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 第18章 テラjr誕生編

1808.イーキ王国への商品開発

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 私は、転移魔法で、王宮の自分の部屋に移動した。そして、隣の部屋をノックした。

 「コン、コン。テラだよ」

 私は、ドアを開けて、部屋の中に入った。ガーベラは、書類に目を通している。
 
 私は、机の前に座っているガーベラの所に歩いて行った。

 「ガーベラ宰相、忙しそうだね。少しは、休んだらどう?」

 私は、両手をガーベラの両肩に乗せて、少し、揉んであげた。

 「ガーベラ、肩が凝っているよ。とても、硬いよ。やっぱり、仕事のやりすぎだよ」 

 「そうね。休みたいけど、仕事が山積みなの」

 「優秀な部下は、育ったの?」

 私は、揉むのを止めて、軽く叩くことにした。

 「まだなの。なかなか育たないね」

 「仕事を与えないと育たないよ」

 「そうかもしれないね。心配で、結局自分でやる羽目になっている」

 私は、椅子に座っているガーベラの首筋は、白くて、細い。私は、そっと、後ろから、首筋にキスをした。

 「ちょっと待ってよ。テラは、せっかち、なんだから」

 「分かった。少しだけ、待つよ」

 私は、そういいながら、もう一度、首筋にキスをした。

 今度は、ガーベラは、何も言わなかった。私は、長くストレートに伸ばした髪を撫でた。 

 ガーベラは、机の引き出しから、書類を出した。

 私は、ガーベラから、書類を受け取り、中身を確認した。下水道工事の進捗状況を書いたものだった。

 「ガーベラ、下水道の工事は、順調に進んでいるようだね」

 「もう、配管の部分は、完成したよ。後は、処理場を作るだけ。それは、テラに任せるよ」

 「それで、設計図はあるの?」

 「あるけど、肝心な部分は、カーリンに聞いてね。私が聞いても、よくわかんない」

 「わかった。後は、任せて」

 書類をアイテムボックスに入れて、カーベラを抱きしめた。カーベラのラベンダーの匂いが大好きだ。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 集められた汚水を処理する施設を作ることにした。場所は、港の近くだ。処理後の水を海に流すためだ。そして、処理の途中で得られる肥料は、輸出用に商品化した。
 
 イーキ王国は、農業が盛んなので、赤のポーションでは、売れ行きが芳しくなかった。そこで、農家のための肥料を開発した。これを、テラ・ワールドの商品として、売り出すことにした。

 汚水施設の運営は、カーベラに任せ、肥料の販売は、リンダに任せることにした。

 私は、城に戻って、スピアの部屋で、休むことにした。転移魔法で、城に移動し、スピアの部屋の大きなベッドに潜り込み、いつものように、スピアに抱き付いて、眠った。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
 朝になると、レイカが部屋の中に飛び込んで来た。

 「テラ、私、変なの」

 「どうしたの? いつものものが遅れているの」

 「それで、気分でも悪いの?」
 
 「そうじゃなくて、少し、不安なの。こんなことって、今までなかったの」

 「そういうことも、あるのじゃない? 疲れているとか」

 「私、疲れていないよ。テラ、私の身体を調べてくれる?」

 「わかった。ベッドで、横になってごらん」

 私は、レイカに言われたように、スキル鑑定で、レイカの健康状態を調べた。予想通りだった。極めて、順調だった。

 「レイカ、心配ないよ。病気には、なっていないよ。もし、そうであっても、僕が治すよ。だから、心配しないで、しっかり、食べるんだよ。もし、吐き気がしたら、すぐに、僕を呼んでね」

 「そう、病気じゃないのね。よかった。あれが来なかったら、どうしよって、思ってたの」

 「レイカは、何を心配しているの? なんでも、僕に言ってね」

 「これは、あの、出来たのかなって。いえ、そんなことあるはずないのに、だって、テラは、私といっしょでしょ」

 「何を心配しているのか、分からないけど。何も心配ないよ。ただ、周りの人が変に思うかもしれないから、相談は、僕だけにしてね。他の人には、話したらだめだよ」

 「うん。こんなこと、他の人には、話せないよ。変なことを噂されそうだから」

 「なんだい、変な事って、気になるよ。教えて」

 「こんなこと、テラにも、言えないよ。言ったら、嫌われる。そんなの嫌よ。本当に、わたし、何もしていないのよ」

 「どうしたの。落ち着いてよ」

 私は、レイカを抱きしめた。そして、背中を撫でてあげた。そのまま、ベッドに連れて行き、レイカを慰めてあげた。

 そろそろ、周りも気が付くかも、特にミューは、用心しないといけないな。

 レイカが、私のベッドで、眠ったのを確認して、私は、ミューの部屋に入っていった。

 「ミュー、ちょっと、来てくれる」

 「何かしら」

 ミューは、私の傍にやって来た。手刀で、首筋を叩いて、ミューを気絶させた。そして、抱きしめて、転移魔法で、テラ・ワールドの森の中の基地にやって来た。

 ここには、私直属の部下がいる。特別な仕事をして貰うために、育てている。そして、それは、誰にも言っていない。スピアにすら、内緒だ。

 「しばらく、ここで、監禁しておいてくれ」

 「はい、テラ様」

 私は、転移魔法で、城に戻った。そして、自分の部屋に入って、レイカの横に潜り込み、やさしく愛撫してあげた。これからは、もっと、いたわってやらないといけない。隠密魔法をアレンジして、今のままの姿にしか、見えないようにしよう。そして、それをレイカが気が付かないように、何時もしているネックレスや指輪に仕込んでおくことにした。

 後、7カ月ほどだ。慎重にことを運ばないといけない。レイカには、暗示をかけることにした。
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