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第8章 ヤガータ国編
806.開港に向けて
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私達は、ミーヤ国の都市イキシで、港湾の経営について、研究するために、出店を1軒ずつ食べ歩いていた。本当に、食べ続けていた。
「おい、テラ、この店を素通りするのか?」
「今日は、もう、肉は十分だよ。ねえ、スピア?」
「肉、まだ、食べる」
「ホラ、相棒が食べるって言ってるよ。食べて行きな」
「わかったよ。食べるよ。2本くれる?」
「ほいよ。1本、お負けしとくよ」
「ありがとう。スピア、2本食べる?」
「うん。2本、食べる」
スピアは、両手に串焼きを持って、嬉しそうだ。
「テラ、こっちも、寄っていきなよ」
「また、明日ね」
「今日の魚は、特別なんだよ。明日あるとは、限らないよ」
「本当?」
「テラに、嘘を言わないよ。だから、食べて行きな。それとも、持って帰るかい」
「持って帰るよ。今は、お腹一杯だから」
「ほら、包んであげたよ」
「ありがとう。この変わった魚は、何処の国の物なの?」
「アストーリア大陸から、運ばれてきた魚だよ。大型船で、1週間かかるらしい。
俺も、行ったことはない」
「そうなんだ。アストーリア大陸か。行ってみたいな」
「暇なら、行ってきな。それで、俺に、大陸の様子を話してくれ」
「そうね。行って来たら、いっぱい、話してあげるよ」
私達は、食後の運動がてら、港の方に歩いて行った。港に近づくにつれて、周りが倉庫だらけになって来た。倉庫の周りは、あまり、人が居ないみたい。ようやく、潮の匂いが漂ってきた。もうすぐ、海だ。
港には、大きな船に、ほとんど、荷物を積めない様な小さな船まで、色んな種類の船があった。
船の周りには、多くの人が荷物の積み下ろしをしていた。これは、相当な重労働だ。大きな男たちが汗を流しながら、荷物を運んでいた。
港は、ヤガータ国の都市デンロンにあった入江とは、全く異なっていた。私は、船が止めやすいように、海岸を垂直にして、岸壁に様にしたが、曲線のままだった。それに対して、ここの岸壁は、櫛の様になっていて、より多くの船が停泊できるように、工夫されていた。
それと、この櫛状の岸壁に行く途中に、門があり、そこで、荷物や人のチェックをしているようだ。係員が、書類を片手に確認をしている。どうも、冒険者IDでも、商業IDでもない、別のIDを使っているようだった。
「スピア、見ているだけでは、よく分からないね」
「うん。中に入る?」
「そうだね。中に入ろうか?」
私達は、隠密魔法で、姿を消した。随分前から、この魔法は匂い消しも同時に行うようにしてある。
私は、思念伝達で、スピアに連絡を取った。
「スピア、私を負んぶしてね」
「うん。いいよ」
「この方が、動きやすいでしょ」
「うん。どこでも行けるよ」
私達は、荷物の積み下ろしをしていた男たちの近くに行った。今は、休憩時間のようだ。飲み物を飲みながら、談笑している。
「俺は、今日は、この仕事で、上りだ」
「おぉ、いいな。一杯、やれるな」
「働いた後の酒は、格別だな」
「おまえ、ここ、長いんだろう」
「そうだな。そろそろ10年になるかな。あっという間だった」
「そうか、でも、お前ほど働いても、上の役には、付けないって、どういうことだ」
「仕方ないよ。役職は、最初から、決まっているからな。俺たちは、一生、今のままだ」
「いずれ、歳を取り働けなくなるぞ。それに、俺は、怪我が心配だ。ここで、怪我をしても、誰も相手をしてくらない。それどころか、放り出される」
「本当に、そうだな。ここでのケガや病気は、命とりだな」
