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チケットのルール
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「………………ぁ」
夢を見た。元々意味のある夢なんてないけれど、意味のあるようでないような、現実について触れる、こんな夢は初めてだ。
身を起こして時計を見る。
5時58分。目覚ましの鳴る2分前。
二度寝もできないような半端な時間に目覚めてしまった。仕方なく布団から出て着替える。
既にリビングには人の気配があり、お母さんが朝ご飯を作ってくれているんだと思う。
制服に着替えながら、夢を思い出す。
チケット。楽園へのチケット。
そう考えて、スッと3という数字が頭に浮かぶ。まるで疑問の答えのように。
説明書。そうだ、チケットの説明書。それも、やはり鮮明に思い浮かぶ。
本当に、夢だったのか?
「おはよー」
「あら、おはよう紫」
リビングに向かうと、朝食が用意されていた。今日は食パンに目玉焼き。あまり私は朝に強い方では無いのでお母さんとの朝の会話は少なめだ。
パンを囓りながら、テレビのニュースを見ると、夏の終わりを示すように各地で台風が発生しているらしい。
お母さんもテーブルにつき、パンを囓りながら同じように見ている。
「本格的に台風が来だすから、準備しておかなくちゃね。停電したら困るもの」
「そーねぇ」
「紫は学校が休みになるもんね」
「嬉しい」
「私も子供の頃は喜んでたわ。大人になったら喜ぶだけじゃないけどね」
「心配になる?」
「なるわよ、お父さんの会社も休みになるかわからないし。家も飛んじゃうかもよ」
「流石にそれはないでしょ」
2人で軽く笑って、この話は終わり。
私は食べ終えて身仕度に入る。歯磨きをして顔を洗って、髪を梳いてお弁当を受け取って。
「いってきまぁす」
「はい、いってらっしゃい」
今日も朝の空気を浴びる。
通学路をいつもと変わらずに歩きながら、説明書を思い浮かべる。
んー、書いてあるし読めるけど。後で紙に写して考えてみよう。夢かどうかもわからないし。
そうこうしている内にバス停に着き、また私の学校生活が始まる。
授業の合間にこっそりノートに説明書を書き写す。
流石にエレベーターの配置図については写せないけど。見た感じ、町の地図があればそこに書き込めるんだけど。
「んー……これで完成か」
書き上げて、小さくと伸びをする。一応授業中。
昼まで掛かっちゃったな。
改めて説明書を見る。
──────────
チケットのルール(説明書)
・選ばれた人には1人3枚のチケットが配布される。
・1枚につき1人の移住権が得られる。
・チケットは肉親には適用されない。
・転移エレベーターに乗った時点でチケット枚数と乗組員の人数の精算が行われる。
・チケット所持の権利は譲渡不可である。
・但し、チケット所持者が他のチケット所持者を直接的に殺害した場合はチケットを奪う事が可能である。
・1枚消費することで1つの願いの申請が可能である。
願いは申請後、審査の後に受理または却下され、受理された場合は実行される。却下された場合はチケットは返却される。
・申請を行う場合、詳細であればあるほど受理される可能性が高くなる。
・申請を行うには口頭にて『申請』と言う必要がある。申請する内容については言う必要は無い。
・申請から審査結果までの時間は定まっていない。
・受理から実行までに最大10秒を要し、実行と同時にチケットを消費する。
・申請後は審査結果まで申請を下げることはできない。
・所持チケットが0枚になった場合は権利は完全に無くなり、他の所持者を殺害してもチケットは得られない。
──────────
──────────
転移エレベーターについて
・転移エレベーターの配置については以下の地図に依る
メモ(地図は町版、県版、地方版、日本、世界と全世界の分がある)
・エレベーターはチケット所持者が半径50メートル以内に近付いたとき出現する。
・エレベーター内にチケット枚数以上の人数、または所持者が乗っていない場合は起動しない。
・エレベーターは一台につき一度しか使用できない。
・エレベーターの破壊はできない。
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夢を見た。元々意味のある夢なんてないけれど、意味のあるようでないような、現実について触れる、こんな夢は初めてだ。
身を起こして時計を見る。
5時58分。目覚ましの鳴る2分前。
二度寝もできないような半端な時間に目覚めてしまった。仕方なく布団から出て着替える。
既にリビングには人の気配があり、お母さんが朝ご飯を作ってくれているんだと思う。
制服に着替えながら、夢を思い出す。
チケット。楽園へのチケット。
そう考えて、スッと3という数字が頭に浮かぶ。まるで疑問の答えのように。
説明書。そうだ、チケットの説明書。それも、やはり鮮明に思い浮かぶ。
本当に、夢だったのか?
