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三部
014_化粧
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第五位階、混沌魔法《拷問痛/トゥーチャーペイン》。
意識があり、自力では動けない相手にのみ接触して使用できる。体内の筋肉と神経組織を微細に切り刻むことができる。かけられた者は生命力を半減され、この世ならざる激痛を受ける。なお、この魔法をいくら連続して使用しても、生命を奪うことはできない。
混沌神の高司祭にのみ許された、生物を痛めつけることしかできない邪な魔法。
発動条件が厳しく、同位階に《呪い/カース》という優れた魔法があるため、この魔法が逼迫した場面で使われることはまずありえない。
《拷問痛/トゥーチャーペイン》は激痛と生命力の半減に対し、《呪い/カース》は相手がどのような状態であろうと使え、対象の行動を任意にひとつ縛ることができる。たとえば何者も攻撃することはできないという具合だ。そしてその縛りを破れば、《拷問痛/トゥーチャーペイン》に匹敵する痛みで行動不能にできる。
拷問というのは本来、隠している情報を引き出す手段であるが、この点でも《呪い/カース》のほうが優れている。“質問に対して必ず真実の回答をしなくてはならない”という縛りをかければ、拷問という手間のかかる手段は必要がなくなるからだ。
つまり、《拷問痛/トゥーチャーペイン》というのは、相手に痛みを与え続けるためだけの魔法。無力化した相手を殺さずに最上級の痛みを与えるためだけの魔法であった。
少なくともマリアはそう考えていた。
よく考えても、混沌神の信徒を怒らせると死よりも残酷な末路を辿る。そうした威圧を与えるためだけの象徴的な魔法であると思っていた。
この魔法は混沌神の神官の中でも、本当に頭のおかしい連中が使う魔法であると。
しかしマリアはこれを自己鍛錬法として用いた。
傷ついた筋肉組織は回復することで、ごくごく微量ではあるが力を増す。
《拷問痛/トゥーチャーペイン》のもたらす激痛をみずから毎晩受け、それを回復する。一度でもこの魔法を受けた者であれば、絶対に考えられないことをマリアはしてみせた。
数日では効果を実感することはできなかった。しかし、一週間もすると明らかに出せる力の上限が増えたのがわかった。
筋力、機敏さがみるみると増していく中、それに比例してイルグリムとの修行で技の使い方も上手くなっていく。
二週間後にもなると、イルグリムから五本に一本も関節を取れるようになった。そして三週間目には二本。さらに一ヶ月後にはほぼ互角の戦いにまでもつれ込むようになった。
「ひと月でワシと互角とは自信をなくすわい」
イルグリムはそう愚痴るのだが、顔は笑っている。マリアの上達ぶりは予想を遥かに超えるものであったが、乾いた砂に水を流すがごとく自分の技を習得していく。それどころか、身体の構造を説明するために接骨の技術の初歩までも身につけていった。
「そうかしら? まだわたしに教えていない技も隠していそうだけど」
あまり関節を壊されることもなくなったマリアは、身体についた闘技場の砂を払った。
「そりゃあいくつかはの」
「興味あるわ」
「フン、今更しなを作っても遅いわ」
マリアは師の首に両腕を回すと、耳元で囁いた。もちろんイルグリムのいうとおり、今更である。関節を破壊する技の多くは、身体を密着させ合う。
「マリア。お前さんは筋がいいだけでなく、肉体の潜在能力も高い。そして頭もいいし器用で何でもできる。いずれはワシを越える技も編み出すじゃろ」
「器用貧乏よね」
「お前さんの持っている技術のどれを取っても、町で生きていくのに困らんじゃろうに……まあそれはいい。百歩譲ってその通りだとしても、ワシの技術においてはこのレゴリス国。ひいてはどの国に行ったとて比肩しうる者のない使い手だと自慢してよい」
「イルじいを除いて、でしょ?」
その言葉にイルグリムはにやりと笑って首を振った。
「ワシはもう歳じゃからな。あといくつかの技の要点を教えれば、お前さんに勝てる気はせん」
「そうかもね。でもイルじいがいなければ、わたしがここまで本気で物事に取り組めたことはなかった」
イルグリムの白く後退した頭に口づけをして、マリアはしっかりと師の身体を抱きしめた。
「感謝している。大好きよ、師匠」
「これ、師匠はやめんか」
いまだ師匠と呼ばれることに抵抗のあるイルグリムであった。
