星の王国〜星が導く未来、心がつなぐ王国〜

小世 真矢

文字の大きさ
8 / 16

第八章 第九章

しおりを挟む

第八章:新たな希望と試練の先に

闇の王を倒した後、王宮の中には静けさが広がっていた。リリィの胸に響くのは、達成感と共に湧き上がる新たな責任感だった。彼女は目を閉じ、深く息を吸い込むと、心を落ち着けようとした。その力を使い果たしたわけではないが、戦いの余波が体力を奪っているのを感じていた。

アレンがゆっくりと歩み寄り、彼女の隣に立った。「よくやった、リリィ。だが、闇の王を倒したことだけでは、王国の未来は保証されない。」彼の声は真剣そのもので、言葉に重みがあった。

「わかっています。」リリィは静かに答えた。「でも、少なくともこの闇は消えました。これからどうすれば、王国が本当に平和になるのか…それを考えなければならない。」

アレンは頷き、しばらく黙ってから言った。「今、この王国には新たな試練が待っている。闇の王を倒したことで、他の暗黒勢力が動き出すかもしれない。彼の力の源が絶えたわけではない。誰かがその力を引き継ぐ可能性もある。」

その言葉に、リリィは不安そうにアレンを見つめた。「でも、それをどうやって防げばいいのでしょうか?」

「まず、君の力を完全に理解し、制御できるようにすることだ。」アレンはそう言って、遠くを見つめながら続けた。「君が星の力を使いこなせるようになれば、暗黒勢力の動きを察知したり、再び力を悪用しようとする者たちに立ち向かうことができる。」

リリィは一瞬黙った後、強い意志を見せた。「わかりました。私の力を使いこなせるようになれば、もっと王国を守れる。そして、もう二度とこのような闇が戻らないようにする。」

その時、王宮の大広間に、ひとりの老臣が歩み寄ってきた。彼の顔は年老いていたが、その目には冷静さと知恵が宿っている。「リリィ王女様、王国の未来を考える上で、どうしても訪れなければならない場所があります。」彼は、アレンとリリィを見つめて言った。

「どこですか?」リリィは尋ねた。

「『星の聖殿』。」老臣は一言で答えた。

「星の聖殿?」アレンが驚いたように言った。「それは…伝説の場所ではないか。王国の守護神、星の精霊が宿ると言われている。あそこには、真の力が眠っているとも。」

「そうです。」老臣は頷いた。「星の聖殿に足を踏み入れることができれば、リリィ王女様が持つ力をさらに引き出すことができるでしょう。しかし、そこに到達するには、多くの試練を乗り越えなければなりません。」

リリィはその話を真剣に聞き、心の中で決意を固めた。「私は行きます。私の力をもっと強くして、王国を守るために。」

「だが、覚悟を決めておくべきだ。」アレンが警告するように言った。「星の聖殿に至る道は、決して容易ではない。その道の途中には、数多くの幻覚や恐怖が待ち受けているという。過去の失敗者たちがその道を歩んだとき、恐ろしい結末を迎えたとも言われている。」

「それでも、私は行く。」リリィは力強く答えた。「もし、私がそこで得られる力が王国を守るために必要なものであれば、私はどんな試練も乗り越える覚悟があります。」

老臣は静かにリリィを見つめ、深く頷いた。「それでは、準備を整えましょう。星の聖殿への道は遠く険しい。しかし、星の力を手に入れるためには、その道を歩まねばならない。」



第九章:聖殿への道

翌日、王宮の門をくぐり、リリィとアレン、そして数名の忠実な仲間たちは、星の聖殿への旅路を始めた。道中は険しく、山岳地帯を越え、深い森を抜け、絶え間ない危険が彼らを試すことになるだろう。

「星の聖殿は、王国の最も遥かなる場所にあります。」アレンが前を歩きながら説明した。「その場所は、古代の人々によって封印されており、聖なる光に満ちた場所として伝えられています。だが、封印の力を解くためには、真の力を証明しなければならない。」

リリィはその言葉にうなずきながら、足を進めた。周囲の風景は次第に荒涼としたものになり、自然の息吹すら感じられないような場所へと変わっていった。彼女は心の中で、王国を守るための決意を新たにした。

「私たちが向かっている先には、まだ見ぬ試練が待っているのでしょう。」リリィがつぶやくと、アレンはしばらく無言で歩き、そして静かに答えた。

「その通りだ。しかし、君がこれまでに歩んできた道を思えば、どんな試練も乗り越えられるだろう。」アレンは優しく微笑んだ。

そうして、リリィたちの冒険は続いていった。星の聖殿の扉を開けるための試練が待っている。そして、その先に待ち受ける真の力とは一体何なのか。リリィの運命は、まだ終わりを迎えようとはしていなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから

渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。 朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。 「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」 「いや、理不尽!」 初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。 「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」 ※※※ 専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり) ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

魔法使いとして頑張りますわ!

まるねこ
恋愛
母が亡くなってすぐに伯爵家へと来た愛人とその娘。 そこからは家族ごっこの毎日。 私が継ぐはずだった伯爵家。 花畑の住人の義妹が私の婚約者と仲良くなってしまったし、もういいよね? これからは母方の方で養女となり、魔法使いとなるよう頑張っていきますわ。 2025年に改編しました。 いつも通り、ふんわり設定です。 ブックマークに入れて頂けると私のテンションが成層圏を超えて月まで行ける気がします。m(._.)m Copyright©︎2020-まるねこ

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

あの素晴らしい愛をもう一度

仏白目
恋愛
伯爵夫人セレス・クリスティアーノは 33歳、愛する夫ジャレッド・クリスティアーノ伯爵との間には、可愛い子供が2人いる。 家同士のつながりで婚約した2人だが 婚約期間にはお互いに惹かれあい 好きだ!  私も大好き〜! 僕はもっと大好きだ! 私だって〜! と人前でいちゃつく姿は有名であった そんな情熱をもち結婚した2人は子宝にもめぐまれ爵位も継承し順風満帆であった はず・・・ このお話は、作者の自分勝手な世界観でのフィクションです。 あしからず!

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...