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第十章
しおりを挟む第十章:聖殿の試練
リリィとアレン、そして忠実な仲間たちは、星の聖殿への道を進んでいた。険しい山道を越え、深い森を抜け、次第に自然の音が遠ざかり、静寂が支配する場所へと足を踏み入れた。風が冷たく、空気はどこかひんやりとしている。全身に不安が走る中、リリィはその冷たい空気に身を委ねながら、心の中で自分に言い聞かせた。
「私はこの道を選んだ。どんな試練が待っていようと、私は立ち向かう。」
「リリィ、前を見て。」アレンが突然、低い声で呼びかけた。
リリィは顔を上げ、前方に目を凝らした。彼女が見たのは、広大な崖の上に立つ巨大な門だった。その門は古びており、まるで時を越えて今なお聖なる力を宿しているかのように、神秘的な光を放っていた。門の前には、浮かぶように輝く星が何個も並び、まるで道を導いているかのようだった。
「これが星の聖殿への入り口だ。」アレンは静かに言った。「だが、この門をくぐるためには、君がその試練を受ける必要がある。」
リリィは頷き、足を進めた。門に近づくと、空気が一変し、周囲の景色が歪み始めた。霧が立ち込め、視界がぼんやりと霞んだ。突然、目の前に幻のような影が現れた。それはリリィの過去の姿、過去の苦しみを象徴するものだった。
「リリィ…お前は過去の自分を忘れたのか?」その影は低い声で問いかけた。
リリィは一瞬立ち止まり、その声に耳を傾けた。それは、自分がかつて恐れていた自分自身の姿だった。過去に感じた孤独や恐れ、無力さが具現化したようなその姿。
「過去の自分に立ち向かわなければ、先に進むことはできません。」アレンの声が背後から響いた。「リリィ、君の力は恐れを超える力だ。」
その言葉に励まされたリリィは、深く息を吸い込んだ。過去を振り返り、そこにあった恐れや迷いを胸に感じながらも、彼女はその全てを乗り越える覚悟を決めた。過去の自分に言い放った。
「私はもう、あの頃の私ではない。」
その瞬間、幻の影が消え失せ、空気が再び澄み渡った。リリィは深く息を吐き、前に進んだ。すると、聖殿の巨大な扉がゆっくりと開き、光が溢れ出してきた。
「試練を乗り越えた。」アレンがしみじみと呟いた。
リリィはそのまま足を踏み入れると、聖殿の内部が広がっていった。そこには、天井が高く、無数の星々が輝くような空間が広がっていた。床には古代の模様が刻まれ、壁には神々しい光が放たれている。中心には、巨大な石の台座があり、その上に神秘的な光を放つ宝石のような物体が浮かんでいた。
「これが、星の力の源…」リリィはその光景を見つめ、心から驚嘆した。
「その宝石に触れれば、君の力はさらに強大なものとなるだろう。」アレンが説明した。「だが、注意しなければならない。この場所には、星の力を試す試練がまだ残っている。」
リリィはその言葉に警戒しながらも、一歩一歩台座に向かって進んでいった。突然、床が揺れ、空間が歪み始めた。星々の光が一斉に暗くなり、聖殿内の温度が一気に下がった。
「試練の一つだ。」アレンの声が響いた。「リリィ、君は自分の力を信じなければならない。」
その瞬間、聖殿の周囲から無数の光の矢がリリィに向かって放たれた。それは速く、鋭く、まるで彼女を試すかのように迫ってきた。リリィは瞬時に反応し、星の力を解き放とうとした。しかし、どんな力も完全には矢を止めることができなかった。
「リリィ、今だ!」アレンの声が響いた。
リリィは意を決して、手を広げ、全身に星の力を集めた。すると、彼女の体を包む光が一気に爆発し、光の壁となって矢を全て打ち消した。その力の波動は聖殿を揺るがすほどのもので、壁に刻まれた古代の模様が輝き出した。
矢が完全に消え去った後、リリィは息を切らしながらも、星の力をうまく使いこなした自分に少しだけ安堵した。「これで、次は…?」
「次は、心の力だ。」アレンは答えた。「本当の試練は、自分を信じる心にある。君の内に眠る星の力を引き出すには、君がどれほど心からこの力を受け入れ、信じることができるかだ。」
その言葉を受けて、リリィは深く瞑想を始めた。星の力が自分の中に流れ込む感覚を感じ、リリィはその力を完全に受け入れる決意を固めた。
時間が経つ中、ついにリリィはその力を完全に制御することができた。そして、聖殿の中央に浮かんでいた宝石が、彼女の手のひらに吸い寄せられるように輝きながら落ちてきた。
「これが、私の力。」リリィはその宝石を手に取った。それは、星の光そのものであり、彼女の力の象徴であった。
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