「奥義というのは大げさじゃが、明日でワシが編み出した格闘術はすべて教え終わるじゃろう。ワシの荒っぽいやり方の他にも無茶をしておったようじゃが、がんばったの」
イルグリムもまたマリアの身体を優しく抱きしめ、こちらは頬に口づけた。
「わたしは別に今日でもいいわよ?」
「用意が大変なのは、何もレディばかりじゃないぞ」
確かに今日の修行は軽いものだった。マリアにはまだたっぷりと余力があり、それはイルグリムもであろう。
師の軽口に思わず笑みが漏れる。マリアはこの老人の切り返しが嫌いではなかった。
「あら、明日は化粧をしてきたほうがいいかしら」
「そうじゃの。明日はめかし込んでくるといい」
意外にもマリアの軽口は真正面から返された。イルグリムの言葉は常日頃の軽い調子ではあるものの、どうやら本気でいっているらしかった。
「なに。明日はワシの技を見るだけじゃからの。お前さんは素のままでも見られるが、たまには化粧をした姿も見たいものじゃ」
「それじゃあ気合を入れて化粧をするわ。あんまり綺麗でも弟子に惚れないでね」
「フン。抜かしおる」
マリアの軽口を鼻であしらうとイルグリムは背を向けた。
「明日は闘技場の始まる時間に、ワシの医務室まで来い」
「わかったわ。化粧をして、ね」
去りゆくイルグリムを見送り、マリアは明日の装いに頭を切り替えて闘技場を後にした。
翌日。マリアはいいつけ通り地下闘技場が開店する時間に、イルグリムが普段詰めている医務室にやってきた。といっても、魔法による回復が必要な者が出た場合は、マリアもここにやってきて回復魔法を使う。慣れた場所といってもいい。
「イルじい。入るわよ。ごきげんよう」
扉をノックするとすぐに扉を開けるあたり、マリアもまたここに慣れているという証だった。
「やってきたか――って誰じゃお前!?」
現れたのは紛れもないマリアその人だ。
ただし、いつもの冒険者然とした革鎧と腰帯に剣を吊るした姿ではない。
長いスカートはドレープのついたもので、色こそ紺色で控えめだが光沢のある生地が使われている。白いブラウスも襟元からへそにかけてフリルがついており、ウエストのあたりが絞られている。胸元には宝石で縁取られた流れ星の形をした、銀細工のブローチをつけていた。長身のマリアがさらにすらりと高く見えるのは、足首までを編み上げたヒールの高いショートブーツを履いているからだ。
髪もまたいつものように、金髪を無造作に後ろへ一本で縛っただけではない。ふんわりと豊かに波打ち、額を出すようにして肩口から絹糸がゆるやかにねじれるように背中と胸元に流れている。
眉もきりりと整えられており、アイラインはしっかりと不自然ではない程度に入れられていた。マリアのはっきりとした二重まぶたからのぞく瞳は、いつにも増して大きくきらきらと青い光を湛えているようであった。
「時間通りにやってきた弟子に向って誰とはご挨拶だわ」
きらきらと輝く朱をさしてある唇が、平素変わらぬマリアの言葉を紡いだ。
「マ、マリアなのか……? 信じられん」
「たまには化粧をしろっていったから本気出してみたら何よ、その反応」
拗ねたように唇を尖らす愛らしいマリアの姿は、イルグリムがこれまで見たことのない姿であった。
「いったが――いや、正直お前がこれほどまで美しい女だとは思わなんだ」
「褒められていると思っていいのかしら?」
「その姿で出会っていたら、年甲斐もなく惚れていたやもしれんな」
ようやくいつもの調子が戻ってきたイルグリムであるが、その言葉は半分冗談。半分本気といわんばかりだ。
「ちょっとしたものでしょ。昔、小さな劇団で女優もやってたし、化粧係も髪結いなんかもしていたのよ。時間がなかったから、髪までは結えなかったけど」
「化けすぎじゃ。どこの貴族がこんなところに迷い込んだかと思ったわい」
「わたしも驚いたわよ。イルじいってばいつもより戦う準備万全なんだもの」
相手の姿に驚いたのはイルグリムだけではなかった。
いつもの動きやすい平服ではなく、身体に密着した革製の丈夫なズボンと肩の動きを邪魔しない革の胴着。二の腕や前腕にはやはり丈夫でしなやかな革の防具が付けられている。精妙なイルグリムの技術を損なわないよう、両掌にはなにもつけていない。毛の後退した額には金属のプレートが縫い込まれた鉢金といういでたちだ。
「確認だけど、わたしは見ているだけなのよね?」
やや不安に駆られたマリアの言葉であった。いくらなんでも今の姿で格闘をするというのは無理がある。
