【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~

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第71話 弱点

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『ギャアアアアァァァァオオオッ!!!』
『ギャアアアアァァァァオオオッ!!!』

「マ、マジかよ……不死身か……?」

間違いなく頭部をかち割り脳天を破壊したはずだったのだが、二体の超巨大ドラゴンは何事もなかったかのように平然とそこにいた。

「こいつら、再生できるのかよ? ……だ、だとしたら、どうすりゃいいんだ……」
あざ笑うかのように俺を見下ろしてくる二体の超巨大ドラゴン。
すると次の瞬間、一体の超巨大ドラゴンが大きな翼をはためかせた。
直後、見えない風の刃が襲い来る。

「うわっ……!」

俺は避けることが出来ずにそれを右肩に受けてしまった。
右腕から力が抜けてだらんと垂れ下がり、動かすことが出来ない。

俺はすぐさま「キュアっ」と口にしてこれを回復するが、回復しきる前に今度は二体の超巨大ドラゴンが一斉に大きな翼をはためかせ、見えない風の刃を繰り出してきた。

「マズいっ!」
俺はとっさに上空へと跳び上がり、なんとかこれを回避する。
だが続けざま、二体の超巨大ドラゴンは、
『ギャアアアアァァァァオオオッ!!!』
『ギャアアアアァァァァオオオッ!!!』
炎を吐いて俺を逃がそうとはしない。

「くっ……ハイランドっ!」

炎が直撃する寸前で俺は岩石創生呪文を使い、創り出した岩石で襲い来る炎を受け止めた。

地面に無事下り立った俺だが、目の前の二体の超巨大ドラゴンを倒すすべが見当たらない。
「ど、どうするか……」
ブラックホールを創り出す呪文であるダークホールを唱えて、それに吸い込ませてやろうか。
そう思うも、ダークホールは俺の意思とは関係なく周囲のものを手当たり次第に吸い込んで消失させてしまうので、やはり出来ることならそんな危険な呪文は使わない方がいい、と断念する。

『ギャアアアアァァァァオオオッ!!!』
『ギャアアアアァァァァオオオッ!!!』
「マ、マジで、どうしよう……」
俺が手をこまねいていたまさにそんな時、
「善くん、そのモンスターの弱点はのどの下の辺りにある逆鱗という部分だよっ! よく見ると青く光っているからわかるはずだっ! そこを攻撃すれば二度と再生は出来なくなるよっ!」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた。

振り返らなくてもわかる。
それは米村さんだった。

「米村さん、避難したんじゃなかったんですかっ?」
「善くんたちのことが心配になってね、戻ってきてしまったよっ」
「そんなっ……」
どこまで人がいいんだ、米村さんは。

「それよりさっき僕が言ったこと、わかったねっ。弱点はのどの下の青い部分だよっ!」
「え、で、でも、なんでそんなこと知ってるんですかっ……?」
「話はあとだ、前を見てっ!」

米村さんの声で前を向くと、二体の超巨大ドラゴンが前足を振り上げ俺に攻撃を仕掛けようとしていた。
俺はそれを素早くかわすと、超巨大ドラゴンの体の下に潜り込む。

「のどの下、のどの下……あ、あったっ!」

注意深く目を凝らすと、たしかにのどの下付近に鈍く光る青色のうろこが見えた。
俺はそれを下から思いきり突きあげた。

「うおりゃあぁぁーっ!」

俺のこぶしが超巨大ドラゴンののどを突き破り血の雨が降る。

『ギャアアアアァァァァオオオッ……!!』
苦しそうにもだえる超巨大ドラゴン。
今度こそ致命傷を与えることが出来たようだった。

俺はさらにもう一体の超巨大ドラゴンのもとへ駆け寄ると、
「お前もくらえっ!」
弱点である逆鱗にアッパーを浴びせた。
肉を突き破る感触がして直後、血が噴き出した。

俺は超巨大ドラゴンの下敷きにならないようにさっと抜け出ると、顔についた返り血を拭いつつ、
ピピー、ピピー、ピピー!
モンスターを倒した証であるスマホから鳴る音を耳にするのだった。
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