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17、誘拐
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「さて、、、、。色々と言いたい事はありますが、まずは状況を説明してもらいましょうか?」
初めて見た海斗の知らないとは言わせないという口調から発せられた言葉に優司は負けじと笑顔を作って返した。
「どうしましたか?海斗くん。君らしくない言動ですね。取り敢えずこちらに来て座ってください。」
海斗をソファに座らせて自らも座った優司は触らぬ神に祟りなしと部屋を出て行こうとしている圭一郎を呼び止めて席につかせた。
「まず初めに謝罪しておきます。私の不徳の致すところです。今回の件は個人的にも、生徒会長としても甘かったとしか言えません。海斗くんのお怒りも甘んじて受けましょう。もちろんこの怒りは本人にしっかり倍にして返しますが。」
そう言った優司はなまじ天国にいただけに今の地獄に真っ黒いオーラをふつふつと湧きたてていた。
後ろで圭一郎がこわっと呟いたがそれは無視して現状の確認と対応策についての計画を話し始めた。
由梨の身に起こりうる災難を悉く潰して最後にそれを計画したものを徹底的にやり込めて二度と顔も見なくて済む方法を優司は圭一郎から話を聞いた時点から練りに練っていたのだった。
優司は基本自分に利にならない事はしないが必要ならば徹底的に潰す事にさして忌避感は感じない人間だったし、今回はやっと手に入れかけている由梨が絡んでいる為怒り心頭している海斗が聞いてもちょっとやり過ぎかも?と思う計画を至極楽しそうに話していた。
「、、という感じで対応するつもりです。これで許して貰えませんか?もしまだ足りない様ならいかようにもやり方はあるので遠慮なく言ってください。もちろん違法行為をするような馬鹿でないのでご心配なく。」
海斗は計画を聞いているうちに徐々に冷静さを取り戻し、あれ?この人狂ってる?と感じ始めた頃には顔を引きつらせて優司にコクコクと頷いていた。
「納得して貰えたようで良かったです。金輪際このようなクズ達が学園内を歩く事は許しませんから安心して下さい。今回の件で他にもいるだろう不満をもつ者も黙る事でしょう。」
いい笑顔で締めくくった優司は椅子から立ち上がり由梨のいる隣を見ながらくすりと笑った。
圭一郎は既に怒りを収めた海斗の肩をぽんぽんと叩き、ああなっちゃ駄目だぞ?と先輩らし事を言って海斗の退出をうながしたのだった。
海斗を見送った圭一郎は早速先程の計画に必要な人材と根回しをする為に部屋を出て行った。そして、生徒会室には静かに激怒している優司のみが残ったのだった。
由梨が海斗に送られて部屋に入るとテーブルの下に封筒が置いてあった。いつもは海斗が部屋に異常がないかを確認してから教室にいくのだが、今日は急いでいたのか由梨を部屋に押し込むと直ぐに行ってしまったので気づかなかったようだ。
由梨は封筒を拾うと宛名は生徒会となっているのを確認し生徒会室に届けようと鍵を開けて扉を開いた。すると突然腕を掴まれ声を上げる間も無く誰かの肩に担がれて運ばれてしまった。由梨は恐怖で体が震えて何も出来ないままだった。
海斗は生徒会室を退出した後ふと見ると由梨がいる筈の生徒会準備室のドアが少しだけ開いているのが見えた。由梨は必ず鍵をかけているのでドアが開いている事などあり得ないのだ。
おかしい!!
慌てて海斗が部屋に入るとそこには誰もいなかった。
ガタガタと部屋の中を確認していると程なく生徒会室を出てきた圭一郎が異変を感じてやってきた。
「海斗くん?どうした?って由梨ちゃんは?いないのか?優司!!大変だ!!由梨ちゃんがいない!!」
呆然としている海斗を残し慌てて生徒会室に戻った圭一郎の声が廊下に響いていた。
初めて見た海斗の知らないとは言わせないという口調から発せられた言葉に優司は負けじと笑顔を作って返した。
「どうしましたか?海斗くん。君らしくない言動ですね。取り敢えずこちらに来て座ってください。」
海斗をソファに座らせて自らも座った優司は触らぬ神に祟りなしと部屋を出て行こうとしている圭一郎を呼び止めて席につかせた。
「まず初めに謝罪しておきます。私の不徳の致すところです。今回の件は個人的にも、生徒会長としても甘かったとしか言えません。海斗くんのお怒りも甘んじて受けましょう。もちろんこの怒りは本人にしっかり倍にして返しますが。」
そう言った優司はなまじ天国にいただけに今の地獄に真っ黒いオーラをふつふつと湧きたてていた。
後ろで圭一郎がこわっと呟いたがそれは無視して現状の確認と対応策についての計画を話し始めた。
由梨の身に起こりうる災難を悉く潰して最後にそれを計画したものを徹底的にやり込めて二度と顔も見なくて済む方法を優司は圭一郎から話を聞いた時点から練りに練っていたのだった。
優司は基本自分に利にならない事はしないが必要ならば徹底的に潰す事にさして忌避感は感じない人間だったし、今回はやっと手に入れかけている由梨が絡んでいる為怒り心頭している海斗が聞いてもちょっとやり過ぎかも?と思う計画を至極楽しそうに話していた。
「、、という感じで対応するつもりです。これで許して貰えませんか?もしまだ足りない様ならいかようにもやり方はあるので遠慮なく言ってください。もちろん違法行為をするような馬鹿でないのでご心配なく。」
海斗は計画を聞いているうちに徐々に冷静さを取り戻し、あれ?この人狂ってる?と感じ始めた頃には顔を引きつらせて優司にコクコクと頷いていた。
「納得して貰えたようで良かったです。金輪際このようなクズ達が学園内を歩く事は許しませんから安心して下さい。今回の件で他にもいるだろう不満をもつ者も黙る事でしょう。」
いい笑顔で締めくくった優司は椅子から立ち上がり由梨のいる隣を見ながらくすりと笑った。
圭一郎は既に怒りを収めた海斗の肩をぽんぽんと叩き、ああなっちゃ駄目だぞ?と先輩らし事を言って海斗の退出をうながしたのだった。
海斗を見送った圭一郎は早速先程の計画に必要な人材と根回しをする為に部屋を出て行った。そして、生徒会室には静かに激怒している優司のみが残ったのだった。
由梨が海斗に送られて部屋に入るとテーブルの下に封筒が置いてあった。いつもは海斗が部屋に異常がないかを確認してから教室にいくのだが、今日は急いでいたのか由梨を部屋に押し込むと直ぐに行ってしまったので気づかなかったようだ。
由梨は封筒を拾うと宛名は生徒会となっているのを確認し生徒会室に届けようと鍵を開けて扉を開いた。すると突然腕を掴まれ声を上げる間も無く誰かの肩に担がれて運ばれてしまった。由梨は恐怖で体が震えて何も出来ないままだった。
海斗は生徒会室を退出した後ふと見ると由梨がいる筈の生徒会準備室のドアが少しだけ開いているのが見えた。由梨は必ず鍵をかけているのでドアが開いている事などあり得ないのだ。
おかしい!!
慌てて海斗が部屋に入るとそこには誰もいなかった。
ガタガタと部屋の中を確認していると程なく生徒会室を出てきた圭一郎が異変を感じてやってきた。
「海斗くん?どうした?って由梨ちゃんは?いないのか?優司!!大変だ!!由梨ちゃんがいない!!」
呆然としている海斗を残し慌てて生徒会室に戻った圭一郎の声が廊下に響いていた。
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