錬金術師の召喚魔法 ゴーレム擬きで世界征服?

無似死可

文字の大きさ
46 / 270
 第5章 ソーロン帝国編

504.商品特許

しおりを挟む
 朝に、思念伝達で、サルビアに起こされた。

 「テラ、やっと、200個完成したよ。今から、送るね」

 「まさか、サルビア、徹夜したの?」

 「うん、頑張ったよ」

 「無理しちゃ、だめって言ったのに」

 「ごめんさい。でも、テラの役に立ちたかったの。今から送るね」

 「ありがとう、送ったら、すぐに寝るのよ。わかったね」

 「はい、分かったわ」

 サルビアから、商品200個が送られてきた。これで、700個完成した。

 残りの300個を急いで作っていった。魔石を組み込むだけなので、そんなに時間は掛からなかった。2時間で、すべて、完成した。

 帝国との約束の日まで、まだ、2日も残っている。

 今日は、支店の開店準備をした。無人販売用の機械を4台配置して、商品を入れて、金額を設定して、準備は完了した。

 次に、私達は、商業ギルドに向かった。

 「こんにちは。セーロン」

 「はい、テラ様。まだ、早いですよ」

 「今日は、別の話なの。いいかな?」

 「もちろんですよ。どのような用件でしょう」

 「実は、特許のことで聞きたいの?」

 「特許ですか。それの、何を知りたいのですか?手続きのことですか?」

 「私、まだまだ、駆け出しの商人で、何も知らないの。だから、一から教えてくれる」

 「はい、わかりました」

 私は、セーロンに特許について教えて貰った。特許は、一つの街に出せば、国全体に出したことになる。その他、色々あったけど、取り敢えず、今は、関係ない。取り敢えず、商業ギルドで、扱って貰えるということが分かれば、いい。

 「この手鏡なんだけとね」

 私は、事前に用意しておいた遠隔投影接続器テレビジョン・コネクタを付けた2個の手鏡を出した。

 「手鏡、特許とどのような関係があるのですか?」

 「こっちの手鏡を持って、中を見ていてね」

 「テラ様、何も映りませんよ。この手鏡、変ですね。真っ暗ですよ」

 「セーロン、ちょっと、待ってよ。用意するから」

 私は、もう一つの手鏡を持って、蓋を開けた。

 「おぉ、これは、テラ様が見えますよ。それに、声が2重に聞こえます」

 「手鏡に近づいて、聞いてみて」

 「おやっ、手鏡からも声が聞こえます」

 「そうよ。離れた所から、お互いを見ながら、話ができるの」

 「これは、凄いですね。今、使われている機械は、声しか伝えることが出来ません」

 「ただ、使える距離に制限があるの。5kmまでしか、使えないの」

 「それだけあれば、十分です」

 私は、今回の遠隔投影接続器テレビジョン・コネクタに、特別な魔法陣を刻印して、利用できる距離に制限を付けておいた。本来は、魔力量の制限だけで、距離は、付随的なものだった。

 「このような手鏡を見たことある?セーロン」

 「テラ様、ございません。初めてで御座います」

 「これで、特許を取りたいの。取れるかしら」

 「もちろん、大丈夫です。でも、どのような形式で取るか、考えないと、後々、問題が出てくると思われます」

 「どういうことなの」
 
 「この手鏡に着いている装置で特許をとるのか、手鏡ごとで取るかです」

 「何か、違うに?」

 「全く違います。装置で取れば、鏡の大きさは、自由に変更できます。
 しかし、手鏡ごとで取れば、鏡の大きさを変えることは出来ません」

 「そうすると、別の大きさの鏡を使うと、そのたびに特許をとる必要があるの?」

 「いえ、そういうことではないのです。他の人が、鏡の大きさを変更できないという意味です」

 「テラ様が、異なる鏡の物を作って、売ることは可能です。新たな特許は不要です。
 でも、装置の部分だけで、特許を取ると、当然、鏡の部分は、自由に変更されてしまいます。
 これは、大きな違いです」

 「よく、分からない。もう、セーロンに任せるわ」

 「分かりました。それでは、一緒にお越しください」

 「ここではダメなの?」

 「はい、特許に関することは、国全体に影響を及ぼすことなので、商業ギルド長が行う必要があります」

 「分かったわ。セーロン。付いて行くわ」

 私は、セーロンに連れられて、商業ギルド長の部屋に行った。それは、商業ギルドの2階にあった。

 「失礼します。ギルド長、特許に関する手続きに来ました」

 「おぉ、特許とな。久しぶりに、扱うよ」

 「こちらは、テラ様です。今回、特許の申請に来られました」

 「テラと言います。よろしくお願いします」

 「何と、このような幼子が、特許とな」

 「はい、それも、凄いものです」

 セーロンは、私に代わって、遠隔投影接続器テレビジョン・コネクタの説明を始めた。商業ギルド長は、細かなことを尋ねて、すべてを理解しようとしていた。
 理解し終わると、書類を作り上げた。

