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アルタリア大陸編
30話 第1階層『森』④
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仮眠を取った私達は野営地の始末を済ませると地下への扉を探して川沿いを進み始めた。
岩だらけの川沿いを下流に向かって2時間ほど歩いた頃。
「モルド、行ったぞ!」
「ふん!」
モルドが掲げた盾に巨大なハサミが振り下ろされる。
体全体を鎧の様な甲殻で覆った全長3メートルは有る巨大な蟹、アーマークラブの戦鎚の様な一撃だ。
鉄の盾すら軽くへし折れる程の衝撃を、モルドは咄嗟に身を引き衝撃を逃す事で盾を破壊される事なく受け止めた。
「おらぁ!」
動きを止めたアーマークラブをマルクが斬りつける。
しかし、鋼の如き甲殻に弾かれてしまう。
「くそ!硬いぞ!」
「はっ!」
モルドが受け止めたアーマークラブのハサミを私の鎖鎌の刃が斬りとばした。
「関節を狙って!」
跳ねる様に後ろに退がり頭上から迫るもう一つのハサミを避けながら叫ぶ。
「わかった!」
マルクは闇雲に剣を振るうのを止め、関節を狙って突き立てる。
アーマークラブは口から泡を吹きながらマルクを振り払おうと身をよじるが、マルクと入れ替わる様に立ち位置を変えたモルドが受け止める。
動きが止まった時、大量の泡を撃ち抜くが如く、アーマークラブの口に矢が突き刺さる。
それが決め手となったのか、アーマークラブはバランスを崩し倒れ込んだ。
その隙を逃さずマルクとモルドがアーマークラブの顔に剣を突き込んだ。
しばらくの間、ジタバタと暴れていたアーマークラブだが、ゆっくりと動きが鈍り、やがて動かなくなった。
アーマークラブの甲殻は防具や野営具の素材として重宝される。
本来なら、その大きさから全てを持ち帰る事は難しいアーマークラブの甲殻だが、今回は私のアイテムボックスに収納して全て持ち帰る事が出来る。
これだけでも結構な儲けになると思う。
マルク達も嬉しそうだ。
この日の夜はみんなでアーマークラブを味わった。
アーマークラブの身と野草、キノコを煮込んだ濃厚なスープと焼きガニだ。
カニと旨味とコクに野草の香りにキノコの味わいがとても美味しい。
焼きガニも軽く岩塩を振っているだけだが、甘く肉厚な身に大満足だった。
その日の夜は襲撃を受ける事はなく、翌日は朝から探索に出発することが出来た。
翌日は川から離れて森の中を探索する。
トレントやウォーキングマッシュ、ゴブリンなどの魔物を倒しながら探索を続けると昼を過ぎた頃に第2階層に続く扉を発見した。
森の中にぽっかりと現れた広場の中心部、大木に抱かれる様に存在するその扉は存在していた。
「準備はいいか?」
そう聞くマルクにみんなが頷きを返す。
それを確認してマルクがドアノブを回し扉を開いた。
扉の先には地下への階段が現れた。
扉の後ろには大木があるだけで、違和感が半端無い。
そんな違和感を飲み込んで私達は第2階層へと降りて行った。
岩だらけの川沿いを下流に向かって2時間ほど歩いた頃。
「モルド、行ったぞ!」
「ふん!」
モルドが掲げた盾に巨大なハサミが振り下ろされる。
体全体を鎧の様な甲殻で覆った全長3メートルは有る巨大な蟹、アーマークラブの戦鎚の様な一撃だ。
鉄の盾すら軽くへし折れる程の衝撃を、モルドは咄嗟に身を引き衝撃を逃す事で盾を破壊される事なく受け止めた。
「おらぁ!」
動きを止めたアーマークラブをマルクが斬りつける。
しかし、鋼の如き甲殻に弾かれてしまう。
「くそ!硬いぞ!」
「はっ!」
モルドが受け止めたアーマークラブのハサミを私の鎖鎌の刃が斬りとばした。
「関節を狙って!」
跳ねる様に後ろに退がり頭上から迫るもう一つのハサミを避けながら叫ぶ。
「わかった!」
マルクは闇雲に剣を振るうのを止め、関節を狙って突き立てる。
アーマークラブは口から泡を吹きながらマルクを振り払おうと身をよじるが、マルクと入れ替わる様に立ち位置を変えたモルドが受け止める。
動きが止まった時、大量の泡を撃ち抜くが如く、アーマークラブの口に矢が突き刺さる。
それが決め手となったのか、アーマークラブはバランスを崩し倒れ込んだ。
その隙を逃さずマルクとモルドがアーマークラブの顔に剣を突き込んだ。
しばらくの間、ジタバタと暴れていたアーマークラブだが、ゆっくりと動きが鈍り、やがて動かなくなった。
アーマークラブの甲殻は防具や野営具の素材として重宝される。
本来なら、その大きさから全てを持ち帰る事は難しいアーマークラブの甲殻だが、今回は私のアイテムボックスに収納して全て持ち帰る事が出来る。
これだけでも結構な儲けになると思う。
マルク達も嬉しそうだ。
この日の夜はみんなでアーマークラブを味わった。
アーマークラブの身と野草、キノコを煮込んだ濃厚なスープと焼きガニだ。
カニと旨味とコクに野草の香りにキノコの味わいがとても美味しい。
焼きガニも軽く岩塩を振っているだけだが、甘く肉厚な身に大満足だった。
その日の夜は襲撃を受ける事はなく、翌日は朝から探索に出発することが出来た。
翌日は川から離れて森の中を探索する。
トレントやウォーキングマッシュ、ゴブリンなどの魔物を倒しながら探索を続けると昼を過ぎた頃に第2階層に続く扉を発見した。
森の中にぽっかりと現れた広場の中心部、大木に抱かれる様に存在するその扉は存在していた。
「準備はいいか?」
そう聞くマルクにみんなが頷きを返す。
それを確認してマルクがドアノブを回し扉を開いた。
扉の先には地下への階段が現れた。
扉の後ろには大木があるだけで、違和感が半端無い。
そんな違和感を飲み込んで私達は第2階層へと降りて行った。
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