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第八章 第九章
しおりを挟む第八章:新たな希望と試練の先に
闇の王を倒した後、王宮の中には静けさが広がっていた。リリィの胸に響くのは、達成感と共に湧き上がる新たな責任感だった。彼女は目を閉じ、深く息を吸い込むと、心を落ち着けようとした。その力を使い果たしたわけではないが、戦いの余波が体力を奪っているのを感じていた。
アレンがゆっくりと歩み寄り、彼女の隣に立った。「よくやった、リリィ。だが、闇の王を倒したことだけでは、王国の未来は保証されない。」彼の声は真剣そのもので、言葉に重みがあった。
「わかっています。」リリィは静かに答えた。「でも、少なくともこの闇は消えました。これからどうすれば、王国が本当に平和になるのか…それを考えなければならない。」
アレンは頷き、しばらく黙ってから言った。「今、この王国には新たな試練が待っている。闇の王を倒したことで、他の暗黒勢力が動き出すかもしれない。彼の力の源が絶えたわけではない。誰かがその力を引き継ぐ可能性もある。」
その言葉に、リリィは不安そうにアレンを見つめた。「でも、それをどうやって防げばいいのでしょうか?」
「まず、君の力を完全に理解し、制御できるようにすることだ。」アレンはそう言って、遠くを見つめながら続けた。「君が星の力を使いこなせるようになれば、暗黒勢力の動きを察知したり、再び力を悪用しようとする者たちに立ち向かうことができる。」
リリィは一瞬黙った後、強い意志を見せた。「わかりました。私の力を使いこなせるようになれば、もっと王国を守れる。そして、もう二度とこのような闇が戻らないようにする。」
その時、王宮の大広間に、ひとりの老臣が歩み寄ってきた。彼の顔は年老いていたが、その目には冷静さと知恵が宿っている。「リリィ王女様、王国の未来を考える上で、どうしても訪れなければならない場所があります。」彼は、アレンとリリィを見つめて言った。
「どこですか?」リリィは尋ねた。
「『星の聖殿』。」老臣は一言で答えた。
「星の聖殿?」アレンが驚いたように言った。「それは…伝説の場所ではないか。王国の守護神、星の精霊が宿ると言われている。あそこには、真の力が眠っているとも。」
「そうです。」老臣は頷いた。「星の聖殿に足を踏み入れることができれば、リリィ王女様が持つ力をさらに引き出すことができるでしょう。しかし、そこに到達するには、多くの試練を乗り越えなければなりません。」
リリィはその話を真剣に聞き、心の中で決意を固めた。「私は行きます。私の力をもっと強くして、王国を守るために。」
「だが、覚悟を決めておくべきだ。」アレンが警告するように言った。「星の聖殿に至る道は、決して容易ではない。その道の途中には、数多くの幻覚や恐怖が待ち受けているという。過去の失敗者たちがその道を歩んだとき、恐ろしい結末を迎えたとも言われている。」
「それでも、私は行く。」リリィは力強く答えた。「もし、私がそこで得られる力が王国を守るために必要なものであれば、私はどんな試練も乗り越える覚悟があります。」
老臣は静かにリリィを見つめ、深く頷いた。「それでは、準備を整えましょう。星の聖殿への道は遠く険しい。しかし、星の力を手に入れるためには、その道を歩まねばならない。」
⸻
第九章:聖殿への道
翌日、王宮の門をくぐり、リリィとアレン、そして数名の忠実な仲間たちは、星の聖殿への旅路を始めた。道中は険しく、山岳地帯を越え、深い森を抜け、絶え間ない危険が彼らを試すことになるだろう。
「星の聖殿は、王国の最も遥かなる場所にあります。」アレンが前を歩きながら説明した。「その場所は、古代の人々によって封印されており、聖なる光に満ちた場所として伝えられています。だが、封印の力を解くためには、真の力を証明しなければならない。」
リリィはその言葉にうなずきながら、足を進めた。周囲の風景は次第に荒涼としたものになり、自然の息吹すら感じられないような場所へと変わっていった。彼女は心の中で、王国を守るための決意を新たにした。
「私たちが向かっている先には、まだ見ぬ試練が待っているのでしょう。」リリィがつぶやくと、アレンはしばらく無言で歩き、そして静かに答えた。
「その通りだ。しかし、君がこれまでに歩んできた道を思えば、どんな試練も乗り越えられるだろう。」アレンは優しく微笑んだ。
そうして、リリィたちの冒険は続いていった。星の聖殿の扉を開けるための試練が待っている。そして、その先に待ち受ける真の力とは一体何なのか。リリィの運命は、まだ終わりを迎えようとはしていなかった。
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