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第23章 カタリナの王位継承編

2308.第1皇子ルイ

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 第1皇子ルイの強みは、その肥沃な領地にある。広大な領地から得られる穀物は豊富で、価値の高いものだ。そのため、ルイは大きな権力を築くことが出来た。

 そして、その穀物の商取引により、商人の信頼も築いてきた。また、領地には、私兵が居り、武力としても、他の貴族の比ではなかった。

 私達は、第1皇子の強みを一つずつ潰していくことにした。まず、最初は、肥沃な土地から得られる穀物を0にすることだ。

 これは、簡単に行うことが出来た。それは、冷害を人工的に起こすことだ。私は、広範囲に霜を張る神具を20個作成した。これを直属の部下に持たせて、第1皇子の領地の穀物を冷害ですべて枯らした。

 これにより、商人は、テラ・ワールドの穀物を買うことになり、第1皇子から離れていった。

 次に、私兵の引き抜きを始めた。これまで、得られていた報酬の1.5倍を払うことで、大半の者をテラ・ワールドの私兵として雇った。

 そして、逃散を考えている農民を積極的に匿って、テラ・ワールドの一員にしていった。テラ・ワールドの本部付近の森の中までは、追いかけてくる兵士もいなかったので、そに人数は、日増しに多くなっていった。穀物が売れないので、生活するためには、お金が必要で、その資金をテラ・ワールドが融資という名目で、ばら撒いたのである。
 
 これで、第1皇子の領土は完全に崩壊した。そして、その情報を積極的に流すことにより、更に、その勢いを加速させた。

 一応の成果が得られたので、私は、転移魔法で、ミューのいる隠れ家に移動した。

 「ミュー、第1皇子の勢力は、もう心配する必要がなくなったよ」

 「それじゃ、次は、第2皇子ね。直ぐに取り掛かる?」

 「いや、そのまま、放っておこう。いずれ、自滅するだろう」

 「分かったわ。それじゃ、私は、暫く、遊んでいていいわね」

 「あぁ、好きにしていいよ。また、連絡するよ」

 私は、ミューの部屋を出て、隠密魔法で、姿を消した。そのまま、ショーバェの研究所に入っていき、至る所に、遠隔投影接続器テレビジョン・コネクタを取り付けて、研究内容が見えるようにした。

 それから、カタリナの居る城に転移魔法で、移動して、城の地下に研究施設を作った。それは、ショーバェの研究所にあったものと全く同じものにした。そして、以前から、働いている助手の1人を引き抜き、この新しい研究所で、研究させることにした。

 リンダがすでに、3人の助手をショーバェの研究所に派遣していたので、特に問題なく、引き抜くことが出きた。そして、この助手は、少し、倫理観念が欠如しているのを確認している。つまり、お金で、何でもやってくれるということだ。

 「それじゃ、ここで、しっかり、研究してくれ。ショーバェの研究所と同じ実験ができるように」

 私は、ショーバェの研究所の研究が見える様に、この新しい研究所に遠隔投影接続器テレビジョン・コネクタのモニターを設置した。更に、助手を5人雇い、研究に支障が出ないように、万全を期した。そして、監視用として、マリーを張り付けた。

 「マリー、研究に進展があれば、直ぐに連絡をするように。いいか」

 「はい、わかりました」

 「それから、侵入者があれば、直ちに殺すように。わかっているね」

 「はい、大丈夫です。できれば、もう2人、寄越してくれませんか?」

 「分かった。だが、カモミールとダリアは、だめだよ。新人を使ってくれ」

 「分かりました」

 私は、マリーに後の事を任せて、テラjrに会いに、城に転移魔法で、移動した。

 「こんにちわ。ムーンです」

 「あら、ムーン、いい所に来たわね。テラjrが、もう、話をするのよ」

 「凄いですね。少し、早くないですか?」
 
 「テラjrは、天才なのよ。当然でしょ」

 「そうですね」

 私は、思念伝達で、テラjrと連絡を取った。気が付くと、スピアが私の後ろから、腰に手を回して、抱き付いていた。相変わらず、スピアは、素早い。速さでは、勝てない。

 「テラjr、少し、成長が早すぎるのでは?」

 「仕方ないだろう。退屈なんだよ。だから、これからは、成長が早くなるよ。も少ししたら、歩くからね」

 「参ったなぁ。それなら、新しい身体でも、作ってしまう? それなら、違和感がないだろう?」

 「そうだね。でも、この生身の身体が気に入っているよ。だから、出来る限り、この身体で、成長したいね」

 「わかったよ。それじゃ、また、合体しておく?」

 「そうだね。1月経ったからね」

 私達は、こっそりと、合体して、また、別々の身体に分かれた。そして、久しぶりにスピアのモフモフを堪能することにした。リンダも猫耳族なので、モフモフだけど、スピアとは、全く違っていた。

 「スピア、今の生活で、満足している?」

 「うん。満足しているよ。テラjrの世話は好きだよ。でも、ムーンにもっと、愛して欲しい」

 「わかったよ。できるだけ、来るようにするね」

 「うん、嬉しい」

 私達は、レイカに見つからないように、城の地下室で、ゆっくりと、休憩を取った。

 「ムーンが来ると、スピアは、いなくなるね。何しているんだろう?」

 レイカは、不思議に思ったが、テラjrの世話で、他の事は、どうでも良いみたいだ。気にしていないようだ。
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