錬金術師の召喚魔法 ゴーレム擬きで世界征服?

無似死可

文字の大きさ
199 / 270
 第23章 カタリナの王位継承編

2308.第1皇子ルイ

しおりを挟む
 第1皇子ルイの強みは、その肥沃な領地にある。広大な領地から得られる穀物は豊富で、価値の高いものだ。そのため、ルイは大きな権力を築くことが出来た。

 そして、その穀物の商取引により、商人の信頼も築いてきた。また、領地には、私兵が居り、武力としても、他の貴族の比ではなかった。

 私達は、第1皇子の強みを一つずつ潰していくことにした。まず、最初は、肥沃な土地から得られる穀物を0にすることだ。

 これは、簡単に行うことが出来た。それは、冷害を人工的に起こすことだ。私は、広範囲に霜を張る神具を20個作成した。これを直属の部下に持たせて、第1皇子の領地の穀物を冷害ですべて枯らした。

 これにより、商人は、テラ・ワールドの穀物を買うことになり、第1皇子から離れていった。

 次に、私兵の引き抜きを始めた。これまで、得られていた報酬の1.5倍を払うことで、大半の者をテラ・ワールドの私兵として雇った。

 そして、逃散を考えている農民を積極的に匿って、テラ・ワールドの一員にしていった。テラ・ワールドの本部付近の森の中までは、追いかけてくる兵士もいなかったので、そに人数は、日増しに多くなっていった。穀物が売れないので、生活するためには、お金が必要で、その資金をテラ・ワールドが融資という名目で、ばら撒いたのである。
 
 これで、第1皇子の領土は完全に崩壊した。そして、その情報を積極的に流すことにより、更に、その勢いを加速させた。

 一応の成果が得られたので、私は、転移魔法で、ミューのいる隠れ家に移動した。

 「ミュー、第1皇子の勢力は、もう心配する必要がなくなったよ」

 「それじゃ、次は、第2皇子ね。直ぐに取り掛かる?」

 「いや、そのまま、放っておこう。いずれ、自滅するだろう」

 「分かったわ。それじゃ、私は、暫く、遊んでいていいわね」

 「あぁ、好きにしていいよ。また、連絡するよ」

 私は、ミューの部屋を出て、隠密魔法で、姿を消した。そのまま、ショーバェの研究所に入っていき、至る所に、遠隔投影接続器テレビジョン・コネクタを取り付けて、研究内容が見えるようにした。

 それから、カタリナの居る城に転移魔法で、移動して、城の地下に研究施設を作った。それは、ショーバェの研究所にあったものと全く同じものにした。そして、以前から、働いている助手の1人を引き抜き、この新しい研究所で、研究させることにした。

 リンダがすでに、3人の助手をショーバェの研究所に派遣していたので、特に問題なく、引き抜くことが出きた。そして、この助手は、少し、倫理観念が欠如しているのを確認している。つまり、お金で、何でもやってくれるということだ。

 「それじゃ、ここで、しっかり、研究してくれ。ショーバェの研究所と同じ実験ができるように」

 私は、ショーバェの研究所の研究が見える様に、この新しい研究所に遠隔投影接続器テレビジョン・コネクタのモニターを設置した。更に、助手を5人雇い、研究に支障が出ないように、万全を期した。そして、監視用として、マリーを張り付けた。

 「マリー、研究に進展があれば、直ぐに連絡をするように。いいか」

 「はい、わかりました」

 「それから、侵入者があれば、直ちに殺すように。わかっているね」

 「はい、大丈夫です。できれば、もう2人、寄越してくれませんか?」

 「分かった。だが、カモミールとダリアは、だめだよ。新人を使ってくれ」

 「分かりました」

 私は、マリーに後の事を任せて、テラjrに会いに、城に転移魔法で、移動した。

 「こんにちわ。ムーンです」

 「あら、ムーン、いい所に来たわね。テラjrが、もう、話をするのよ」

 「凄いですね。少し、早くないですか?」
 
 「テラjrは、天才なのよ。当然でしょ」

 「そうですね」

 私は、思念伝達で、テラjrと連絡を取った。気が付くと、スピアが私の後ろから、腰に手を回して、抱き付いていた。相変わらず、スピアは、素早い。速さでは、勝てない。

 「テラjr、少し、成長が早すぎるのでは?」

 「仕方ないだろう。退屈なんだよ。だから、これからは、成長が早くなるよ。も少ししたら、歩くからね」

 「参ったなぁ。それなら、新しい身体でも、作ってしまう? それなら、違和感がないだろう?」

 「そうだね。でも、この生身の身体が気に入っているよ。だから、出来る限り、この身体で、成長したいね」

 「わかったよ。それじゃ、また、合体しておく?」

 「そうだね。1月経ったからね」

 私達は、こっそりと、合体して、また、別々の身体に分かれた。そして、久しぶりにスピアのモフモフを堪能することにした。リンダも猫耳族なので、モフモフだけど、スピアとは、全く違っていた。

 「スピア、今の生活で、満足している?」

 「うん。満足しているよ。テラjrの世話は好きだよ。でも、ムーンにもっと、愛して欲しい」

 「わかったよ。できるだけ、来るようにするね」

 「うん、嬉しい」

 私達は、レイカに見つからないように、城の地下室で、ゆっくりと、休憩を取った。

 「ムーンが来ると、スピアは、いなくなるね。何しているんだろう?」

 レイカは、不思議に思ったが、テラjrの世話で、他の事は、どうでも良いみたいだ。気にしていないようだ。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

氷弾の魔術師

カタナヅキ
ファンタジー
――上級魔法なんか必要ない、下級魔法一つだけで魔導士を目指す少年の物語―― 平民でありながら魔法が扱う才能がある事が判明した少年「コオリ」は魔法学園に入学する事が決まった。彼の国では魔法の適性がある人間は魔法学園に入学する決まりがあり、急遽コオリは魔法学園が存在する王都へ向かう事になった。しかし、王都に辿り着く前に彼は自分と同世代の魔術師と比べて圧倒的に魔力量が少ない事が発覚した。 しかし、魔力が少ないからこそ利点がある事を知ったコオリは決意した。他の者は一日でも早く上級魔法の習得に励む中、コオリは自分が扱える下級魔法だけを極め、一流の魔術師の証である「魔導士」の称号を得る事を誓う。そして他の魔術師は少年が強くなる事で気づかされていく。魔力が少ないというのは欠点とは限らず、むしろ優れた才能になり得る事を―― ※旧作「下級魔導士と呼ばれた少年」のリメイクとなりますが、設定と物語の内容が大きく変わります。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

異世界に迷い込んだ盾職おっさんは『使えない』といわれ町ぐるみで追放されましたが、現在女の子の保護者になってます。

古嶺こいし
ファンタジー
異世界に神隠しに遭い、そのまま10年以上過ごした主人公、北城辰也はある日突然パーティーメンバーから『盾しか能がないおっさんは使えない』という理由で突然解雇されてしまう。勝手に冒険者資格も剥奪され、しかも家まで壊されて居場所を完全に失ってしまった。 頼りもない孤独な主人公はこれからどうしようと海辺で黄昏ていると、海に女の子が浮かんでいるのを発見する。 「うおおおおお!!??」 慌てて救助したことによって、北城辰也の物語が幕を開けたのだった。 基本出来上がり投稿となります!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...