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その後…とは限らない番外編
番外編1 この紋所が目に入らぬか その2
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私たちの前に姿を現したのは野球の時にも活躍してくれた忍者さんグループのリーダーでした。
リーダーさんは戦闘系の能力もさることながら、そのごつさに似合わず潜入や調査能力もかなりのものなのです。
「ちょうどいいところに来てくれたわね。それでは、ジョウシュウ商店の調査はあなたに任せたわ。」
「了解した!」
忍者さんは返事をすると同時に音もなくその姿を消しました。
「にゃんと?!私の代わりに弥七役が出てきてしまったのにゃね。では、私は陽炎のお銀役ということでいいのにゃね♪」
にゃんということでしょう!!トラミちゃんが成り行きで弥七役からお銀の役に替わってしまったではないですか?!!
原作?では、お銀さんはお風呂シーンが有名ですが、一〇代前半にしか見えないトラミちゃんのお風呂シーンがあると、小説としてはかなり問題です。
15禁どころか18禁のロリ系の話になってしまうかも…話がそれてしまいました。
さて、しばらく街を出歩いていろいろ話を聞いてみます。
ジョウシュウ商店の手先と思われるゴロツキですが、スラム街を仕切っているゴローザ一家というグループなのだそうです。
これはゴローザ一家を調べることでジョウシュウ商店の悪事の証拠もいろいろ出てきそうですね。いい話を聞きました。
いろいろな情報を得た後、一度宿に戻ってみると…なんということでしょう?!
宿がごうごうと炎を上げて燃え盛っているではないですか!!
近くでドナンさんたち三人が呆然としながらその光景を見ています。
火事で宿は焼けたものの、幸いなことに親子三人は無事だったようです。
「おっと、この度は大変なことになって残念ですな!」
恰幅のいい四〇代の男性が柄の悪い男数人を引き連れてニヤニヤ笑いながらドナンさんたちの方に歩いてきました。
「お、お前はシューセンド・ジョウシュウ?!」
ドナンさんが叫びます。
なるほど、どうやらあの男がジョウシュウ商店の主のようです。
「いやあ焼けてしまうとは本当にもったいないですな。こんなことなら我々に早めに売ってしまっておられた方がよかったですな。はっはっはっは!!」
ジョウシュウ商店のオヤジは嫌味たらしくドナンさんに向かって語りかけます。
「どうです。このままでは生活資金にもお困りでしょう。焼け落ちた土地だけでもウチで買い取らせていただいて、それを生活費に充てるというのはいかがでしょうか?」
ニヤニヤ笑っているジョウシュウ商店のオヤジにドナンさんは殴りかからんばかりに憤っています。
状況から見て、ジョウシュウ商店が手下のゴローザ一家に命じて放火したのでしょう。
しかし、証拠の無い現状でそれをドナンさんが訴えるわけにはいきません。
となると……。
宿が炎で焼け崩れていく中、突然、ゴゴゴゴとあたりに轟音が響き渡ります。
そして宿の残骸を押しのけるように新たな建物がどんどんせり上がってきます。
「「「なんだこりゃー?!!」」」
ドランさんたち、そしてジョウシュウ商店一派がその光景に目を見開きます。
二階建てだった宿が完全に崩れ落ち、中から白亜の美しい五階建ての建物がその姿を現したではないですか?!!