「もちろん」
そんな弟子の様子にイルグリムは力強く請け負った。
「もちろんじゃ」
意識があり、自力では動けない相手にのみ接触して使用できる。体内の筋肉と神経組織を微細に切り刻むことができる。かけられた者は生命力を半減され、この世ならざる激痛を受ける。なお、この魔法をいくら連続して使用しても、生命を奪うことはできない。
混沌神の高司祭にのみ許された、生物を痛めつけることしかできない邪な魔法。
発動条件が厳しく、同位階に《呪い/カース》という優れた魔法があるため、この魔法が逼迫した場面で使われることはまずありえない。
《拷問痛/トゥーチャーペイン》は激痛と生命力の半減に対し、《呪い/カース》は相手がどのような状態であろうと使え、対象の行動を任意にひとつ縛ることができる。たとえば何者も攻撃することはできないという具合だ。そしてその縛りを破れば、《拷問痛/トゥーチャーペイン》に匹敵する痛みで行動不能にできる。
拷問というのは本来、隠している情報を引き出す手段であるが、この点でも《呪い/カース》のほうが優れている。“質問に対して必ず真実の回答をしなくてはならない”という縛りをかければ、拷問という手間のかかる手段は必要がなくなるからだ。
つまり、《拷問痛/トゥーチャーペイン》というのは、相手に痛みを与え続けるためだけの魔法。無力化した相手を殺さずに最上級の痛みを与えるためだけの魔法であった。
少なくともマリアはそう考えていた。
よく考えても、混沌神の信徒を怒らせると死よりも残酷な末路を辿る。そうした威圧を与えるためだけの象徴的な魔法であると思っていた。
この魔法は混沌神の神官の中でも、本当に頭のおかしい連中が使う魔法であると。
しかしマリアはこれを自己鍛錬法として用いた。
傷ついた筋肉組織は回復することで、ごくごく微量ではあるが力を増す。
《拷問痛/トゥーチャーペイン》のもたらす激痛をみずから毎晩受け、それを回復する。一度でもこの魔法を受けた者であれば、絶対に考えられないことをマリアはしてみせた。
数日では効果を実感することはできなかった。しかし、一週間もすると明らかに出せる力の上限が増えたのがわかった。
筋力、機敏さがみるみると増していく中、それに比例してイルグリムとの修行で技の使い方も上手くなっていく。
二週間後にもなると、イルグリムから五本に一本も関節を取れるようになった。そして三週間目には二本。さらに一ヶ月後にはほぼ互角の戦いにまでもつれ込むようになった。
「ひと月でワシと互角とは自信をなくすわい」
イルグリムはそう愚痴るのだが、顔は笑っている。マリアの上達ぶりは予想を遥かに超えるものであったが、乾いた砂に水を流すがごとく自分の技を習得していく。それどころか、身体の構造を説明するために接骨の技術の初歩までも身につけていった。
「そうかしら? まだわたしに教えていない技も隠していそうだけど」
あまり関節を壊されることもなくなったマリアは、身体についた闘技場の砂を払った。
「そりゃあいくつかはの」
「興味あるわ」
「フン、今更しなを作っても遅いわ」
マリアは師の首に両腕を回すと、耳元で囁いた。もちろんイルグリムのいうとおり、今更である。関節を破壊する技の多くは、身体を密着させ合う。
「マリア。お前さんは筋がいいだけでなく、肉体の潜在能力も高い。そして頭もいいし器用で何でもできる。いずれはワシを越える技も編み出すじゃろ」
「器用貧乏よね」
「お前さんの持っている技術のどれを取っても、町で生きていくのに困らんじゃろうに……まあそれはいい。百歩譲ってその通りだとしても、ワシの技術においてはこのレゴリス国。ひいてはどの国に行ったとて比肩しうる者のない使い手だと自慢してよい」
「イルじいを除いて、でしょ?」
その言葉にイルグリムはにやりと笑って首を振った。
「ワシはもう歳じゃからな。あといくつかの技の要点を教えれば、お前さんに勝てる気はせん」
「そうかもね。でもイルじいがいなければ、わたしがここまで本気で物事に取り組めたことはなかった」
イルグリムの白く後退した頭に口づけをして、マリアはしっかりと師の身体を抱きしめた。
「感謝している。大好きよ、師匠」
「これ、師匠はやめんか」
いまだ師匠と呼ばれることに抵抗のあるイルグリムであった。
「奥義というのは大げさじゃが、明日でワシが編み出した格闘術はすべて教え終わるじゃろう。ワシの荒っぽいやり方の他にも無茶をしておったようじゃが、がんばったの」