「お前達は、まだ、若いから、別の仕事を考えた方がいいんじゃないか」
「俺たちも好きで、ここにいるんじゃないよ。俺は、字も読めないんだ。今から、勉強なんて、無理に決まっているさ」
私達は、荷下ろしの仕事をしている男達から離れて、書類を持っていた係員の近くに行った。
ここも、今は、休憩時間の様だ。ここでも、何か食べながら、話をしている。
「今日も、忙しいな」
「荷物が多すぎるんだよ。それに、最近、密輸があるって、俺たちを疑っている」
「おい、最近兵士が増えたと思わないか?」
「そういえば、増えたようだな。どこを見ても、兵士がたっているよな」
「あれって、なんだ?」
「どうも、アストーリア大陸からの密入国者がいるようだ」
「なぜ、密入国なんてするんだ?」
「そりゃ、アストーリアでの暮らしが大変だからだよ。あいつらは、奴隷みたいな扱いを受けているらしい」
「あいつら、リザードマンだろ。どこも、雇ってくれないぜ」
「そうだな。あの見た目で、皆怖がっているからな」
「それじゃ、密入国しても、だめじゃないか。生活出来やしない」
「いや、そうでもないんだ。傭兵として、雇っている国があるらしい」
「それって、ソーロン帝国か?」
「おい、バカなことを言うな。誰が、聞いているか、分からないぞ。俺は、お前の巻き添えはごめんだからな」
「俺も、いやだよ。あの国の名前を出すな」
「この国も関係しているって、噂だぜ」
「そうだろうな。ここらで、船をもっているのは、このミーヤ国ぐらいだからな」
「そうだな。船がなければ、大陸とは、貿易が出来ないからな。あの国も、まだ、持っていないしな」
「船を作るって、そんなに難しいのか?」
「さあ、海に浮くだけなら、俺だった、小さな船ぐらい作れる。でも、アストーリア大陸に行くには、海に浮くだけだは駄目なようだ」
「へぇ、そんな話、初めてだよ」
「船を作ってたって男から聞いたんだよ。その内容は秘密で、話すと殺されるってさ」
私達は、商業ギルドに向かった。この国に支店を作るためだ。でも、食べ過ぎで、眠いから、宿屋にもどって、寝てしまった。仕事は、また、明日だ。
「おい、テラ、この店を素通りするのか?」
「今日は、もう、肉は十分だよ。ねえ、スピア?」
「肉、まだ、食べる」
「ホラ、相棒が食べるって言ってるよ。食べて行きな」
「わかったよ。食べるよ。2本くれる?」
「ほいよ。1本、お負けしとくよ」
「ありがとう。スピア、2本食べる?」
「うん。2本、食べる」
スピアは、両手に串焼きを持って、嬉しそうだ。
「テラ、こっちも、寄っていきなよ」
「また、明日ね」
「今日の魚は、特別なんだよ。明日あるとは、限らないよ」
「本当?」
「テラに、嘘を言わないよ。だから、食べて行きな。それとも、持って帰るかい」
「持って帰るよ。今は、お腹一杯だから」
「ほら、包んであげたよ」
「ありがとう。この変わった魚は、何処の国の物なの?」
「アストーリア大陸から、運ばれてきた魚だよ。大型船で、1週間かかるらしい。
俺も、行ったことはない」
「そうなんだ。アストーリア大陸か。行ってみたいな」
「暇なら、行ってきな。それで、俺に、大陸の様子を話してくれ」
「そうね。行って来たら、いっぱい、話してあげるよ」
私達は、食後の運動がてら、港の方に歩いて行った。港に近づくにつれて、周りが倉庫だらけになって来た。倉庫の周りは、あまり、人が居ないみたい。ようやく、潮の匂いが漂ってきた。もうすぐ、海だ。
港には、大きな船に、ほとんど、荷物を積めない様な小さな船まで、色んな種類の船があった。
船の周りには、多くの人が荷物の積み下ろしをしていた。これは、相当な重労働だ。大きな男たちが汗を流しながら、荷物を運んでいた。