「じゃじゃーん♪こんなこともあろうかと、ひそかにスーパー温泉お宿セットを用意しておきました♪これで、前にも増してお客さんが望めるようになるよ♪」
いつの間にか姿を現した我が大学の学長・リディア・アルテア・サティスフィールド女史がニコニコしながら解説してくれています。
「いつの間にそんなことをしていたんですか?!!」
「やだなあ。敵を騙すにはまず味方からというじゃない♪さあ、中を案内するから、みんな入った入った♪」
橋本君のツッコミをスルーして、アルさんは我々とドランさん一家を中に案内します。
「一階と二階は地下千メートルからくみ上げた温泉です。
源湯かけ流しで、一階のお風呂には泊り客以外も入れます♪」
一階の洗練されたホテルのようなロビーから我々は温泉に入っていきます。
「普通のラジウム鉱泉の湯、水風呂、ジェットバス、薬湯、サウナ、岩盤浴、砂風呂もあります。休憩所でドリンクを楽しむこともできますよ♪」
「完全にスーパー銭湯になってますよね?!」
アルさんの解説に橋本君が突っ込みます。
ドランさんたちは…呆然としながらなんとかうなずいています。
二階は個室風呂や空間をゆがめて田舎の外の風景が見える疑似露天風呂、マッサージ機などがあり、入浴しながらゆったりとくつろげるようになっています。
浴衣を羽織ってバーで一杯、なんてこともできるようになっています。
「宿泊客の方にはしっかりと温泉施設をお楽しみいただけるようになっています。」
ニコニコしながらアルさんが説明してくれています。
「三階から五階は客室です。室内はシンプルかつ清潔感溢れる内装と調度品で統一されています。また、アニメティも充実しています。」
なんということでしょう?!東京のビジネスホテルをも上回るような洗練された室内にドランさんたちは目を白黒させながら半ば呆然として見ています。
「というわけで、オーナー!頑張りましょうね♪」
「「「なんですって?!!!」」」
アルさんがにっこり笑ってドランさんに語りかけた言葉にドランさん親子は絶叫します。
「オーナーとは一体どういうことでしょうか?!!」
アルさんに向かって叫んでしまったドランさんにその後ろから歩いてきた青年が声を掛けます。
「それはやね。あんさん方はわてら『ミツエモン商店』と提携していただいて、ホテル業をこのオウミの街で経営していただきたい…ちゅうことやねん。」
…私の旦那の光ちゃんがタキシードを着こなして現れました。
「ほんで、このホテルのもう一つのウリを見て頂きまっせ!」
ドヤ顔の光ちゃんが地下に我々を案内していきます。
「「「こ…これは?!!」」」
上等なテーブルと席がたくさん並んでいるレストランホールに大きな鉄板の付いたオープンキッチンが備え付けてあります。
光ちゃんは厨房に入ると、瞬時にホテルのシェフの扮装に変わり、いくつものお好み焼きを焼き始めます。
それも、広島風と関西風の両方を手際よく焼いていきます。
「ここはガルーダ王国首都・フェニックスタウンでも流行っとる鉄板焼きレストランや!!」
背後に閃光と効果音が出そうな勢いで、光ちゃんが両手に持ったヘラを動かしています。
「この料理はまさか、オコノミヤキ?!」
奥さまのサリバンさんが叫びます。
「なに?!サリバン、知っているのか?!」
「ええ、あなた。フェニックスタウンではオコノミヤキを扱うお店だけが集まったレストラン街が大好評だという話を聞いているわ。」
サリバンさんの話を聞いたドナンさんが光ちゃんがお好み焼きを次々と仕上げていくのを必死で見つめています。
「そんじゃあ、サリバンはん!厨房の責任者として、お好み焼きの焼き方をマスターしていただくで!!」
「わかりました!!」
にかっと笑う光ちゃんにサリバンさんも笑顔で答えます。
これでこのレストランも大丈夫でしょう。
何しろ、フェニックスタウンの『お好み焼き村』を立ち上げたのはほかならぬ光ちゃんですから。 その光ちゃんの技術と知識を伝授されて、このお店が流行らないはずがないのです。
~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~
「なんだとう?!それで、貴様らはそれですごすごと引き下がってきたというわけか?」
領主邸でアークダイカーン子爵に怒鳴られてシューセンド・ジョウシュウとその手下たちは小さくなっていた。
「し…しかし、子爵閣下。あれは普通ではありません。炎で崩れ落ちていく宿から新たな建物が立ち上がっていくなど、バックにとんでもない連中が付いています!!」
「ふん、おおかた幻でも見たんだろう。そんなすごい魔法を使うなど、ミート王国やガルーダ王国の王都でもあり得ない話だ。
さっさと現場に行くぞ!」
冷酷そうな青年子爵はジョウシュウ一味と部下を伴うと、ドナンの宿に向かって歩き出した。
「「「「「…………。」」」」
アークダイカーン一味は『八階建て』の白亜の建物にたくさんの人たちが出入りする様を呆然と眺めていた。
「子爵閣下!あの時よりさらに建物がでかくなってます!!」
(続く)
※おまけ 追加登場人物
錦織光一 瀬利亜はんの旦那。電子技術のエキスパートでスーパーヒーロー電脳マジシャン。関西弁を操る軽いノリのイケメンで、瀬利亜はんを溺愛している。料理もプロ級。今回はサポート役に徹する。
リディア・アルテア・サティスフールド 世界最高の魔法使いで、モンスターバスターチームのリーダー格『大魔女リディア』。ゆる系の超絶美女で瀬利亜の両親と親友で瀬利亜を溺愛している。同じく今回はサポート役。
忍者さん 元闇の忍者軍団のリーダーで、現在はモンスターバスターチームと共闘している。善良だが、『脳筋』で、トラミちゃん同様暴走癖がある。
リーダーさんは戦闘系の能力もさることながら、そのごつさに似合わず潜入や調査能力もかなりのものなのです。
「ちょうどいいところに来てくれたわね。それでは、ジョウシュウ商店の調査はあなたに任せたわ。」
「了解した!」
忍者さんは返事をすると同時に音もなくその姿を消しました。
「にゃんと?!私の代わりに弥七役が出てきてしまったのにゃね。では、私は陽炎のお銀役ということでいいのにゃね♪」
にゃんということでしょう!!トラミちゃんが成り行きで弥七役からお銀の役に替わってしまったではないですか?!!
