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1279.【ハル視点】会議の参加者
「いなくなったそいつらは…実力のある冒険者パーティーだったんだな?」
もしその不自然に戻ってきていないという冒険者パーティーに実力がなかったなら、残念ながらムレングダンジョン内で魔物にやられてしまったんだろうなで終わっている話だ。
冒険者ギルドは、そういう点ではかなり割り切って運営されているからな。そうしなければやっていけないというのもあるんだが。
「うん、実力ももちろんだけど、評判も良かったみたいだよ。ただちょっと頭が硬過ぎたから、罠に掛かって盗賊に捕まってるかもって言ってたー」
ああ、正面から堂々と戦おうとするような奴か。
「捕まってるかもって言ってたんだな?」
「うん。冒険者ギルドの職員にはそう言われたよ。ちなみに深層の階にも行った事があるらしいしー」
深層の階に行った事のある冒険者パーティー…?
「…その冒険者パーティーというのは、サイクたちの所とは…違うんだよな?」
サイクの所のパーティーメンバーには何人か会ったが、サイクを含めて頭が硬いとは思わなかった。だが――それでも条件に当てはまっているだけに、少しだけ不安になった。
思わずそう尋ねてみれば、ウィル兄はぶんぶんと笑顔で首を振った。
「この報告をした時にファーガス兄さんが速攻で連絡とってたから、サイクたちのパーティーでは無いよーそれだけは確実」
「そうか…それは良かった」
サイクたちが無事な事ももちろんそうなんだが、もしあのパーティーでも敵わないような奴が盗賊団側にいるなら、かなり厄介だからな。
「つまり冒険者ギルドの人間が参加するのか?」
「うん、多分ギルマスと、それに冒険者も来るらしーよ」
すごく投げやりな言い方なのは、参加者が増える手配が面倒だからだろうか。
「そうか、分かった。俺は誰が会議に参加しても問題無い」
「本隊にも参加したいって言ってたよー」
「それは…俺じゃなくて父さんと兄さんが決める事だろ?」
「まあね。でもハルは反対じゃないって事だね」
「ああ、もし冒険者との間に立てというなら交渉ぐらいはやるよ」
「それは助かる」
冒険者と騎士ではやり方が違うからねとへらりと笑ったウィル兄は、でももういっこ問題があるんだよねーと続けた。
「問題?」
「そう。問題になるのは、あの盗賊団の転移の魔法陣なんだよねー」
「無事に使用できたのに…か?」
行って戻る事が出来た。それだけで確認は無事に終わった筈だと答えれば、ウィル兄はうーんと唸り声をあげた。
「あのさ、ハル。ムレングダンジョンの転移魔法陣の仕組み、思い出してみてー?」
そう言われた俺は、ウィル兄の言いたい事が分かってハッとした。
「そうか。普通なら踏破した階層までしか飛べないはずなのに、あの魔法陣では何の問題もなくいきなり99階層に飛べてしまうのか」
「そう。先行部隊の他のメンバーがどうなのかは知らないけど、俺は99階層まで潜った事ないんだけど、問題なく行けたからね」
それはたしかに大問題だな。
「ちなみにこれが俺の持ってた手帳型の魔道具ねー」
これは初めてムレングダンジョンに入る際に、入口で渡される手帳だ。
「元々70階層までは行ってたんだけどね…えーっと…どこだっけ…」
ぶつぶつと言いながら、ウィル兄はパラパラとページをめくっていく。
「あ、あった!ここ、見て」
ウィル兄の持つ手帳には、確かに到達階層99階としっかりと記載されていた。慌てて腕輪の中に収納したままだった自分の魔道具の手帳も取り出してみれば、そこにもはっきりと99階層の文字があった。
「あー…俺のも99階層になってるな」
「あ、ハルももっと浅い階層だったんだー?」
「まあな。50階層までしか行ってなかった」
「えー意外ー」
「…これは確かに問題になるな」
「あれを使わずに99階層に向かうと盗賊団に気づかれる確率が上がるけど、使って移動すると本隊に参加した全員に便利な魔道具だって気づかれるんだよねー」
どうしようと呟いたウィル兄は、面倒くさいよねーと眉間にしわを寄せた。うん、間違いなく面倒くさいな。
「そもそもあの魔道具って、設置場所の移動できるの?どうしてもってなったら破壊しても良いの?その場合何か悪影響は無いのー?」
立て続けに質問を繰り返すウィル兄に、俺はとりあえず答えた。
「そこは魔道具の専門家にでも来てもらって、一緒に調査してもらうしかないんじゃないか?」
今さら参加者が数名増えても関係ないだろう。そう思っての俺の提案に、ウィル兄はパッと笑顔になった。
「あ、そっか。うん、そうだね。最悪盗賊団が作った違法魔道具のためって言って、父さんに叩ききってもらおー」
たしかにそれなら処置は簡単にできそうだな。父さんが切るなら、周りも文句は言えなくなるはずだ。
もしその不自然に戻ってきていないという冒険者パーティーに実力がなかったなら、残念ながらムレングダンジョン内で魔物にやられてしまったんだろうなで終わっている話だ。
冒険者ギルドは、そういう点ではかなり割り切って運営されているからな。そうしなければやっていけないというのもあるんだが。
「うん、実力ももちろんだけど、評判も良かったみたいだよ。ただちょっと頭が硬過ぎたから、罠に掛かって盗賊に捕まってるかもって言ってたー」
ああ、正面から堂々と戦おうとするような奴か。
「捕まってるかもって言ってたんだな?」
「うん。冒険者ギルドの職員にはそう言われたよ。ちなみに深層の階にも行った事があるらしいしー」
深層の階に行った事のある冒険者パーティー…?
