水面の星

白詰えめ

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買い物

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「ご飯、リクエストある?」
 あすかは、洗濯物を干している翔に問いかけた。翔は洋服をパタパタしながら「うーん」と言っている。
「特にない?」
「いやいや!その逆!」
 翔は焦るようにそう言った。そして、考え込むように洗濯物を干す手をとめた。
「カレーも好きだしシチューも好きだし、天ぷらとかも好きで、冷やし中華も好きだな。あとは、ラザニアとかも好きで…」
「ちょっと待って、多すぎない?」
 予想外の答えに、笑ってしまった。翔はまだ考えこんでいる。
「決めきれねえ!」
 そう困ったように言って、また洗濯物を干し始めた。その間に、あすかも少し考えてみることにした。翔と一緒にできる料理なんかも楽しそうだと思った。でも、翔ってどれくらい料理できるんだろう。翔には悪いが、あまり期待していない。
「餃子とか、たこ焼きとかは?」
 試しに、一緒に出来そうなのを提案してみる。
「あり!」
 翔は、あすかの方へ振り返って名案だと言わんばかりに、深く頷いた。
「あ、でも。あすかの手料理っぽい手料理も食べたい」
 言いたいことはなんとなくわかるが、よくわからない事を言っている。
「えっと、完全に僕が作った料理が食べたいってこと?」
「それ!」
 翔は無邪気な声で言った。
「わかったよ」
 ここまで喜んでくれると作り甲斐がある。人のために作るってこんなに楽しいんだと思い知らされる。
「よっしゃ!終わり!買い物行こ」
 翔は、からになったカゴを手に持ちそう言った。あすかも頷き椅子から立ち上がった。


 クーラーの効いた部屋にいたからか、外はすごく暑く感じる。
「暑いな~」
 翔は手でパタパタとあおいでいる。あすかも真似してやってみるが、全然風が来ない。
「ハンディファンとか持ってくればよかった」
「わかる」
 でも、翔と歩くのは楽しかった。スーパーが見えてきた。
「もうすぐだね」
「そうだな」
 二人で顔を見合わせて、スーパーまで走った。

「えっと、何買うんだっけ?」
 スーパーに入ると、翔が言った。
「えっと、ちょっと待ってね」
 あすかはそう言ってスマホを出した。そして、コピーしておいた餃子のレシピを見る。
「これかな」
 そう言って、翔に画面を見せた。翔は、「おっけー」と言って歩き出した。
「ついてきてよ」
 あすかは、カゴをとって翔についていった。
「これと、これでしょ」
 翔はどんどん材料をカゴに入れていく。あすかは、ついていくので精一杯だった。
「これで全部かな?」
 翔はカゴを見ながらそう言った。
「そうだね」
 あすかも確認して頷いた。あとは、家に帰って作るだけだ。
「お菓子も買っていこーぜ」
 翔はそう言ってお菓子コーナーへと進んでいった。あすかも見失わないようについていった。材料とお菓子でレジ袋二袋分になった。一袋ずつ持って、家に帰ることにした。
「なんか、こういうのも楽しいね」
 あすかが言った。
「そうだな」
 そういう翔も同じことを思っていた。
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