キリの異世界探検( Kiri's Otherworldly Exploration)

無似死可

文字の大きさ
64 / 89
第4章 教会(対決)編

62.暗殺者の行方

しおりを挟む
 キリが、指名依頼で潜ったダンジョンで、事故に巻き込まれたことは、城に居たミユの元にも知らされた。

 ミユは、急いで、思念伝達でキリに連絡を取った。

 「キリ、大丈夫?」

 「あれ、ミユ。どうしたの?」

 「今、冒険者ギルドから連絡が入って、キリの潜っているダンジョンで崩落があって、キリが巻き込まれたって」

 「そうなの。大変だったわ」

 「それで、怪我はないの?」

 「ちゃんと、闇魔法で、結界で自分の身体を覆っていたから、大丈夫よ」

 「どうして、そんな危険なダンジョンに入って行ったの?」

 「冒険者ギルドで、指名依頼を受けたの。そしたら、そのダンジョンで、無くした物を探して欲しいって」

 「誰からの依頼なの?」

 「ミユ、ちょっと、待ってね。今、依頼書を見てみるから」

 「えっ、依頼を受ける時に確認していないの? 信じられない!」

 「指名依頼って、初めてで、うれしくなって、それどころじゃなかったのよ」

 「まあ、キリも有名になったということね」

 「あれ、依頼者の名前が消えてるよ」

 「依頼者も居ないのに、依頼を受けたの?」

 「そんなことは、無いよ。何か、細工をされたみたいね。呪いかも?」

 「バカなこと言っていないで、直ぐに、戻って来なさい!」

 「でも、これって、事故じゃないみたい。私の後を付けていた者がいたみたい」

 「それで、まだ、ダンジョンにいるってわけ?」

 「そうよ。もう少し待って居てね。その者達を捕まえて、連れて帰るからね」

 「分かったわ。でも、キリ、用心してね」

 「はい」

 「あっ、毒には、注意してよ」

 「はい。ミユは、心配性ね。それから、私は、死んでいると思っていてね」

 「分かったわ」

 私は、ミユとの思念伝達を切った。

 「私が事故に巻き込まれたことは、もう、伝わっているのね」

 私は、スキル探索で、事故を引き起こしたらしい怪しい者を探した。

 まだ、ダンジョンの入り口近くで、私の様子を監視しているみたい。本当に死んだかどうか、探しに来ないのかしら?

 まあ、いいわ。此処からでも、十分、捕まえることは出来るわ。

 私は、潜んでいる者たちを闇魔法の結界で、少し、広めに囲んだ。これで、この結界からは、出れないわ。

 次に、今度は、一人ずつ闇魔法の結界で、包み込んだ。これで、身動きも、声を上げることも出来ないわ。

 私は、念のため、スキル探索で、広範囲で、私を監視している者がいないか、調査した。近くに人はいるが、私とは無関係な者ばかりだった。そこで、すべての暗殺者は、捕らえたと考えて、全員の意識をなくさせてから、転移魔法で、城の地下室に私と一緒に転移させた。

 城の着いた私は、捕まえて来た暗殺者達を地下室に閉じ込めておいた。

 「ミユ、ただいま!」

 「お帰り、大変だったね。それで、その捕まえて来た者たちの尋問は、どうするの?」

 「うん、練習も兼ねて、私の隠密チームに任せようと思うの。いいかなぁ?」

 「いいと思うわ」

 私は、ミユに賛成して貰えたので、直ぐに、思念伝達でシンビームに連絡を取った。そして、どのように対応するのかを、指示しておいた。

 シンビームは、直ぐに、理解して、行動に移してくれた。

 「ミユ、隠密チームに依頼したよ」

 「それで、何時まで、死んだことにしておくの?」

 「そうだね。1週間ぐらいかな? それぐらいなら、救助されて、助かったことにも、できそうでしょ」

 「そうね。でも、依頼者が不明な依頼書をよく、冒険者ギルドが、受理したね」

 「そうなの。どんな細工がされているのか、それも、調べたいね」

 「また、調べて、悪いことに使うのじゃない?」

 「そんなことは、しないよ。ただ、知りたいだけ!」

 「そう。それなら、私が調べてあげるわ」

 「それじゃ、お願い」

 私は、アイテムボックスの中から、依頼書を出して、ミユに渡した。

 「私は、疲れたから、寝るね」

 「はい、お休み」

 一方、暗殺者を派遣した依頼人は、待ちくたびれていた。

 いつまでたっても、ダンジョンからの報告がない。冒険者ギルドを監視している者からは、ダンジョンで、崩落事故があり、冒険者が一人、巻き沿いになったと報告があった。それなのに、その後の結果については、何の連絡もない。

 勇者パーティとして、ホワイト・ドラゴンを率いているキリが死んだという報告を今か、今かと、待ち望んでいた。

 国王の兵士は、事故のあったダンジョンに到着し、救助活動を始めていた。しかし、崩落した範囲が広く、直ぐには、ダンジョンの中に入る事すらできないでいた。

 国王と同様に、冒険者ギルドのギルド長も、現状報告を待ち望んでいた。しかし、事故の規模が大きくて、数日では、どうしようもないということも、理解していた。

 「ノーズ、どのような者が、依頼しに来たのだ。何か、覚えていないか?」

 「身なりは、綺麗だったと思います。でも、貴族とは何か、違う感じがしました」

 「すると、平民では、無いが、貴族でもなさそうだと、言うことか?」

 「はい、そうです。貴族なら、侍女か、執事が依頼にくると思いますが、そんな感じではなかったです」

 「そうか、その時、ギルド内に誰かいなかったか?」

 「私は、覚えていません。直ぐに、奥の部屋に移動したので」

 「分かった。今は、祈るだけだな」

 「はい、キリさんが、無事戻る事を祈りたいです」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!

石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。 クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に! だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。 だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。 ※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...