星の王国〜星が導く未来、心がつなぐ王国〜

小世 真矢

文字の大きさ
15 / 16

第十六章

しおりを挟む

第十六章:王国の未来

アストリウスとの壮絶な戦いが終わった後、リリィとアレンは王国の北部から王宮へと戻ってきた。闇の力を打ち破ったことにより、王国の民は再び希望を取り戻し、平和を感じることができた。しかし、リリィの心の中にはまだ消えない疑念があった。

「リリィ、無事で本当に良かった。」アレンが言ったその言葉には、心からの安心が込められていた。

「ありがとう、アレン。」リリィは微笑んだが、その表情には深い思索の色が浮かんでいた。「でも、私にはまだやらなければならないことがある。」

「やらなければならないこと?」アレンは少し驚いたようにリリィを見つめた。「何か心配なことがあるのか?」

リリィはしばらく沈黙し、王宮の中庭に広がる星空を見上げながら答えた。「私は星の力を持っている。王国を守るためにはその力を使わなければならない。しかし、星の力は無限ではないし、私の力もいつか限界を迎えるかもしれない。それに、私は一体、どのように王国を導けばいいのか、まだ分からない。」

アレンはリリィの肩に手を置き、その目をしっかりと見つめた。「リリィ、君がこの王国を守り続けることができる理由は、力だけじゃない。君の心、君の決意、そして君が大切にしているものが王国の未来を支えているんだ。力に頼るだけでは、どんな王国も続かない。君がどう進むか、それが一番大切だと思う。」

リリィはその言葉に深く頷き、アレンに感謝の気持ちを込めて微笑んだ。「ありがとう、アレン。私、もう一度考えてみる。私が本当に守りたいもの、そしてこれからどのように歩むべきか。」

その夜、王宮の寝室でリリィは一人静かに目を閉じ、心の中で新たな決意を固めようとしていた。星の力を使うことができる自分が、この王国を支えていく責任を持っていることを感じる。しかし、それだけでは王国を築くことはできない。王国が繁栄するためには、民の力を引き出し、共に手を取り合うことが不可欠だと、彼女は心から悟った。

「力だけでは、何も変わらない…。」リリィは静かに呟いた。「私は、もっと多くの人々の力を信じるべきなんだ。」

その決意を胸に、リリィは翌朝、アレンと共に王宮の広間に向かった。そこでは、王国を治めるための新たな会議が開かれており、リリィは自分の意思を伝えることを決めていた。

「みなさん、集まってください。」リリィは王宮の執政官や各地の代表者たちに声をかけた。その声は堂々としており、会議室の空気が一変した。

「これまで、私は星の力を頼りにして王国を守ってきました。」リリィは続けて言った。「ですが、今私は力だけではなく、王国の全ての人々と共に歩むべきだと感じています。私の力が尽きるその日が来ても、王国は民の力で支えられているという確信を持つべきだと思うのです。」

会議室にはしばらくの静寂が流れたが、その後、各代表者たちは次々と頷き、賛同の声が上がった。リリィが言ったことがどれほど重要で、王国の未来を見据えた決断であるかを、皆が理解したからだ。

「リリィ王女の言う通りです。」王国の最高執政官であるジェラルドが立ち上がり、声を上げた。「私たちはリリィ王女の力に頼るだけではなく、民一人一人の力を引き出し、共に未来を築くべきです。」

「その通りです。」王国の商人代表が続けた。「私たちも、民の力を信じて協力します。」

リリィはその言葉を聞き、改めて決意を固めた。「これから、王国を再び発展させるために皆さんと力を合わせていきます。私は皆さんと共に歩み、王国をより良くしていきます。」

会議が終了した後、リリィとアレンは王宮の外に出て、広がる景色を眺めた。王国はこれから再び繁栄し、民の力で成り立っていくことになるだろう。リリィはその未来に向けて、再び歩き始めた。

「アレン、私はこれからも王国を守り続ける。」リリィは静かに言った。

「もちろん、僕も一緒だよ、リリィ。」アレンは微笑みながら答えた。

そして、二人は王国の未来を築くために、共に歩み始めた。星の力が導く道を信じ、民と共に進んでいくことで、王国は再び栄光を取り戻すだろう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

【完結】 嘘と後悔、そして愛

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
伯爵令嬢ソニアは15歳。親に勝手に決められて、一度も会ったことのない10歳離れた侯爵リカルドに嫁ぐために辺境の地に一人でやってきた。新婚初夜、ソニアは夫に「夜のお務めが怖いのです」と言って涙をこぼす。その言葉を信じたリカルドは妻の気持ちを尊重し、寝室を別にすることを提案する。しかしソニアのその言葉には「嘘」が隠れていた……

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる

みおな
恋愛
聖女。 女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。 本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。 愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。 記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。

魔法使いとして頑張りますわ!

まるねこ
恋愛
母が亡くなってすぐに伯爵家へと来た愛人とその娘。 そこからは家族ごっこの毎日。 私が継ぐはずだった伯爵家。 花畑の住人の義妹が私の婚約者と仲良くなってしまったし、もういいよね? これからは母方の方で養女となり、魔法使いとなるよう頑張っていきますわ。 2025年に改編しました。 いつも通り、ふんわり設定です。 ブックマークに入れて頂けると私のテンションが成層圏を超えて月まで行ける気がします。m(._.)m Copyright©︎2020-まるねこ

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

さようなら、たったひとつの

あんど もあ
ファンタジー
メアリは、10年間婚約したディーゴから婚約解消される。 大人しく身を引いたメアリだが、ディーゴは翌日から寝込んでしまい…。

処理中です...