが、そこでみんなの面倒を見てくれているのが巧さんです。
だから、三人の父親代わりに来てくれたのだと推測できました。
それに気づいて、ナースチャ、エレーナ、そして桜姫も嬉しそうです。
巧さんは僕たちに上品に小さく手を振ります。
この学校は少々、いやかなり個性的な生徒や父兄が多いですが、その中でも巧さんは目立ちます。先ほどうちの母が手を振ってめだったことなど完全にどこかへ行ってしまったようです。
そして、そのさらに後に入ってきた人を見て、桜姫、続いてナースチャと僕は完全固まってしまいます。
上品な三〇代半ばの紳士が入ってきたのですが、きっちり着こなしているにも関わらず、明らかに違和感を感じるその人は…どう見ても家々将軍ですよね??!!!
桜姫が心配なのはわかりますが……将軍様がこんなところに来られて大丈夫なんですか??!!!
そう言えば、桜姫の設定が『地方の時代に取り残された旧家のお嬢様』…うん、今の家々将軍はその『当主』にイメージぴったりです!!
どことなく桜姫に似ていますから、さすがに『将軍』とはわからなかったようですが、多くの生徒と山縣先生は『徳川桜さんのお父さん』と認識したようです。
うん、家々将軍を一人放っておいたら絶対にボロが出るよね??!!
そんな心配そうな視線を送ったのを察してくれたようで、巧さんがさりげなく家々将軍に近づいていきます。
それを見て、家々将軍もほっとした表情になります。
確か、桜姫が石川家に下宿される際に家々将軍も立ち会われたそうですから、その時に巧さんとはいろいろお話をされたそうです。
巧さんが傍におられれば家々将軍がボロを出されることはなさそうです。
とは言え、『名家の当主』と『ザ執事』が並んでいると異様に目立ちます。
山縣先生もなんだかやりにくそうです。
……山縣先生はおそらく立場上家々将軍の正体を知っておられるかもしれないよね。
授業が終わると、母が僕の席…ではなく、ナースチャの席に駆け寄ってきます。
「まあ、ナースチャちゃん、エレーナちゃん、相変わらずきれいね♪
よかったら、今日の授業が終わったら二人とも遊びに来なさいよ♪」
母はナースチャのこともエレーナのこともすごく気に入っています。
母の中では『ナースチャ=明るく元気で世話好きな嫁』で、同居でも夫婦水入らずでもどちらでもいいから早く嫁に来い…みたいな空気を出しています。
父ももう一人娘ができるようで嬉しそうだし、美佐も『世話好きなお姉ちゃん』が出来て大歓迎です。
そして、エレーナが『ウルトラシスコン』と知らない三人は、ナースチャの優しくて素敵な双子の妹認定なので、顔を見るたびに嬉しそうにしています。
そのこともエレーナが僕に対する態度を軟化させた大きな理由になったようです。
母が嬉しそうにナースチャとエレーナに話しかける様子を巧さんと家々将軍がニコニコしながら見ています。
巧さんは後でわかってビックリしましたが、義妹の美佐の実のお父さんでした。
うちの両親と親友でいろいろ事情があって美佐をうちが引き取ることになったのだそうです。
言われてみれば似ていなくはないですが…あらゆる面で完璧な巧さんと、学業もいろいろなこともイマイチでドジな美佐とは似ても似つかない気もします。
あ、美佐は性格は抜群によく、それもあってナースチャとエレーナが妹のようにかわいがってくれています。
えーと、山縣先生、どうして『進路相談』を僕と母と山縣先生以外に瀬利亜さんがおられるのでしょうか?
うちの母がものすごく不思議そうな顔をしているんですが?
「巧人さんとお母さんが不思議そうな顔をされてますが、巧人さんがナースチャをお嫁さんにすることがほぼ確定したことと、巧人さんご自身の能力の関係で、私が直にお二人と巧人さんのこれからの進路に関して折衝することになりました。
あ、これ私の名刺です。」
瀬利亜さんが名刺を取り出すと、そこにはこう書いてあった。
「さまざまな『超常トラブル』解決にお気軽にお問い合わせください♪
A級モンスターバスター石川瀬利亜 事務所 東京都◎◎区XXXX 携帯:090(◎◎XX)◎◎△△ アドレス SeadoragonMask@docomo.ne.jp」
「えええええっ!!!!瀬利亜ちゃん、モンスターバスターだったの?!!信じられない!母さん、あのシードラゴンマスクのようなモンスターバスターと初めてお知り合いになったのね!!」
「母さん落ち着いて!ナースチャとエレーナもモンスターバスターだとこの前言ったばかりでしょ!!」
「は、そうだったわね…。母さん、シードラゴンマスクさんのファンだから、モンスターバスターと聞くと、みんなシードラゴンマスクさんだと思っちゃうのよね♪」
「ええ、例のブログのせいで、モンスターバスターとシードラゴンマスクを混同される方も多いのですよね。シードラゴンマスクは有名なスーパーヒロインで、あくまでもモンスターバスターの資格も持っている…ということらしいです。」
「あら、じゃあ、瀬利亜ちゃんがシードラゴンマスクというわけではないんですね。髪の毛の色も似ているし、一瞬ドッキリしちゃったわ♪」
「いえいえ、髪の色のせいで、よく間違われるんですよ♪」
いやいや、間違われるんですよ…じゃなくて、間違いなく本人ですよね??!!