原作?では、お銀さんはお風呂シーンが有名ですが、一〇代前半にしか見えないトラミちゃんのお風呂シーンがあると、小説としてはかなり問題です。
15禁どころか18禁のロリ系の話になってしまうかも…話がそれてしまいました。
さて、しばらく街を出歩いていろいろ話を聞いてみます。
ジョウシュウ商店の手先と思われるゴロツキですが、スラム街を仕切っているゴローザ一家というグループなのだそうです。
これはゴローザ一家を調べることでジョウシュウ商店の悪事の証拠もいろいろ出てきそうですね。いい話を聞きました。
いろいろな情報を得た後、一度宿に戻ってみると…なんということでしょう?!
宿がごうごうと炎を上げて燃え盛っているではないですか!!
近くでドナンさんたち三人が呆然としながらその光景を見ています。
火事で宿は焼けたものの、幸いなことに親子三人は無事だったようです。
「おっと、この度は大変なことになって残念ですな!」
恰幅のいい四〇代の男性が柄の悪い男数人を引き連れてニヤニヤ笑いながらドナンさんたちの方に歩いてきました。
「お、お前はシューセンド・ジョウシュウ?!」
ドナンさんが叫びます。
なるほど、どうやらあの男がジョウシュウ商店の主のようです。
「いやあ焼けてしまうとは本当にもったいないですな。こんなことなら我々に早めに売ってしまっておられた方がよかったですな。はっはっはっは!!」
ジョウシュウ商店のオヤジは嫌味たらしくドナンさんに向かって語りかけます。
「どうです。このままでは生活資金にもお困りでしょう。焼け落ちた土地だけでもウチで買い取らせていただいて、それを生活費に充てるというのはいかがでしょうか?」
ニヤニヤ笑っているジョウシュウ商店のオヤジにドナンさんは殴りかからんばかりに憤っています。
状況から見て、ジョウシュウ商店が手下のゴローザ一家に命じて放火したのでしょう。
しかし、証拠の無い現状でそれをドナンさんが訴えるわけにはいきません。
となると……。
宿が炎で焼け崩れていく中、突然、ゴゴゴゴとあたりに轟音が響き渡ります。
そして宿の残骸を押しのけるように新たな建物がどんどんせり上がってきます。
「「「なんだこりゃー?!!」」」
ドランさんたち、そしてジョウシュウ商店一派がその光景に目を見開きます。
二階建てだった宿が完全に崩れ落ち、中から白亜の美しい五階建ての建物がその姿を現したではないですか?!!