イルグリムもまたマリアの身体を優しく抱きしめ、こちらは頬に口づけた。
「わたしは別に今日でもいいわよ?」
「用意が大変なのは、何もレディばかりじゃないぞ」
確かに今日の修行は軽いものだった。マリアにはまだたっぷりと余力があり、それはイルグリムもであろう。
師の軽口に思わず笑みが漏れる。マリアはこの老人の切り返しが嫌いではなかった。
「あら、明日は化粧をしてきたほうがいいかしら」
「そうじゃの。明日はめかし込んでくるといい」
意外にもマリアの軽口は真正面から返された。イルグリムの言葉は常日頃の軽い調子ではあるものの、どうやら本気でいっているらしかった。
「なに。明日はワシの技を見るだけじゃからの。お前さんは素のままでも見られるが、たまには化粧をした姿も見たいものじゃ」
「それじゃあ気合を入れて化粧をするわ。あんまり綺麗でも弟子に惚れないでね」
「フン。抜かしおる」
マリアの軽口を鼻であしらうとイルグリムは背を向けた。
「明日は闘技場の始まる時間に、ワシの医務室まで来い」
「わかったわ。化粧をして、ね」
去りゆくイルグリムを見送り、マリアは明日の装いに頭を切り替えて闘技場を後にした。
翌日。マリアはいいつけ通り地下闘技場が開店する時間に、イルグリムが普段詰めている医務室にやってきた。といっても、魔法による回復が必要な者が出た場合は、マリアもここにやってきて回復魔法を使う。慣れた場所といってもいい。
「イルじい。入るわよ。ごきげんよう」
扉をノックするとすぐに扉を開けるあたり、マリアもまたここに慣れているという証だった。
「やってきたか――って誰じゃお前!?」
現れたのは紛れもないマリアその人だ。
ただし、いつもの冒険者然とした革鎧と腰帯に剣を吊るした姿ではない。
長いスカートはドレープのついたもので、色こそ紺色で控えめだが光沢のある生地が使われている。白いブラウスも襟元からへそにかけてフリルがついており、ウエストのあたりが絞られている。胸元には宝石で縁取られた流れ星の形をした、銀細工のブローチをつけていた。長身のマリアがさらにすらりと高く見えるのは、足首までを編み上げたヒールの高いショートブーツを履いているからだ。
髪もまたいつものように、金髪を無造作に後ろへ一本で縛っただけではない。ふんわりと豊かに波打ち、額を出すようにして肩口から絹糸がゆるやかにねじれるように背中と胸元に流れている。
眉もきりりと整えられており、アイラインはしっかりと不自然ではない程度に入れられていた。マリアのはっきりとした二重まぶたからのぞく瞳は、いつにも増して大きくきらきらと青い光を湛えているようであった。
「時間通りにやってきた弟子に向って誰とはご挨拶だわ」
きらきらと輝く朱をさしてある唇が、平素変わらぬマリアの言葉を紡いだ。
「マ、マリアなのか……? 信じられん」
「たまには化粧をしろっていったから本気出してみたら何よ、その反応」
拗ねたように唇を尖らす愛らしいマリアの姿は、イルグリムがこれまで見たことのない姿であった。
「いったが――いや、正直お前がこれほどまで美しい女だとは思わなんだ」
「褒められていると思っていいのかしら?」
「その姿で出会っていたら、年甲斐もなく惚れていたやもしれんな」
ようやくいつもの調子が戻ってきたイルグリムであるが、その言葉は半分冗談。半分本気といわんばかりだ。
「ちょっとしたものでしょ。昔、小さな劇団で女優もやってたし、化粧係も髪結いなんかもしていたのよ。時間がなかったから、髪までは結えなかったけど」
「化けすぎじゃ。どこの貴族がこんなところに迷い込んだかと思ったわい」
「わたしも驚いたわよ。イルじいってばいつもより戦う準備万全なんだもの」
相手の姿に驚いたのはイルグリムだけではなかった。
いつもの動きやすい平服ではなく、身体に密着した革製の丈夫なズボンと肩の動きを邪魔しない革の胴着。二の腕や前腕にはやはり丈夫でしなやかな革の防具が付けられている。精妙なイルグリムの技術を損なわないよう、両掌にはなにもつけていない。毛の後退した額には金属のプレートが縫い込まれた鉢金といういでたちだ。
「確認だけど、わたしは見ているだけなのよね?」
やや不安に駆られたマリアの言葉であった。いくらなんでも今の姿で格闘をするというのは無理がある。
「もちろん」
そんな弟子の様子にイルグリムは力強く請け負った。
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