港は、ヤガータ国の都市デンロンにあった入江とは、全く異なっていた。私は、船が止めやすいように、海岸を垂直にして、岸壁に様にしたが、曲線のままだった。それに対して、ここの岸壁は、櫛の様になっていて、より多くの船が停泊できるように、工夫されていた。
それと、この櫛状の岸壁に行く途中に、門があり、そこで、荷物や人のチェックをしているようだ。係員が、書類を片手に確認をしている。どうも、冒険者IDでも、商業IDでもない、別のIDを使っているようだった。
「スピア、見ているだけでは、よく分からないね」
「うん。中に入る?」
「そうだね。中に入ろうか?」
私達は、隠密魔法で、姿を消した。随分前から、この魔法は匂い消しも同時に行うようにしてある。
私は、思念伝達で、スピアに連絡を取った。
「スピア、私を負んぶしてね」
「うん。いいよ」
「この方が、動きやすいでしょ」
「うん。どこでも行けるよ」
私達は、荷物の積み下ろしをしていた男たちの近くに行った。今は、休憩時間のようだ。飲み物を飲みながら、談笑している。
「俺は、今日は、この仕事で、上りだ」
「おぉ、いいな。一杯、やれるな」
「働いた後の酒は、格別だな」
「おまえ、ここ、長いんだろう」
「そうだな。そろそろ10年になるかな。あっという間だった」
「そうか、でも、お前ほど働いても、上の役には、付けないって、どういうことだ」
「仕方ないよ。役職は、最初から、決まっているからな。俺たちは、一生、今のままだ」
「いずれ、歳を取り働けなくなるぞ。それに、俺は、怪我が心配だ。ここで、怪我をしても、誰も相手をしてくらない。それどころか、放り出される」
「本当に、そうだな。ここでのケガや病気は、命とりだな」
「お前達は、まだ、若いから、別の仕事を考えた方がいいんじゃないか」
「俺たちも好きで、ここにいるんじゃないよ。俺は、字も読めないんだ。今から、勉強なんて、無理に決まっているさ」
私達は、荷下ろしの仕事をしている男達から離れて、書類を持っていた係員の近くに行った。
ここも、今は、休憩時間の様だ。ここでも、何か食べながら、話をしている。
「今日も、忙しいな」
「荷物が多すぎるんだよ。それに、最近、密輸があるって、俺たちを疑っている」
「おい、最近兵士が増えたと思わないか?」
「そういえば、増えたようだな。どこを見ても、兵士がたっているよな」
「あれって、なんだ?」
「どうも、アストーリア大陸からの密入国者がいるようだ」
「なぜ、密入国なんてするんだ?」
「そりゃ、アストーリアでの暮らしが大変だからだよ。あいつらは、奴隷みたいな扱いを受けているらしい」
「あいつら、リザードマンだろ。どこも、雇ってくれないぜ」
「そうだな。あの見た目で、皆怖がっているからな」
「それじゃ、密入国しても、だめじゃないか。生活出来やしない」
「いや、そうでもないんだ。傭兵として、雇っている国があるらしい」
「それって、ソーロン帝国か?」
「おい、バカなことを言うな。誰が、聞いているか、分からないぞ。俺は、お前の巻き添えはごめんだからな」
「俺も、いやだよ。あの国の名前を出すな」
「この国も関係しているって、噂だぜ」
「そうだろうな。ここらで、船をもっているのは、このミーヤ国ぐらいだからな」
「そうだな。船がなければ、大陸とは、貿易が出来ないからな。あの国も、まだ、持っていないしな」
「船を作るって、そんなに難しいのか?」
「さあ、海に浮くだけなら、俺だった、小さな船ぐらい作れる。でも、アストーリア大陸に行くには、海に浮くだけだは駄目なようだ」
「へぇ、そんな話、初めてだよ」
「船を作ってたって男から聞いたんだよ。その内容は秘密で、話すと殺されるってさ」
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