【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~

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第37話 指切り

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巨大なキラージャッカルを倒した俺は洞窟の奥へと駆けた。
奥にたどり着くとそこには老若男女合わせて三十人ほどが地面に倒れていた。
彼らは俺の姿を見て、
「……あ……た、助け……」
「はぁっ……お願……いっ」
「……う、動け……ないんだっ……」
必死に言葉を届けようとしてくる。

よかった。
動けないだけで息はしている。

「大丈夫です。俺はみくちゃんに頼まれてあなた方を助けに来ました。二人ずつ村に運ぶので少しの間だけ我慢していてください。村に帰れば毒消し草がありますから」

俺の言葉を聞いた彼らは安堵からなのか、みんな目に涙を浮かべていた。


☆ ☆ ☆


時間はかかったが洞窟内にいた全員を村まで運ぶことが出来た。
途中からは毒消し草の効果で毒が抜け、動けるようになった村の人たちも協力してくれた。
毒消し草はみくちゃんが沢山用意してくれていたので充分間に合った。
幸いなことに死人は一人もいなかったらしく、俺は村のみんなから手厚い歓迎を受けた。
「き、気にしないでくださいっ……」と村長らしき老人に言っても、みんなは俺をもてはやし、讃えてくれた。
そして食べ切れないほどのご馳走と若い女性たちからの感謝の意を込めたダンスを送られた俺は、キラージャッカルたちとの戦いの方がよっぽど気楽でいいと心底思うのだった。


☆ ☆ ☆


「しばきんぐ、行っちゃうの?」

一夜明けて俺は誰にも言わずに村を出ようとした。
するとなぜかそれを嗅ぎつけたみくちゃんが駆けつけてくる。
さらにみくちゃんのお兄さんと両親の姿もあった。

「ああ、この島から出る方法を探したいからね」
「そうなんだ……」
「なあ、あんた……みくを……おれたちを助けてくれてありがとう。感謝してる」
みくちゃんのお兄さんが気まずそうにしながらも口にする。
俺のことを不審者だと疑っていたっぽいからな。罪悪感があるのかもしれない。

それからみくちゃんの両親からもそれぞれ感謝の言葉を受け取った俺は、
「じゃあ、俺は行くよ。みくちゃん、元気でね。今度は日本で会おうね」
「うんっ。その時は一緒に遊ぼうねっ」
「ああ、約束だ」
人生で生まれて初めて他人と指切りをした。

そして、
「気を付けてね、しばきんぐーっ!」
俺は大きな声援を背中に受けて村をあとにするのだった。


――ちなみに今回キラージャッカルたちとそのボスを始末したことで、俺のレベルはぐんと跳ね上がり、俺はレベル801になっていた。
さらに<キラージャッカルの肉>を5個と<神秘の聖水>というアイテムも手に入れていた。
そしてもう一つ、俺はアスドムという新たな呪文を覚えていたのだった。
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