キリの異世界探検( Kiri's Otherworldly Exploration)

無似死可

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第4章 教会(対決)編

82.上級ダンジョンの謎

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 ダンジョンから戻って来た私は、直ぐに、パープルをベッドに寝かせた。そして、スキル鑑定で、状態を調べた。

 「キリ、どうしたの?」

 ミユがいつの間にか、私の後ろに来ていた。そして、ベッドに寝ているパープルを見て、声を掛けて来た。

 「パープルの様子が変なんだ」

 「スキル鑑定は?」

 「どうも、身体の中のマナが吸い取られたようなんだ」

 「私が、見るわ」

 ミユは、私を押しのけて、パープルが寝ているベッドに腰を掛けて、パープルの額にに手を当てた。

 すると、ミユの手が少しずつ明るく光り始めた。そして、その光は、パープルの方に流れて行くようだ。

 「キリ、私にマナを流して!」

 私は、ミユの後ろから抱きしめて、マナを流していった。私が流したマナは、ミユが光魔法で変化させてからパープルに流しているようだ。

 パープルが、動いた。気が付いたようだ。でも、まだ、完全に治ったわけではない様で、ミユは、治療を止めようとはしなかった。

 長時間に渡る治療なので、少し、ミユの事が心配になって来た。

 「ミユ、大丈夫?」

 「あぁ、もうすぐよ。私は、大丈夫よ。キリが、手伝ってくれているから」

 「無理しないでね」

 「もう少しよ」

 漸く、パープルが、目を開けた。そして、ミユを見つめているようだ。

 やって、ミユが、パープルの額から、手を離した。

 「もう大丈夫よ」

 「良かった」

 パープルは、一度頷いてから、目を閉じて眠り始めた。

 「キリ、どうしてこうなったの」

 「私も、よく分からないの」

 「ダンジョンに行ったのでしょ」

 「この国の中級ダンジョンから、ザーセン王国の上級ダンジョンに、横穴が開けられて、繋がっていたの」

 「誰が、そんなことをしたのかしら?」

 「途中で、結界が張っていて、どうも、魔人の仕業のようなの」

 「でも、例の魔人は、王宮に居て、監視されているのでしょ」

 「そうなんだ。でも、他に魔人が居てもおかしくないよ」

 「そうね」

 「でも、何故、パープルだけ、マナが吸い取られたのかしら?」

 「そうなんだ。僕は、少し嫌な感じがしたけど、倒れるほどでは、なかったよ」

 「マナが吸い取られていることが分からなかったの?」

 「多分、気が付かなかったのだろうと思うよ」

 「それとも、急激に吸い取られたのかも?」

 「それに、何故、私が、吸い取られなかったのか?」

 確かに、私は、ミユにマナを提供しても、平気だった。それほど、大量にマナを持っているということだけど。

 それとも、闇魔法のバリアが効果があったのか? でも、パープルにも、それは、施していたはずよ。

 それに、あの厭な感じは、別の人物に反応したように思うの。ミユと同等の白魔導士が居たように思うの。

 早く、パープルの仲間を助けなければいけないけど、何か、対策を考えなくては、また同じことになってしまうわ。

 「キリ、貴方、以前に大気のマナを吸収する装置を作っていたでしょ」

 「うん。作ったよ。今も、色々なダンジョンに設置しているよ」

 「それを真似られたのかも?」

 「でも、その装置に異変があれば、アラームで分るよ」

 「でも、仕組みを調べるだけなら、アラームは、反応しないのでは?」

 「ミユの言う通りね。でも、それなら、何故、私は、マナを取られていないの?」

 「貴方のマナは、大量にあるから、少しぐらい取られても、気が付かなかったのかもね」

 「ミユ! そんな、鈍感な訳ないでしょ!」
 
 「ごめん! つい、言ってしまったの」

 「でも、私の身体が、装置に反応しなかったのは、事実ね」

 「貴方だけ、吸い取られなかったと思うの?」

 「もう一度行って、確かめなくては、ならないけど」

 「まだ、何の対策もないのよ。危険すぎるわ」

 「でも、早く、パープルの仲間を助けたい!」

 「そうね。何か、良い方法がないかしら」

 「そうだ! マナドール兵士を使ったら、危険はないわ」

 「キリ、それが良いわ」

 私は、急いで、マナドール兵士を100体用意した。そして、転移魔法で、中級ダンジョンと上級ダンジョンの間の結界まで、運び込んだ。

 今では、転移魔法用の魔法陣を描く神具を造っているので、すべての作業をマナドール兵士を使って、行うことが出来た。そして、マナドール兵士は、ネットワークに接続しているので、常に状態を監視できる。

 私は、遠隔で、操作しながら、必要な魔法があれば、その都度神具にして、マナドール兵士に送り届けた。

 上級ダンジョンに入ってから、暫く、経った時から、通路に倒れている魔物が増えて来た。おそらく、マナを吸い上げられて、動けないのだろう。

 数体の魔物をマナドール兵士に城に送り届けて貰った。それを、私とミユで、調べて行った。

 やはり、思った通り、マナが吸い取られていて、仮死状態になっている。でも、死んではいない。

 「良かった。死んでいないわ」

 「本当! これなら、パープルの仲間を助けることが出来そうよ」

 私達は、魔物の状態を確認して、少しは、安堵した。

 「次は、装置を探さないといけないわね」

 「それと、パープルの仲間を探さないといけないわね」

 でも、何故、マナドール兵士は、動けるの? マナを吸い取ロれていないみたい。
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