「…その冒険者パーティーというのは、サイクたちの所とは…違うんだよな?」
サイクの所のパーティーメンバーには何人か会ったが、サイクを含めて頭が硬いとは思わなかった。だが――それでも条件に当てはまっているだけに、少しだけ不安になった。
思わずそう尋ねてみれば、ウィル兄はぶんぶんと笑顔で首を振った。
「この報告をした時にファーガス兄さんが速攻で連絡とってたから、サイクたちのパーティーでは無いよーそれだけは確実」
「そうか…それは良かった」
サイクたちが無事な事ももちろんそうなんだが、もしあのパーティーでも敵わないような奴が盗賊団側にいるなら、かなり厄介だからな。
「つまり冒険者ギルドの人間が参加するのか?」
「うん、多分ギルマスと、それに冒険者も来るらしーよ」
すごく投げやりな言い方なのは、参加者が増える手配が面倒だからだろうか。
「そうか、分かった。俺は誰が会議に参加しても問題無い」
「本隊にも参加したいって言ってたよー」
「それは…俺じゃなくて父さんと兄さんが決める事だろ?」
「まあね。でもハルは反対じゃないって事だね」
「ああ、もし冒険者との間に立てというなら交渉ぐらいはやるよ」
「それは助かる」
冒険者と騎士ではやり方が違うからねとへらりと笑ったウィル兄は、でももういっこ問題があるんだよねーと続けた。
「問題?」
「そう。問題になるのは、あの盗賊団の転移の魔法陣なんだよねー」
「無事に使用できたのに…か?」
行って戻る事が出来た。それだけで確認は無事に終わった筈だと答えれば、ウィル兄はうーんと唸り声をあげた。
「あのさ、ハル。ムレングダンジョンの転移魔法陣の仕組み、思い出してみてー?」
そう言われた俺は、ウィル兄の言いたい事が分かってハッとした。
「そうか。普通なら踏破した階層までしか飛べないはずなのに、あの魔法陣では何の問題もなくいきなり99階層に飛べてしまうのか」
「そう。先行部隊の他のメンバーがどうなのかは知らないけど、俺は99階層まで潜った事ないんだけど、問題なく行けたからね」
それはたしかに大問題だな。
「ちなみにこれが俺の持ってた手帳型の魔道具ねー」
これは初めてムレングダンジョンに入る際に、入口で渡される手帳だ。
「元々70階層までは行ってたんだけどね…えーっと…どこだっけ…」
ぶつぶつと言いながら、ウィル兄はパラパラとページをめくっていく。
「あ、あった!ここ、見て」
ウィル兄の持つ手帳には、確かに到達階層99階としっかりと記載されていた。慌てて腕輪の中に収納したままだった自分の魔道具の手帳も取り出してみれば、そこにもはっきりと99階層の文字があった。
「あー…俺のも99階層になってるな」
「あ、ハルももっと浅い階層だったんだー?」
「まあな。50階層までしか行ってなかった」
「えー意外ー」
「…これは確かに問題になるな」
「あれを使わずに99階層に向かうと盗賊団に気づかれる確率が上がるけど、使って移動すると本隊に参加した全員に便利な魔道具だって気づかれるんだよねー」
どうしようと呟いたウィル兄は、面倒くさいよねーと眉間にしわを寄せた。うん、間違いなく面倒くさいな。
「そもそもあの魔道具って、設置場所の移動できるの?どうしてもってなったら破壊しても良いの?その場合何か悪影響は無いのー?」
立て続けに質問を繰り返すウィル兄に、俺はとりあえず答えた。
「そこは魔道具の専門家にでも来てもらって、一緒に調査してもらうしかないんじゃないか?」
今さら参加者が数名増えても関係ないだろう。そう思っての俺の提案に、ウィル兄はパッと笑顔になった。
「あ、そっか。うん、そうだね。最悪盗賊団が作った違法魔道具のためって言って、父さんに叩ききってもらおー」
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