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序章

アレフィールの日記

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踊る。踊る。道化の様に。
泣いてもすがっても変わらない日常に。
ピエロ道化となって笑っていよう。
偽りの顔と声で私は幻となって消え去った。
それがきっとこの人生を終わらせることのできるただ一つの手段だと笑って。
愚かなピエロ道化のままでこの人生を終わらせよう。

我は、人形
愚かなるピエロ。
この国がピエロを求めるのなら、我は愚かピエロとなって演じよう。
たとえその先が何も見えない絶望だとしても。
 《アレフィールの日記より》

パタンと、本を閉じる音が広い空間に響き渡った。
「…愚かなピエロ、か」
そう、静かにつぶやいた男は顔の上面を白い仮面で覆っていた。
その白い仮面から除く瞳はじっと本を見つめていた。
笑えない。そう思った男は本を片手にどこかに歩いて行った。



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始めまして。
作者の夜兄です。
この小説はこの先、何本かの長編をこの長編集で投稿していきたいと思っております。
どうぞお付き合いを私の狂気と共に。







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