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第十六章
しおりを挟む第十六章:王国の未来
アストリウスとの壮絶な戦いが終わった後、リリィとアレンは王国の北部から王宮へと戻ってきた。闇の力を打ち破ったことにより、王国の民は再び希望を取り戻し、平和を感じることができた。しかし、リリィの心の中にはまだ消えない疑念があった。
「リリィ、無事で本当に良かった。」アレンが言ったその言葉には、心からの安心が込められていた。
「ありがとう、アレン。」リリィは微笑んだが、その表情には深い思索の色が浮かんでいた。「でも、私にはまだやらなければならないことがある。」
「やらなければならないこと?」アレンは少し驚いたようにリリィを見つめた。「何か心配なことがあるのか?」
リリィはしばらく沈黙し、王宮の中庭に広がる星空を見上げながら答えた。「私は星の力を持っている。王国を守るためにはその力を使わなければならない。しかし、星の力は無限ではないし、私の力もいつか限界を迎えるかもしれない。それに、私は一体、どのように王国を導けばいいのか、まだ分からない。」
アレンはリリィの肩に手を置き、その目をしっかりと見つめた。「リリィ、君がこの王国を守り続けることができる理由は、力だけじゃない。君の心、君の決意、そして君が大切にしているものが王国の未来を支えているんだ。力に頼るだけでは、どんな王国も続かない。君がどう進むか、それが一番大切だと思う。」
リリィはその言葉に深く頷き、アレンに感謝の気持ちを込めて微笑んだ。「ありがとう、アレン。私、もう一度考えてみる。私が本当に守りたいもの、そしてこれからどのように歩むべきか。」
その夜、王宮の寝室でリリィは一人静かに目を閉じ、心の中で新たな決意を固めようとしていた。星の力を使うことができる自分が、この王国を支えていく責任を持っていることを感じる。しかし、それだけでは王国を築くことはできない。王国が繁栄するためには、民の力を引き出し、共に手を取り合うことが不可欠だと、彼女は心から悟った。
「力だけでは、何も変わらない…。」リリィは静かに呟いた。「私は、もっと多くの人々の力を信じるべきなんだ。」
その決意を胸に、リリィは翌朝、アレンと共に王宮の広間に向かった。そこでは、王国を治めるための新たな会議が開かれており、リリィは自分の意思を伝えることを決めていた。
「みなさん、集まってください。」リリィは王宮の執政官や各地の代表者たちに声をかけた。その声は堂々としており、会議室の空気が一変した。
「これまで、私は星の力を頼りにして王国を守ってきました。」リリィは続けて言った。「ですが、今私は力だけではなく、王国の全ての人々と共に歩むべきだと感じています。私の力が尽きるその日が来ても、王国は民の力で支えられているという確信を持つべきだと思うのです。」
会議室にはしばらくの静寂が流れたが、その後、各代表者たちは次々と頷き、賛同の声が上がった。リリィが言ったことがどれほど重要で、王国の未来を見据えた決断であるかを、皆が理解したからだ。
「リリィ王女の言う通りです。」王国の最高執政官であるジェラルドが立ち上がり、声を上げた。「私たちはリリィ王女の力に頼るだけではなく、民一人一人の力を引き出し、共に未来を築くべきです。」
「その通りです。」王国の商人代表が続けた。「私たちも、民の力を信じて協力します。」
リリィはその言葉を聞き、改めて決意を固めた。「これから、王国を再び発展させるために皆さんと力を合わせていきます。私は皆さんと共に歩み、王国をより良くしていきます。」
会議が終了した後、リリィとアレンは王宮の外に出て、広がる景色を眺めた。王国はこれから再び繁栄し、民の力で成り立っていくことになるだろう。リリィはその未来に向けて、再び歩き始めた。
「アレン、私はこれからも王国を守り続ける。」リリィは静かに言った。
「もちろん、僕も一緒だよ、リリィ。」アレンは微笑みながら答えた。
そして、二人は王国の未来を築くために、共に歩み始めた。星の力が導く道を信じ、民と共に進んでいくことで、王国は再び栄光を取り戻すだろう。
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