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リバース
ISSUE〜俺の問題〜
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「ただいまー。ん?ミコトー」
いつもなら迎えにきてくれるんだが。俺は昨日と同じようにリビングへ向かう。
「ミコ……。ウワアアアア‼︎」
俺の前には血の海が広がっていた。足元には血だらけで倒れているサトリが、もう少し奥の方にはミコトが。俺は冷静になれなかった。
「ミコト‼︎おい!ミコト‼︎」
「おか……えり……リュウ…」
「いいから!早く病院に‼︎」
その時、ミコトは俺の服の袖を掴んだ。
「…………っ」
「ミコト!もう話すんじゃねえ!お前は死ぬな!」
「強く……生きてね……」
その瞬間にミコトから生気が奪われた。俺はミコトのぐったりとした体を持ち上げ泣き喚いた。
「ウワアアアア‼︎」
ただ泣き喚いた。もう何も考えたくなかった。俺はリビングから立ち去り俺の部屋に向かう。
「残念でしたねー。フフフ。」
「だれだ。今は話す気力がねえんだよ。」
俺は突然背後から話しかけられた。若い男のような声で、俺を少し小馬鹿にしているような口調だ。俺は男の方に振り向いた
「あなたは、恋人と親友を殺したんだ。」
「は?何言ってんだ。俺は殺してなんか……っ!」
俺の頭の中に突如として映像が流れ込んでくる。それは、俺がサトリとミコトをグサグサと音を立てながらナイフ
で刺している。
「ハアハア、なんだ……お前は……。」
「それは申し上げることは出来ないですよー。団長と実の恋人を殺した、犯罪者なんかに。フフフ。」
男は笑った後再び話し始めた。
「ああ、ちなみにサトリさんは生きてますよ。そして、サトリさんはあなたに刺されたと思っています。なら、わかりますよね?フフフ」
「あ?わかんねえよ。ただ、この映像はお前のスキルだな。」
「あら、わかりました?皆さん分からないのですが。フフフ」
「なんでお前は二人を襲った。」
「どうしてですか。んー」
男は少し悩んでいる様子はどうふざけようか考えている子供のようだ。
「それは、あなたを貶めたかったから。」
男はそう言うと後ろにあった窓から飛び降りた。その時に見えた唯一の手がかりは白銀の髪だけだった。
*
俺はあの時を忘れることはないだろう。サトリからは絶交を言い渡され、それ以来会っていない。俺はミコトを殺し、サトリに重傷を負わせたギルドメンバーとなり、ギルドのクビはもちろんのことそのギルドは解体され、ギルドハウスは跡形もなく消え去っている。
だから俺はギルドを新たに設立し、サトリとの再会を待ち望んでいる。
「にしても、あの場面はえらい酷かったなあ。うちでも吐きそうやったもん。」
イナリは吐くようなジェスチャーをしながらそう言う。
「お前はあん時見てたもんな。」
「まあね、でも、見て得するもんでは無かった。あん時のあんたは闇の包まれとったさかい、声かけようと思って
たんや。でもまあ、こんな強なって。」
イナリは俺に微笑みかける。男の俺でもうっかり惚れてしまいそうな綺麗な顔だ。
「まあ、それは終わった話だ。ミコトが死んだことを今更振り返ったってしょうがないだろ。」
「ほんとにそう思っているのかな?」
イナリは鈍りを忘れたかのように話しかけてくる。イナリが標準語になる時はいつもスキルを使う時だ。
イナリのオリジナルスキルはトゥルーといい、相手に真実を強制的に話させる効果がある。しかし、俺にはそのスキル自体を無効化できるので効きはしないが、イナリのしたいことはわかるため、俺も極力包み隠そうとはしない。
しかし、今回ばかりは事情が違う。俺がなぜ新たなギルドを設立しようとしているか。なぜ、ギルド戦に応募しようと思ったのか。それは今言うべきではない。
