キリの異世界探検( Kiri's Otherworldly Exploration)

無似死可

文字の大きさ
84 / 89
第4章 教会(対決)編

82.上級ダンジョンの謎

しおりを挟む
 ダンジョンから戻って来た私は、直ぐに、パープルをベッドに寝かせた。そして、スキル鑑定で、状態を調べた。

 「キリ、どうしたの?」

 ミユがいつの間にか、私の後ろに来ていた。そして、ベッドに寝ているパープルを見て、声を掛けて来た。

 「パープルの様子が変なんだ」

 「スキル鑑定は?」

 「どうも、身体の中のマナが吸い取られたようなんだ」

 「私が、見るわ」

 ミユは、私を押しのけて、パープルが寝ているベッドに腰を掛けて、パープルの額にに手を当てた。

 すると、ミユの手が少しずつ明るく光り始めた。そして、その光は、パープルの方に流れて行くようだ。

 「キリ、私にマナを流して!」

 私は、ミユの後ろから抱きしめて、マナを流していった。私が流したマナは、ミユが光魔法で変化させてからパープルに流しているようだ。

 パープルが、動いた。気が付いたようだ。でも、まだ、完全に治ったわけではない様で、ミユは、治療を止めようとはしなかった。

 長時間に渡る治療なので、少し、ミユの事が心配になって来た。

 「ミユ、大丈夫?」

 「あぁ、もうすぐよ。私は、大丈夫よ。キリが、手伝ってくれているから」

 「無理しないでね」

 「もう少しよ」

 漸く、パープルが、目を開けた。そして、ミユを見つめているようだ。

 やって、ミユが、パープルの額から、手を離した。

 「もう大丈夫よ」

 「良かった」

 パープルは、一度頷いてから、目を閉じて眠り始めた。

 「キリ、どうしてこうなったの」

 「私も、よく分からないの」

 「ダンジョンに行ったのでしょ」

 「この国の中級ダンジョンから、ザーセン王国の上級ダンジョンに、横穴が開けられて、繋がっていたの」

 「誰が、そんなことをしたのかしら?」

 「途中で、結界が張っていて、どうも、魔人の仕業のようなの」

 「でも、例の魔人は、王宮に居て、監視されているのでしょ」

 「そうなんだ。でも、他に魔人が居てもおかしくないよ」

 「そうね」

 「でも、何故、パープルだけ、マナが吸い取られたのかしら?」

 「そうなんだ。僕は、少し嫌な感じがしたけど、倒れるほどでは、なかったよ」

 「マナが吸い取られていることが分からなかったの?」

 「多分、気が付かなかったのだろうと思うよ」

 「それとも、急激に吸い取られたのかも?」

 「それに、何故、私が、吸い取られなかったのか?」

 確かに、私は、ミユにマナを提供しても、平気だった。それほど、大量にマナを持っているということだけど。

 それとも、闇魔法のバリアが効果があったのか? でも、パープルにも、それは、施していたはずよ。

 それに、あの厭な感じは、別の人物に反応したように思うの。ミユと同等の白魔導士が居たように思うの。

 早く、パープルの仲間を助けなければいけないけど、何か、対策を考えなくては、また同じことになってしまうわ。

 「キリ、貴方、以前に大気のマナを吸収する装置を作っていたでしょ」

 「うん。作ったよ。今も、色々なダンジョンに設置しているよ」

 「それを真似られたのかも?」

 「でも、その装置に異変があれば、アラームで分るよ」

 「でも、仕組みを調べるだけなら、アラームは、反応しないのでは?」

 「ミユの言う通りね。でも、それなら、何故、私は、マナを取られていないの?」

 「貴方のマナは、大量にあるから、少しぐらい取られても、気が付かなかったのかもね」

 「ミユ! そんな、鈍感な訳ないでしょ!」
 
 「ごめん! つい、言ってしまったの」

 「でも、私の身体が、装置に反応しなかったのは、事実ね」

 「貴方だけ、吸い取られなかったと思うの?」

 「もう一度行って、確かめなくては、ならないけど」

 「まだ、何の対策もないのよ。危険すぎるわ」

 「でも、早く、パープルの仲間を助けたい!」

 「そうね。何か、良い方法がないかしら」

 「そうだ! マナドール兵士を使ったら、危険はないわ」

 「キリ、それが良いわ」

 私は、急いで、マナドール兵士を100体用意した。そして、転移魔法で、中級ダンジョンと上級ダンジョンの間の結界まで、運び込んだ。

 今では、転移魔法用の魔法陣を描く神具を造っているので、すべての作業をマナドール兵士を使って、行うことが出来た。そして、マナドール兵士は、ネットワークに接続しているので、常に状態を監視できる。

 私は、遠隔で、操作しながら、必要な魔法があれば、その都度神具にして、マナドール兵士に送り届けた。

 上級ダンジョンに入ってから、暫く、経った時から、通路に倒れている魔物が増えて来た。おそらく、マナを吸い上げられて、動けないのだろう。

 数体の魔物をマナドール兵士に城に送り届けて貰った。それを、私とミユで、調べて行った。

 やはり、思った通り、マナが吸い取られていて、仮死状態になっている。でも、死んではいない。

 「良かった。死んでいないわ」

 「本当! これなら、パープルの仲間を助けることが出来そうよ」

 私達は、魔物の状態を確認して、少しは、安堵した。

 「次は、装置を探さないといけないわね」

 「それと、パープルの仲間を探さないといけないわね」

 でも、何故、マナドール兵士は、動けるの? マナを吸い取ロれていないみたい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!

石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。 クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に! だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。 だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。 ※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...