 「分かりました。これは、特許に値します」

 「それでは、テラ様、装置を持って、こちらに来て下さい」

 「はい」

 「書類の端を持ってください」

 「はい」

 私は、サイン済みの書類の端を装置に触れた状態で持った。商業ギルド長も同じ様にした。そして、何やら、唱えた。

 「これで、完了です。これは、特許の控えです。お持ちください」

 「分かりました。ところで、特許の登録料金は、いくらでしょうか?」

 「それは、要りません。あっ、説明していませんでしたか?」

 「何をですか?」

 「特許を取られた商品が特許を取った人から売られたら、3%の手数料が、登録した商業ギルドに入るのです。だから、登録料として、頂くことはありません」

 「あぁ、聞いたような、気がします」

 「もし、御納得されていないなら、取り消しをしますが、いかがしましょうか」

 「はい、大丈夫です。このままで、いいです」

 「この手鏡を商業ギルドで販売することは、可能でしょうか?」

 「はい、可能です。でも、その時は、先ほどの料金とは別に手数料が、5%掛かりますが、よろしいか?」

 「それは、いいのですが、一つ条件を付けてもいいですか?」

 「それは、どのような事でしょうか」

 「私の名前を伏せておいて欲しいのです」

 「あー、そのようなことですか。全く問題ありません。こちらも、お客様にそのように、進めています。特許主様が、狙われるkとがあるのです。特許主様が、お亡くなりになられると、一時的に特許が停止します。そうすると、特許を相続した人も販売が出来なくなります。その期間を利用して、詐欺が起こったりします」

 「よく分からないですが、よろしくお願いします」

 「はい、わかりました。それでは、販売に関する書類を作ります。それから、月当たりの販売個数を決めておいて下さい」

 「1個当たり、どれぐらいの金額が妥当でしょうか?」

 「音声だけのものが、金貨1万枚で取引されています。ただし、これは、片方だけの金額です。それに、利用する場合、取次所に利用者が登録しないといけません。それには、初期費用として、金貨1000枚、月々の費用として、金貨1000枚が必要です。
 ですから、今回のこの手鏡のセットは、最低でも、金貨10万枚は、設定しても良いでしょう」

 「そうですか。金額については、セーロンに一任します。月当たりの販売個数は、最初は、10セットでお願いします。来月以降については、また、相談します」

 すべて、完了したので、私達は、商業ギルドを出ることにした。

 「セーロン、後はお願いします」

 「テラ様、私に一任していただいて、ありがとうございました。
 誠心誠意、仕事をさせていただきます」

 「よろしくお願いします。それでは、失礼します」

 私達は、支店に戻って、寝ることにした。今日も、スピアに添い寝をしてもらう。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

氷弾の魔術師

カタナヅキ
ファンタジー
――上級魔法なんか必要ない、下級魔法一つだけで魔導士を目指す少年の物語―― 平民でありながら魔法が扱う才能がある事が判明した少年「コオリ」は魔法学園に入学する事が決まった。彼の国では魔法の適性がある人間は魔法学園に入学する決まりがあり、急遽コオリは魔法学園が存在する王都へ向かう事になった。しかし、王都に辿り着く前に彼は自分と同世代の魔術師と比べて圧倒的に魔力量が少ない事が発覚した。 しかし、魔力が少ないからこそ利点がある事を知ったコオリは決意した。他の者は一日でも早く上級魔法の習得に励む中、コオリは自分が扱える下級魔法だけを極め、一流の魔術師の証である「魔導士」の称号を得る事を誓う。そして他の魔術師は少年が強くなる事で気づかされていく。魔力が少ないというのは欠点とは限らず、むしろ優れた才能になり得る事を―― ※旧作「下級魔導士と呼ばれた少年」のリメイクとなりますが、設定と物語の内容が大きく変わります。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

異世界に迷い込んだ盾職おっさんは『使えない』といわれ町ぐるみで追放されましたが、現在女の子の保護者になってます。

古嶺こいし
ファンタジー
異世界に神隠しに遭い、そのまま10年以上過ごした主人公、北城辰也はある日突然パーティーメンバーから『盾しか能がないおっさんは使えない』という理由で突然解雇されてしまう。勝手に冒険者資格も剥奪され、しかも家まで壊されて居場所を完全に失ってしまった。 頼りもない孤独な主人公はこれからどうしようと海辺で黄昏ていると、海に女の子が浮かんでいるのを発見する。 「うおおおおお!!??」 慌てて救助したことによって、北城辰也の物語が幕を開けたのだった。 基本出来上がり投稿となります!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...