これは俺だけの問題だ。
いつもなら迎えにきてくれるんだが。俺は昨日と同じようにリビングへ向かう。
「ミコ……。ウワアアアア‼︎」
俺の前には血の海が広がっていた。足元には血だらけで倒れているサトリが、もう少し奥の方にはミコトが。俺は冷静になれなかった。
「ミコト‼︎おい!ミコト‼︎」
「おか……えり……リュウ…」
「いいから!早く病院に‼︎」
その時、ミコトは俺の服の袖を掴んだ。
「…………っ」
「ミコト!もう話すんじゃねえ!お前は死ぬな!」
「強く……生きてね……」
その瞬間にミコトから生気が奪われた。俺はミコトのぐったりとした体を持ち上げ泣き喚いた。
「ウワアアアア‼︎」
ただ泣き喚いた。もう何も考えたくなかった。俺はリビングから立ち去り俺の部屋に向かう。
「残念でしたねー。フフフ。」
「だれだ。今は話す気力がねえんだよ。」
俺は突然背後から話しかけられた。若い男のような声で、俺を少し小馬鹿にしているような口調だ。俺は男の方に振り向いた
「あなたは、恋人と親友を殺したんだ。」
「は?何言ってんだ。俺は殺してなんか……っ!」
俺の頭の中に突如として映像が流れ込んでくる。それは、俺がサトリとミコトをグサグサと音を立てながらナイフ
で刺している。
「ハアハア、なんだ……お前は……。」
「それは申し上げることは出来ないですよー。団長と実の恋人を殺した、犯罪者なんかに。フフフ。」
男は笑った後再び話し始めた。
「ああ、ちなみにサトリさんは生きてますよ。そして、サトリさんはあなたに刺されたと思っています。なら、わかりますよね?フフフ」
「あ?わかんねえよ。ただ、この映像はお前のスキルだな。」
「あら、わかりました?皆さん分からないのですが。フフフ」
「なんでお前は二人を襲った。」
「どうしてですか。んー」
男は少し悩んでいる様子はどうふざけようか考えている子供のようだ。
「それは、あなたを貶めたかったから。」
男はそう言うと後ろにあった窓から飛び降りた。その時に見えた唯一の手がかりは白銀の髪だけだった。
*
俺はあの時を忘れることはないだろう。サトリからは絶交を言い渡され、それ以来会っていない。俺はミコトを殺し、サトリに重傷を負わせたギルドメンバーとなり、ギルドのクビはもちろんのことそのギルドは解体され、ギルドハウスは跡形もなく消え去っている。
だから俺はギルドを新たに設立し、サトリとの再会を待ち望んでいる。
「にしても、あの場面はえらい酷かったなあ。うちでも吐きそうやったもん。」
イナリは吐くようなジェスチャーをしながらそう言う。
「お前はあん時見てたもんな。」
「まあね、でも、見て得するもんでは無かった。あん時のあんたは闇の包まれとったさかい、声かけようと思って
たんや。でもまあ、こんな強なって。」
イナリは俺に微笑みかける。男の俺でもうっかり惚れてしまいそうな綺麗な顔だ。
「まあ、それは終わった話だ。ミコトが死んだことを今更振り返ったってしょうがないだろ。」
「ほんとにそう思っているのかな?」
イナリは鈍りを忘れたかのように話しかけてくる。イナリが標準語になる時はいつもスキルを使う時だ。
イナリのオリジナルスキルはトゥルーといい、相手に真実を強制的に話させる効果がある。しかし、俺にはそのスキル自体を無効化できるので効きはしないが、イナリのしたいことはわかるため、俺も極力包み隠そうとはしない。
しかし、今回ばかりは事情が違う。俺がなぜ新たなギルドを設立しようとしているか。なぜ、ギルド戦に応募しようと思ったのか。それは今言うべきではない。
これは俺だけの問題だ。
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