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第十五章
しおりを挟む第十五章:闇との邂逅
闇の魔法の使い手が現れたその瞬間、リリィの心は一瞬で冷徹になった。彼女の胸には星の力が鼓動のように響き、その輝きは周囲の暗闇を照らし出す。しかし、それと同時に感じる危険な気配、そして目の前の人物が放つ圧倒的な力が、リリィを包み込む。
黒いローブの人物は、リリィの目の前に立ち、冷たく笑みを浮かべていた。「星の力を持つ者よ…。お前がこの王国を守ろうとする限り、私は必ずお前を倒し、王国を闇に包んでやる。」
その声は低く、どこか不気味で、リリィの心に重く響く。彼女はその言葉を冷静に受け止め、星の力を集めながらも、冷徹に問いかけた。「あなたは一体、何者ですか?」
黒いローブの人物は無言で、ただゆっくりとリリィに歩み寄った。その足元から、闇のエネルギーがじわじわと広がり、周囲の風景を歪ませていく。彼の存在そのものが、まるで闇そのものであるかのように感じられた。
「私は、かつてこの地に暗黒の力をもたらした者の血を引いている。」彼はようやく口を開き、冷徹に続けた。「私の名前はアストリウス。闇の王朝の最後の血を継ぐ者だ。」
「アストリウス…。」リリィはその名前を心に刻み込みながら、戦いの準備を整えた。彼の力は計り知れないだろう。しかし、リリィには星の力がある。彼女はその力を使いこなすことで、どんな敵にも立ち向かう覚悟を決めていた。
「暗黒の王朝の血を引く者が、なぜ今になって現れたのですか?」リリィは冷静に尋ねた。
アストリウスは薄く笑みを浮かべた。「闇の力は決して消えることはない。王国が栄えれば栄えるほど、その影が強くなる。そして、私がその力を再び解き放つことで、王国を支配し、この地を永遠に闇で覆ってやるのだ。」
その言葉に、リリィは怒りを感じた。暗黒の力を持つ者が再び現れ、王国を支配しようとする。そんなことは絶対に許さない。彼女は星の力をその体中に集め、心の中で決意を固めた。
「あなたがどれほど強力でも、私はこの王国を守る。」リリィは力強く言い放ち、その手から星の光を放った。
アストリウスはその光をひとひらも怖れることなく、手を伸ばして闇の力を操った。闇の魔法が星の光を飲み込み、互いの力がぶつかり合う瞬間、空気が震え、周囲の木々や岩が揺れ動いた。
リリィは必死に星の力を高め、そのエネルギーを集中させた。彼女の目は、ただ前方のアストリウスにしか向いていない。闇の力に飲み込まれぬように、彼女は全力で星の光を放ち続けた。
「星の力だけでは足りない。」アストリウスは冷ややかに言った。彼の体から放たれる闇のエネルギーがますます強くなり、周囲の空間をねじ曲げていった。リリィの星の力も、それに引き寄せられるようにわずかに揺らぐ。
しかし、リリィはその瞬間、あることを思い出した。アストリウスの力は強大だが、彼が望むのはただの支配だけではなく、この王国の命そのものを奪い、闇の王朝を復活させることだ。そして、リリィにはそれに対抗する力があった。
「アレン!」リリィは叫び、振り返った。
アレンはすでに戦いの準備を整えていた。「リリィ、君を守る。僕も戦うよ!」
リリィはアレンの存在を感じ、その力強さに安心感を覚えた。「一緒に戦おう、アレン!私たちの力を合わせて、この闇を打破する!」
アレンはリリィの隣に立ち、剣を構えた。「任せてくれ。」
リリィとアレンは、再び一緒に立ち向かう決意を固め、二人の力を一つにした。リリィは星の力を、アレンは剣の力を最大限に引き出し、アストリウスの闇の力に立ち向かっていった。
アストリウスは二人の連携を見て、一瞬だけ驚いたが、すぐにその目に冷徹な輝きを宿らせた。「そうか、二人の力を合わせるのか。しかし、それがどうした?闇の力は、どんな力にも勝る。」
アストリウスはさらに強力な闇の力を解放し、周囲の空間が歪み、リリィとアレンを飲み込もうとした。しかし、リリィはその闇の中でも星の力を振り絞り、アレンの剣が闇の中を切り裂くように光を放った。
その瞬間、リリィは心の中で星の力を完全に解放した。闇の力と星の力が激しく衝突し、空気が爆発するような音を立てて広がった。
そして、暗闇の中でリリィの声が響いた。「私は、王国を守り抜く。」
その言葉と共に、星の光が闇を打ち破り、アストリウスの闇の力は一瞬で消え去った。彼は力尽き、地面に倒れ込む。
リリィは息を切らしながらも、アレンを見つめ、微笑んだ。「やったわ、アレン。」
アレンもその顔に安堵の表情を浮かべながら、言った。「リリィ、君がいなければ、勝てなかった。」
しかし、リリィはその言葉に静かに答えた。「私たちが一緒だったからこそ、この王国を守ることができたのよ。」
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