というか、携帯アドレスが『SeadoragonMask@docomo.ne.jp』 てそのまんまじゃないですか?!!よくばれなかったですよね??!!!
よく調べたら、『お約束だから指摘するのは悪い』と思っている人が非常に多く、相当バレバレだったようです。
どうしてカイザスさんといい、モンスターバスター一二星は肝心なところが抜けている人が多いんでしょうか……。
進路の話は『モンスターバスターをしながら教師や他の職業に就く』ことは非常に良くある話で、教師に付く場合はモンスターバスター協会が不正やインチキにならない程度に相当支援してくれる…という話だった。
なお、モンスターバスターの資格を取って、適切な訓練をすることは『仮に活動しなくても』自己防衛のために必要だからと強く奨めてくれました。
細かい部分はプロであるナースチャやエレーナが教えてくれたり、サポートしてくれるから彼女たちにも相談して焦らずに決めて欲しいということだった。
最初の間抜けぶりはともかく、仕事の話に入ると、瀬利亜さんはテキパキと適切に話を進めてくれて、非常に助かりました。
おかげで自分の能力をしっかり制御できるように訓練しつつ、日本史の教師のなろうという思いを強くすることが出来ました。
みんな三者面談を終えた後、帰ろうとした時に校門近くでカイザスさんが立っていた。
僕たちに何か言いたそうな顔をされているので、他のみんなに先に帰ってもらって、僕とナースチャ、桜姫が残って少し話を聞くことにした。
「ずいぶん悩んでいるようだけど、なにかあったのか?私たちに聞いて解決するような問題なの?」
ナースチャが心配そうに口を開く。
「そうだね…。君たちにしか相談できないし、君たちに話を聞いてもらうだけでもずいぶん楽になると思う。」
うーむ、こんなに真剣に悩んでいるカイザスさんを見るのは初めてな気がします。
一緒に桜姫の世界で活躍した四人がこんな風に揃うのも久しぶりだよね。
「そうだね…何から話したものやら…。どうやら『禁断の恋』にはまってしまったようなのだよ…。」
ええええ!!!なんだってーー!!!……いえいえ、カイザスさんは常時禁断の恋にはまっているような気がするのですが…。
「今日も父兄参観で『あの人』に会ってしまってね…。いけないとは思いつつも『関係をやめられない』のだよ…。」
そ、それは父兄との不倫というやつですか??!!確かにそれはヤバイです!!
「カイザス!不倫だけはやめておけよ!特にここの生徒さんのお母様ということであれば、息子さんか娘さんが酷く傷つくことになるから!」
ナースチャが一生懸命説得しようとする。
「いや、その点は大丈夫なんだ。その人の連れ合いの方はすでに亡くなっているからね。そして、その方の娘さんともうまくやれそうな気はするんだ。」
そうか、娘さんか…。少し年上の女性と夫婦になって、娘さんと三人…あるいは他の兄弟も合せて家族になるカイザスさん…カイザスさんは根っこは優しい人なので、確かにあるかもしれないね…。
「そうか、不倫じゃなくて、娘さんともうまくやれそうならいいんじゃないかな。
うん、応援するよ。」
「そうですよ、私も応援します。」
ナースチャと桜姫がカイザスさんを一生懸命励ます。
「そうか、みんなありがとう!では、早速メールするよ♪」
カイザスさんはニコニコしながら足早に立ち去っていった。
そして、数分後、僕たちは校門近くを仲良く歩いているカイザスさんと家々将軍を目撃しました…。
思わず鑑定しちゃいましたよ!!
カイザス 『恋愛中』 対象:徳川家々 愛の深さ:LV16
徳川家々 『恋愛中』 対象:カイザス 愛の深さ:LV18
両方べたぼれですが、家々将軍の方がさらに深いんですが!!!!!
桜姫が半泣き、半分呆然とつぶやかれてました。
「…この状態なら認めざるを得ませんね。確かに大江戸におられる時からその兆候はありましたから、いざという時の覚悟は固めてましたし…。」
うん、確かに娘さんは認めてくれましたが……息子さん、次期将軍は認めて下さるんでしょうか…。まあ、江戸時代は、特に高貴な身分の人は『両刀使いは当たり前』だったようなので、案外大丈夫かもしれませんね…。
~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~
結局三月いっぱいでカイザスさんは風流学院高校の教師を辞め、大目付の役職をもらい、将軍様の懐刀として活躍されることになりました。
『家庭』でも役職でも将軍様を支えるという素晴らしい活躍ぶりだそうです。
なお、その前に徹底的に和食の腕を磨き、なんと、たまに手料理を振る舞うという荒業を披露されているそうです。
たまに、モンスターバスター一二星として日本に戻って任務を遂行されるときもあり、その折には僕やナースチャ、桜姫に向こうの現況を教えてくれるようになりました。
ちなみに将軍の息子さんはあっさりカイザスさんになついてくれ、『幸せな家庭生活』を堪能されているようです。
あまり想像したくないような気もしますが、『幸せは人それぞれ』だと強く感じさせられる出来事でした。
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