キリの異世界探検( Kiri's Otherworldly Exploration)

無似死可

文字の大きさ
83 / 89
第4章 教会(対決)編

81.新たな敵

しおりを挟む
 私は、何だか、嫌な予感がした。この嫌な感じは、以前にも感じたことがあった。

 今の私は、闇魔法にどっぷり浸かってしまっている。そのため、光魔法には、敏感に反応してしまう。

 当然、ミユの魔法に関しては、慣れているので、嫌な感じを受けることはない。

 と言うことは、ミユにも匹敵するほどの光魔法の使い手が、近くにいるということだ。

 そして、それは、勇者に他ならない。勇者ミユに匹敵する者が、普通の人間であるはずがない。

 つまり、ザーセン王国は、勇者を召喚したということだ。だが、教会は、私が支配している。だから、勇者召喚を許可するハズがない。ということは、教会や国王には内緒で、実行に移したということだ。

 しかし、勇者召喚には、大量のマナが必要だ。それをいつの間に、集めたのだろう?

 今回は、隠密チームを使いすぎたのかも? そのため、例の魔人の監視が疎かになったのかもしれない。

 私は、確認するために思念伝達で、エプリに連絡を取った。

 「エプリ、キリだけど」

 「はい、何でしょうか?」

 「例の魔人の監視は、今も続けているか?」

 「えっ、それは、行っていませんよ」

 「どういうこと?」

 隣にいたパープルが、変な顔をしている。

 「ねぇ、パープル。魔人の監視を頼んだかな?」

 「うん。頼まれたよ」

 「今、何処にいるか、わかる?」

 「ちょっと、待ってね」

 パープルが、仲間と連絡を取ったいるようだ。

 「分かった。今も、リーグリ王国の王宮にいるよ。監視も、まだ、やっているよ」

 「そうだった。うっかりしていたわ」

 「キリ、疲れている」

 「そうかも」

 私は、もう一度、エプリに思念伝達で、連絡を取った。

 「すまない。私の勘違いだった」

 「そうですか。それで、他に何か、在りますか?」

 「例の記憶を操作された者の回復はできそうか?」

 「はい、今、実験を行っていますが、白魔法の治癒魔法が効果があるようです」

 「そうか、良かった。引き続き、研究を進めてくれ」

 「はい、分りました。それから、リーグリ王国の宝物庫は、何か、変化があるか?」

 「特に、報告は、聞いていませんが、確認しておきます」

 「よろしく頼む。それから、リーグリ王国とザーセン王国の間に、地下通路が作られているかどうか、調べてくれ。特に、ダンジョンの近くを重点に!」

 「はい、分りました」

 私は、エプリとの思念伝達を切った。

 どうも、変だわ。リーグリ王国は、オレンジ国王と神殿長のカヒトともに、私が掌握している。

 すると、これまで、表に出てきていなかった者が居るということね。

 イニョウプスの様な魔人が他に居ても、可笑しくないね。それに、あのイニョウプスは、こんな計略を練るような感じには、見えないわ。おそらく、誰か、別の物の策略ね。

 でも、ここで、考えていても、仕方がないので、ダンジョンの調査を続けることにした。

 私達は、結界を抜けて、上級ダンジョンの中に入って行った。

 いつものように、スキル探索で、上級ダンジョンの中を調査したが、特に異常は、感じることが出来なかった。そして、パープルの仲間もいないことが分かった。

 「パープル、仲間と連絡を取ってくれる?」

 「うん。分かった」

 パープルは、ザーセン王国にいる仲間と連絡を取ろうとした。しかし、うまくいかないようだ。

 「キリ、連絡が取れない」

 「それは、死んでしまったということ?」

 「それなら、直ぐに、わかる」

 「それなら、何故、連絡が取れないの」

 「意識がないみたい」

 「えっ、パープルの仲間なら、そう簡単に気絶させられることはないわ」

 「うん。1人なら、あるかも。でも、多くの仲間が一度に倒されるって、ない」

 「そうか。それなら、戦闘では、なく。他の何かで、眠らされているかもしれないね」

 「うん。寝ているみたい」

 「それじゃ、仲間がいる所まで、進んで行こう」

 「うん。直ぐ、行く」

 私達は、用心しながら、上級ダンジョンの中を調べて行った。しかし、やはり、ダンジョンの中は、異常がない。確かに、横穴があり、結界が張られていたが、それ以外に異常は、見つけられなかった。

 「キリ、このダンジョンは、変!」

 急に、パープルが、私に声を掛けて来た。

 「どうした!」

 「このダンジョン、マナが薄い」

 私は、パープルに言われて、周りのマナの濃度を調べて見た。確かに、パープルが言うように、通常より、マナの濃度が低いようだ。

 と言うことは? ダンジョンの中のマナを集めた者がいるということだ。そして、そのマナを勇者召喚に使ったのかもしれない。

 「パープル、仲間が、マナを吸収されたらどうなる?」

 「どういうこと?」

 「自分が持っているマナを吸い上げられたらどうなる?」

 「自分のマナの量が減ってしまうと、動けなくなるわ」

 「それは、寝ているのと同じか?」

 「うん。寝てマナを回復すると思う」

 「そうか」

 マナを吸収された。そう考える方が、自然だ。そして、勇者召喚に必要な量のマナを集めたのだろう。

 だが、普通の罠なら、パープルの仲間が陥ることはないだろう。すると、罠とは、感じないような何かが、あるということだ。

 「パープル、大丈夫か?」

 急に、パープルの動きが遅くなった。何か、異変が起こっているようだ。私は、パープルを抱いて、転移魔法で、城に移動した。ダンジョンの中に居ると、危険だと感じた。 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!

石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。 クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に! だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。 だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。 ※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...