「じゃじゃーん♪こんなこともあろうかと、ひそかにスーパー温泉お宿セットを用意しておきました♪これで、前にも増してお客さんが望めるようになるよ♪」
いつの間にか姿を現した我が大学の学長・リディア・アルテア・サティスフィールド女史がニコニコしながら解説してくれています。
「いつの間にそんなことをしていたんですか?!!」
「やだなあ。敵を騙すにはまず味方からというじゃない♪さあ、中を案内するから、みんな入った入った♪」
橋本君のツッコミをスルーして、アルさんは我々とドランさん一家を中に案内します。
「一階と二階は地下千メートルからくみ上げた温泉です。
源湯かけ流しで、一階のお風呂には泊り客以外も入れます♪」
一階の洗練されたホテルのようなロビーから我々は温泉に入っていきます。
「普通のラジウム鉱泉の湯、水風呂、ジェットバス、薬湯、サウナ、岩盤浴、砂風呂もあります。休憩所でドリンクを楽しむこともできますよ♪」
「完全にスーパー銭湯になってますよね?!」
アルさんの解説に橋本君が突っ込みます。
ドランさんたちは…呆然としながらなんとかうなずいています。
二階は個室風呂や空間をゆがめて田舎の外の風景が見える疑似露天風呂、マッサージ機などがあり、入浴しながらゆったりとくつろげるようになっています。
浴衣を羽織ってバーで一杯、なんてこともできるようになっています。
「宿泊客の方にはしっかりと温泉施設をお楽しみいただけるようになっています。」
ニコニコしながらアルさんが説明してくれています。
「三階から五階は客室です。室内はシンプルかつ清潔感溢れる内装と調度品で統一されています。また、アニメティも充実しています。」
なんということでしょう?!東京のビジネスホテルをも上回るような洗練された室内にドランさんたちは目を白黒させながら半ば呆然として見ています。
「というわけで、オーナー!頑張りましょうね♪」
「「「なんですって?!!!」」」
アルさんがにっこり笑ってドランさんに語りかけた言葉にドランさん親子は絶叫します。
「オーナーとは一体どういうことでしょうか?!!」
アルさんに向かって叫んでしまったドランさんにその後ろから歩いてきた青年が声を掛けます。
「それはやね。あんさん方はわてら『ミツエモン商店』と提携していただいて、ホテル業をこのオウミの街で経営していただきたい…ちゅうことやねん。」
…私の旦那の光ちゃんがタキシードを着こなして現れました。
「ほんで、このホテルのもう一つのウリを見て頂きまっせ!」
ドヤ顔の光ちゃんが地下に我々を案内していきます。
「「「こ…これは?!!」」」
上等なテーブルと席がたくさん並んでいるレストランホールに大きな鉄板の付いたオープンキッチンが備え付けてあります。
光ちゃんは厨房に入ると、瞬時にホテルのシェフの扮装に変わり、いくつものお好み焼きを焼き始めます。
それも、広島風と関西風の両方を手際よく焼いていきます。
「ここはガルーダ王国首都・フェニックスタウンでも流行っとる鉄板焼きレストランや!!」
背後に閃光と効果音が出そうな勢いで、光ちゃんが両手に持ったヘラを動かしています。
「この料理はまさか、オコノミヤキ?!」
奥さまのサリバンさんが叫びます。
「なに?!サリバン、知っているのか?!」
「ええ、あなた。フェニックスタウンではオコノミヤキを扱うお店だけが集まったレストラン街が大好評だという話を聞いているわ。」
サリバンさんの話を聞いたドナンさんが光ちゃんがお好み焼きを次々と仕上げていくのを必死で見つめています。
「そんじゃあ、サリバンはん!厨房の責任者として、お好み焼きの焼き方をマスターしていただくで!!」
「わかりました!!」
にかっと笑う光ちゃんにサリバンさんも笑顔で答えます。
これでこのレストランも大丈夫でしょう。
何しろ、フェニックスタウンの『お好み焼き村』を立ち上げたのはほかならぬ光ちゃんですから。 その光ちゃんの技術と知識を伝授されて、このお店が流行らないはずがないのです。
~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~
「なんだとう?!それで、貴様らはそれですごすごと引き下がってきたというわけか?」
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「し…しかし、子爵閣下。あれは普通ではありません。炎で崩れ落ちていく宿から新たな建物が立ち上がっていくなど、バックにとんでもない連中が付いています!!」
「ふん、おおかた幻でも見たんだろう。そんなすごい魔法を使うなど、ミート王国やガルーダ王国の王都でもあり得ない話だ。
さっさと現場に行くぞ!」
冷酷そうな青年子爵はジョウシュウ一味と部下を伴うと、ドナンの宿に向かって歩き出した。
「「「「「…………。」」」」
アークダイカーン一味は『八階建て』の白亜の建物にたくさんの人たちが出入りする様を呆然と眺めていた。
「子爵閣下!あの時よりさらに建物がでかくなってます!!」
(続く)
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