「おはよー」
「あら、おはよう紫」
リビングに向かうと、朝食が用意されていた。今日は食パンに目玉焼き。あまり私は朝に強い方では無いのでお母さんとの朝の会話は少なめだ。
パンを囓りながら、テレビのニュースを見ると、夏の終わりを示すように各地で台風が発生しているらしい。
お母さんもテーブルにつき、パンを囓りながら同じように見ている。
「本格的に台風が来だすから、準備しておかなくちゃね。停電したら困るもの」
「そーねぇ」
「紫は学校が休みになるもんね」
「嬉しい」
「私も子供の頃は喜んでたわ。大人になったら喜ぶだけじゃないけどね」
「心配になる?」
「なるわよ、お父さんの会社も休みになるかわからないし。家も飛んじゃうかもよ」
「流石にそれはないでしょ」
2人で軽く笑って、この話は終わり。
私は食べ終えて身仕度に入る。歯磨きをして顔を洗って、髪を梳いてお弁当を受け取って。
「いってきまぁす」
「はい、いってらっしゃい」
今日も朝の空気を浴びる。
通学路をいつもと変わらずに歩きながら、説明書を思い浮かべる。
んー、書いてあるし読めるけど。後で紙に写して考えてみよう。夢かどうかもわからないし。
そうこうしている内にバス停に着き、また私の学校生活が始まる。
授業の合間にこっそりノートに説明書を書き写す。
流石にエレベーターの配置図については写せないけど。見た感じ、町の地図があればそこに書き込めるんだけど。
「んー……これで完成か」
書き上げて、小さくと伸びをする。一応授業中。
昼まで掛かっちゃったな。
改めて説明書を見る。
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チケットのルール(説明書)
・選ばれた人には1人3枚のチケットが配布される。
・1枚につき1人の移住権が得られる。
・チケットは肉親には適用されない。
・転移エレベーターに乗った時点でチケット枚数と乗組員の人数の精算が行われる。
・チケット所持の権利は譲渡不可である。
・但し、チケット所持者が他のチケット所持者を直接的に殺害した場合はチケットを奪う事が可能である。
・1枚消費することで1つの願いの申請が可能である。
願いは申請後、審査の後に受理または却下され、受理された場合は実行される。却下された場合はチケットは返却される。
・申請を行う場合、詳細であればあるほど受理される可能性が高くなる。
・申請を行うには口頭にて『申請』と言う必要がある。申請する内容については言う必要は無い。
・申請から審査結果までの時間は定まっていない。
・受理から実行までに最大10秒を要し、実行と同時にチケットを消費する。
・申請後は審査結果まで申請を下げることはできない。
・所持チケットが0枚になった場合は権利は完全に無くなり、他の所持者を殺害してもチケットは得られない。
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転移エレベーターについて
・転移エレベーターの配置については以下の地図に依る
メモ(地図は町版、県版、地方版、日本、世界と全世界の分がある)
・エレベーターはチケット所持者が半径50メートル以内に近付いたとき出現する。
・エレベーター内にチケット枚数以上の人数、または所持者が乗っていない場合は起動しない。
・エレベーターは一台につき一度しか使用できない。
・エレベーターの破壊はできない。
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