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9、後悔と理解
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生徒会室にもどった優司は少し冷静になるとアレが対人恐怖症のレベル3の攻撃だったのかとわかった。なるほど何も知らない人間が突然暴言を吐かれたら確実に自分の立場が悪くなるし、軋轢も生まれるなと考えた。
しかも、話によると本人の意思ではなく無意識に話していて落ち着くまで止まれないというのが何とも厄介だ。だからといって全校生徒に対人恐怖症とその症状を周知させるのも別の問題があるだろうしと中々考えがまとまらず優司にしては珍しく仕事が滞ったまま昼休みを迎えていた。
「あれ?由梨ちゃんは?」
そう言いながら颯爽と入ってきた田宮圭一郎はもう既に落としているだろうと思っていた一年の双子の片割れがいないことに驚いていた。
「うるさいな、まだまだ時間がかかるは問題は山積みだわで手が出せないんだよ!」
「へーお前が手こずるなんて珍しいな。そんなにガードが固いのか?俺もチャレンジしちゃおうかな?」
そうは言ったが殺気を感じて冗談とかわしたのだった。
「おいおい、まだ何もしてないのに独占欲とかやめろよな。本当に珍しいな。マジで惚れちゃった?」
茶化したつもりの圭一郎は真顔で頷いた優司を見て嘘だろ?とその手で自分の口を覆った。
浮いた話が何もないというイメージの優司だが、圭一郎から見るとそれなり遊んでいたし、遊ぶ事に罪悪感等もあまり感じていなさそうだったのに、ロクに話したことさえない年下の女の子にまさか本気で惚れるとは思わなかったのだ。
ただ、優司がどう攻略して行くかとても楽しそうに考えているように見えてそれはそれで良かったと感じていた。
なんといっても優司は優秀すぎてあまり労せずなんでも出来てしまうため、逆に何をしても然程楽しそうにしていないと感じていたからだ。何にせよ優司が何かに夢中になるのは珍しいな事なのだった。
「まぁ良かったじゃん。暇つぶしの生徒会も役に立つ日が来たんだしさ。これから周りを牽制しつつアタックする感じだろ?」
優司は圭一郎にそう言われて、暫くはそうするしかなさそうだと自身の権力を最大限に使って由梨の周りを自分だけにしたいと心から思ったのだった。
「っで?双子のもう一人はどんな感じ?見た所周り全部敵だらけって感じでテンパってたけど?」
「あぁあっちは大丈夫だろう。昨日クラスに顔だした時須藤健がいたから。」
「あぁ須藤ちゃんか、、、アイツも可哀想な奴だな。なまじ優秀なだけにお前に良いように使われちゃうよね。昔から」
そう言って圭一郎は副会長の席に少し溜まっていた書類仕事をサッと引き取って片付け始めた。それを見て優司は本格的に由梨の攻略法を考え始めていた。
まぁ、基本由梨ちゃんの可愛い所は俺だけが見ればいいよな。自然に友達が欲しい由梨ちゃんには悪いけど周りは俺の子飼いで固めるかな。安心だし、変な軋轢も生まれないだろう。
優司は何人か信用できる女子の顔を思い浮かべて、それでも由梨の希望通りの自然な出会いだけでも演出するかなと計画を立てていた。
でも、その前に自分との関係をはっきりさせてからだけどなと考えた。
一方、優司に暴言を吐いてしまった由梨は勇気を出して謝罪に行くべきか迷っていた。昨日対人恐怖症のレベル説明はしていたが、実際に言われると皆が引いてしまって折角慣れてきた人間関係がまた壊れてしまうのだ。
由梨は折角優しくしてもらったのに、あの優司が冷たくなるのを考えて、それは嫌だと感じていた。
でも、由梨の足は手は出て行こうとドアノブに手をかけた状態から動かずにいたのだ。
謝りに行こうと思ってはいるがそのストレスがレベルを上げてレベル4の硬直を感じ始めていた。
あぁ駄目、このままだと倒れてしまう。早く落ち着かないと、、、。
そう思っているよう外側からドアノブが回され押されるようにドアが開かれた。
そこには心配そうな海斗の顔があり、その顔を見た途端一気に体の力が抜けてヘナヘナと由梨はその場で座り込んだ。
「ね、姉さん!!大丈夫ですか?一体どうしてこんなとこにいるんですか?何かあったなら話してください!」
海斗は焦って由梨を横抱きにしてソファに座らせるとその隣に腰を下ろした。由梨の瞳からは安堵の為か後から後から涙が溢れてその頬を濡らしていた。
「か、、かいと~。ぎでぐれであじがどう、。」
泣きながら由梨は午前中に会ったことを説明し、謝罪に行きたいけど行けなかった旨を一生懸命訴えた。
「姉さん、姉さんの気持ちはよくわかりますが、何時もいってるでしょ?自分で自分を追い込むのが一番良くないんんです。今回は謝らなきゃいけないというストレスがレベル4まで押し上げたんですからね。謝罪は僕からしておきますから姉さんは安心してください。会長はきっと許してくれますよ。」
海斗がそう言うと由梨は漸く泣き止んで微笑んだ。
