錬金術師の召喚魔法 ゴーレム擬きで世界征服?

無似死可

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 第18章 テラjr誕生編

1811.テラの死亡

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 私が、城で、レイカの荷物をアイテムボックスに詰め込み、ミューの部屋でミューの荷物をアイテムボックスに詰め込んだときだ。

 ヤーロンが部屋に入って来た。 

 「テラ様、お客様です」

 「おかしいな。そんな予定はないよ」

 私は、下に降りて行った。すると、執事長のシュープルに声を掛けられた。

 「テラ様、急な来客です。予定には、入っていません」

 「誰だ、この城まで、わざわざやって来たのは」

 「実は、オーガネッチ様です。以前から、会わせろと言って来ていたようです。ガーベラ様が、断っていたようですが、今日は、押し掛けて来たようです」

 「まあ、いいよ。会うよ」

 私は、応接室で、オーガネッチに会うことにした。

 暫くして、執事長のシュープルがオーガネッチを連れて、部屋に入って来た。

 「これはこれは、テラ様。久しぶりです」

 「そうだね。まあ、座ってくれ」

 「失礼します。実は、ミューの事ですが、連絡が取れないのですが、何か、ご存じではないですか?」

 「ミューとオーガネッチとは、どのような関係があるのかな?」

 「いえ、色々と相談を聞いていた、知人です。色々と話を聞いていました」

 「そうか、それで、何を知りたい?」

 「どこに行かれたのか、教えて貰えませんか?」

 「確か、ミヤーコ王国に行っているはずだが、聞いていないか?」

 「あっ、左様でございますか。何か、買い物にでも出かけたのでしょう。分かりました」

 「それじゃ。私は、これで」

 「少し、お待ちください。お酒を持参したので、少し味見をして貰えませんか?」

 私は、執事長のシュープルに、グラスを持ってこさせた。

 「これは、ワインと言って、これまで、うまく醸造が出来なかったのですが、やっと、成功したものです。どうぞ、お召し上がりください。もし、よければ、テラ・ワールドの商品に加えて貰えれば、ありがたいのですが」

 オーガネッチは、箱からワインの瓶を出して、グラスに注いだ。

 私は、香りを確かめながら、一口飲むことにした。口の中で、香りが広がる。確かに、上等なワインだ。これなら、テラ・ワールドの商品として恥ずかしくない。

 「あっ、光が見える」

 私は、思わず声に出してしまった。小さな声なので、ワインの感想だと皆は勘違いしたようだ。そして、この光を見ているのは、私だけの様だ。

 私は、急いで、グラスのワインとワインボトルの中に毒を作った。国宝級の毒をたっぷり入れておいた。

 私は、光に吸い込まれ始めた。もう、私の時間はないのか。もう一度、ガーベラに会いたかった。

 まあ、いずれ会うから、我慢しよう。

 「うぅ、毒だ! 毒が入っている」

 私は、わざとらしい声を残して、光の輪に吸い込まれていった。オーガネッチには、感謝だな。

 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 私は、大好きなレイカのお腹の中に居た。しっかりと意識がある。生まれて来てから、転生魔法が効くと思っていたが、意識を持つのは、こんなに早いとは、思ってもいなかった。

 まだ、暫くは、この羊水の中で、過ごすのか。そうだ、思念伝達は、使えるかな。

 私は、スピアに思念伝達で連絡を取った。

 「スピア、テラだよ。もう、転生したよ」

 「テラ、聞こえにくい。マナ、少ない。すぐ行く」

 スピアは、2階のレイカのベッドの中に入って、レイカのお腹に耳を当てた。

 「スピア、どうしたの?」

 レイカは、少し驚いたが、私が言い聞かせていたから、スピアを自然に受け入れていた。

 「テラ、一緒。レイカ、スピアと行く」

 「どこへ行くの」

 「城へ行く。テラ、連れて行く」

 「わかったわ。服を着るから、少し、待ってね」

 『スピア、よく聞こえるよ。マナが少なくても、距離が近いと大丈夫だね。』

 『スピア、テラの傍にいる。このまま、城に行くよ。様子を見たいでしょ。』

 『ありがとう。頼むよ。それから、土人形テラのアイテムボックスをすべて、回収しておいてくれる?』

 『わかった。それじゃ行くよ。』

 レイカの用意が出来たようだった。スピアは、レイカを抱き上げて、転移魔法の神具で、城へ移動した。

 「これは、レイカ様、大変でございます。テラ様が、…」

 「テラがどうしたの? すぐに、会わせて」

 「こちらで、ございます」

 執事長のシュープルは、レイカとスピアを応接室に案内した。スピアは、素早く私の身体を抱き上げて、ソファに横たえた。そして、言われていたアイテムボックスをすべて回収した。

 遅れて、レイカが土人形テラを抱きしめた。

 「テラ、どうして、私を残して行ってしまうの。そうだ、治癒魔法だ」

 レイカは、土人形テラに、治癒魔法を何度も掛けた。だが、土人形テラは、何の反応もない。レイカは、諦めて、泣き崩れた。

 執事長のシュープルは、レイカに詳しく説明をした。だが、レイカの耳には、何も届かなかった。

 執事長のシュープルは、暫く、傍を離れて、葬儀の準備を始めた。

 まず、ガーベラ、リンダ、シルバに連絡を取った。リンダとシルバは、すぐに転移用の魔法陣で、移動してきた。

 2人とも、唖然としていた。レイカを囲んで、土人形テラを見ていた。シルバは、全く知らされていなかったので、パニクっていた。リンダは、少し、予期していたようで、今後の事を考えているようだった。

 遅れて、ガーベラが応接室の入って来た。執事長のシュープルは、事情をガーベラに説明した。ガーベラは、すぐに状況を理解した。

 「シュープル、オーガネッチは、どうなったの?」

 「今、国王が捌くそうで、王室に兵士連れていかれました。その時のグラスとワインの瓶も持っていきました」

 「そう、それで、医者は、手配したの?」

 「はい、既に、死亡確認は終わっています。それと、医師による手続きも終わっております」

 「葬儀は、準備できているの」

 「場所を決めて頂かないといけません。この城でもいいですが、どうなされます」

 ガーベラは、何か、考えごとをしていた。例の養子の話だ。今のままでは、テラの子供でなくなる。

 「少し、考えがあるので、葬儀の話と、テラの死亡の話は、伏せておいて」

 「はい、分かりました」

 ガーベラは、スピアを呼んだ。そして、何やら、相談をしている。後一月か、二月か、少し長いが、待つ方がいい。

 ガーベラは、急いで、王宮の自分の部屋に移動した。そして、ウェーリィ王に会って、テラが持ち直した。それ故、オーガネッチの審議は、待つように伝えた。

 オーガネッチは、テラの容態が安定するまで、牢屋で監禁することとなった。

 ガーベラは、また、転移用の魔法陣を使って、城に移動した。

 ガーベラは、皆に嘘をついた。国葬の準備が整うまで、テラの死亡は秘密にしないといけないと。

 これで、しばらく待とう。スピアが、赤子を連れてくるまで、用心しないといけない。
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