その顔を見た海斗はこういう顔がきっと異性を引きつけるのかと家族にはイマイチぴんと来ない姉の魅力を冷静に分析した。
自分とよく似た顔が違う印象を与えることに驚きを感じつつ、スイスならばかなり年下に見えてしまうこの容姿が日本だと違うのだなと強く感じたのだった。
しかも、話によると本人の意思ではなく無意識に話していて落ち着くまで止まれないというのが何とも厄介だ。だからといって全校生徒に対人恐怖症とその症状を周知させるのも別の問題があるだろうしと中々考えがまとまらず優司にしては珍しく仕事が滞ったまま昼休みを迎えていた。
「あれ?由梨ちゃんは?」
そう言いながら颯爽と入ってきた田宮圭一郎はもう既に落としているだろうと思っていた一年の双子の片割れがいないことに驚いていた。
「うるさいな、まだまだ時間がかかるは問題は山積みだわで手が出せないんだよ!」
「へーお前が手こずるなんて珍しいな。そんなにガードが固いのか?俺もチャレンジしちゃおうかな?」
そうは言ったが殺気を感じて冗談とかわしたのだった。
「おいおい、まだ何もしてないのに独占欲とかやめろよな。本当に珍しいな。マジで惚れちゃった?」
茶化したつもりの圭一郎は真顔で頷いた優司を見て嘘だろ?とその手で自分の口を覆った。
浮いた話が何もないというイメージの優司だが、圭一郎から見るとそれなり遊んでいたし、遊ぶ事に罪悪感等もあまり感じていなさそうだったのに、ロクに話したことさえない年下の女の子にまさか本気で惚れるとは思わなかったのだ。
ただ、優司がどう攻略して行くかとても楽しそうに考えているように見えてそれはそれで良かったと感じていた。
なんといっても優司は優秀すぎてあまり労せずなんでも出来てしまうため、逆に何をしても然程楽しそうにしていないと感じていたからだ。何にせよ優司が何かに夢中になるのは珍しいな事なのだった。
「まぁ良かったじゃん。暇つぶしの生徒会も役に立つ日が来たんだしさ。これから周りを牽制しつつアタックする感じだろ?」
優司は圭一郎にそう言われて、暫くはそうするしかなさそうだと自身の権力を最大限に使って由梨の周りを自分だけにしたいと心から思ったのだった。
「っで?双子のもう一人はどんな感じ?見た所周り全部敵だらけって感じでテンパってたけど?」
「あぁあっちは大丈夫だろう。昨日クラスに顔だした時須藤健がいたから。」
「あぁ須藤ちゃんか、、、アイツも可哀想な奴だな。なまじ優秀なだけにお前に良いように使われちゃうよね。昔から」
そう言って圭一郎は副会長の席に少し溜まっていた書類仕事をサッと引き取って片付け始めた。それを見て優司は本格的に由梨の攻略法を考え始めていた。
まぁ、基本由梨ちゃんの可愛い所は俺だけが見ればいいよな。自然に友達が欲しい由梨ちゃんには悪いけど周りは俺の子飼いで固めるかな。安心だし、変な軋轢も生まれないだろう。
優司は何人か信用できる女子の顔を思い浮かべて、それでも由梨の希望通りの自然な出会いだけでも演出するかなと計画を立てていた。
でも、その前に自分との関係をはっきりさせてからだけどなと考えた。
一方、優司に暴言を吐いてしまった由梨は勇気を出して謝罪に行くべきか迷っていた。昨日対人恐怖症のレベル説明はしていたが、実際に言われると皆が引いてしまって折角慣れてきた人間関係がまた壊れてしまうのだ。
由梨は折角優しくしてもらったのに、あの優司が冷たくなるのを考えて、それは嫌だと感じていた。
でも、由梨の足は手は出て行こうとドアノブに手をかけた状態から動かずにいたのだ。
謝りに行こうと思ってはいるがそのストレスがレベルを上げてレベル4の硬直を感じ始めていた。
あぁ駄目、このままだと倒れてしまう。早く落ち着かないと、、、。
そう思っているよう外側からドアノブが回され押されるようにドアが開かれた。
そこには心配そうな海斗の顔があり、その顔を見た途端一気に体の力が抜けてヘナヘナと由梨はその場で座り込んだ。
「ね、姉さん!!大丈夫ですか?一体どうしてこんなとこにいるんですか?何かあったなら話してください!」
海斗は焦って由梨を横抱きにしてソファに座らせるとその隣に腰を下ろした。由梨の瞳からは安堵の為か後から後から涙が溢れてその頬を濡らしていた。
「か、、かいと~。ぎでぐれであじがどう、。」
泣きながら由梨は午前中に会ったことを説明し、謝罪に行きたいけど行けなかった旨を一生懸命訴えた。
「姉さん、姉さんの気持ちはよくわかりますが、何時もいってるでしょ?自分で自分を追い込むのが一番良くないんんです。今回は謝らなきゃいけないというストレスがレベル4まで押し上げたんですからね。謝罪は僕からしておきますから姉さんは安心してください。会長はきっと許してくれますよ。」
海斗がそう言うと由梨は漸く泣き止んで微笑んだ。
その顔を見た海斗はこういう顔がきっと異性を引きつけるのかと家族にはイマイチぴんと来ない姉の魅力を冷静に分析した。
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