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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
32話 魔族の思惑
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「国王様、魔王コルダールはどの様にしてこの国に潜入したのでしょうか?
ミルミット王国で魔境に接しているのは辺境の街ガストですが、旅の途中、パーフェ男爵領では、村人が石になった村がいくつかあると聞きました。
ガストから潜入したのならわざわざ隠密にパーフェ男爵領まで行ったのにそこからは派手に暴れるのは不自然ではありませんか?」
「いや、どうも魔族共はグリント帝国の方から進入して来たらしい。
帝国との国境付近で警備兵が殺されていたのが見つかっておる。
そろらく、イザール神聖王国があった辺りから帝国に入り、我が国に直進したと考えている」
「なるほど……」
「国王陛下、他の村にはどれ程の被害が?」
「うむ……襲われた村は3つだ。
うち2つは生存者はない。
だが1つの村では村人全てが石化していたが砕かれてはおらず、コルダールを倒せば助ける事が出来るだろう」
「そうですか…………何故、その村だけ砕かれていなかったのでしょうか?」
「分からぬ、それにその村の者達には状態保存の魔法が掛けられていたのだ。
この魔法のお陰で精霊の加護が無くとも砕けぬ様に維持できる。
何故わざわざそんな事をしたのかは分からぬがな」
「人質……とか?」
マーリンの予想に国王陛下は首を左右に振るだけで分からないと示した。
「考えても分からないんだからそこは置いておくしかないだろ……です。
それより精霊の紋章の在りかは分からないのですか?」
カートは魔族の狙いを読むのを早々に諦めた様だ。
しかし、確かにその通りだ。
分からないのだから仕方ない。
「うむ、詳しくは分からぬが、当てがないならヤナバル王国を目指すと良い」
「ヤナバル王国ですか?
しかし、あの国は今、かなり情勢が不安定ですよね」
「うむ、しかし、余が集めた情報では唯一、ヤナバル王家が精霊の紋章を所有している事だけが分かっておる」
「つまり、ヤナバル王国に行って精霊の紋章を手に入れたら良いのか」
「ちょっとカート、簡単に言わないでよ。
王家所有の物を『下さい』って言って『どうぞ』ってなるわけ無いじゃない?」
「でもこっちは勇者だぞ?
世界の平和の為に協力してくれるんじゃないか?」
「ところでカート、お前も付いてくるのか?」
「ああ、もちろん!
勇者の仲間なんて憧れるじゃないか」
「まぁ、分からなくはない」
「ちょっとそんな事は後でいいからあんた達もどうやって精霊の紋章を手に入れるか考えなさいよ!」
ガヤガヤとした話し合いは夜遅くまで続くのだった。
昨日は人生で1番長い1日だった。
国王陛下から俺が勇者であると、告げられ、両親や村の仲間が俺を守る為、石像へと変えられた事を聞いたのだ。
それに俺を狙った魔族によって殺された無関係な人達も居る。
その日は、すでに日も落ちてしまった為、王宮に泊めてもらう事になった。
まさか俺の様な田舎者が王宮で1泊する事になるとは……
『ベッドが柔らか過ぎて寝られねぇ』とは翌朝のカートの言葉だ。
朝食(これも信じられない程豪華な朝食だった)を頂いた後、俺達にあてがわれた部屋で旅の準備をしていると、国王陛下とレオンハルト殿下がやって来た。
普通、こう言う場合、俺達の方が国王陛下の居る部屋に呼ばれるんじゃないのか?
いや、よく知らないけど……
後でマーリンに聞いたら『勇者』に気を使ったのだろうと言っていた。
恐ろしい事だ。
ミルミット王国で魔境に接しているのは辺境の街ガストですが、旅の途中、パーフェ男爵領では、村人が石になった村がいくつかあると聞きました。
ガストから潜入したのならわざわざ隠密にパーフェ男爵領まで行ったのにそこからは派手に暴れるのは不自然ではありませんか?」
「いや、どうも魔族共はグリント帝国の方から進入して来たらしい。
帝国との国境付近で警備兵が殺されていたのが見つかっておる。
そろらく、イザール神聖王国があった辺りから帝国に入り、我が国に直進したと考えている」
「なるほど……」
「国王陛下、他の村にはどれ程の被害が?」
「うむ……襲われた村は3つだ。
うち2つは生存者はない。
だが1つの村では村人全てが石化していたが砕かれてはおらず、コルダールを倒せば助ける事が出来るだろう」
「そうですか…………何故、その村だけ砕かれていなかったのでしょうか?」
「分からぬ、それにその村の者達には状態保存の魔法が掛けられていたのだ。
この魔法のお陰で精霊の加護が無くとも砕けぬ様に維持できる。
何故わざわざそんな事をしたのかは分からぬがな」
「人質……とか?」
マーリンの予想に国王陛下は首を左右に振るだけで分からないと示した。
「考えても分からないんだからそこは置いておくしかないだろ……です。
それより精霊の紋章の在りかは分からないのですか?」
カートは魔族の狙いを読むのを早々に諦めた様だ。
しかし、確かにその通りだ。
分からないのだから仕方ない。
「うむ、詳しくは分からぬが、当てがないならヤナバル王国を目指すと良い」
「ヤナバル王国ですか?
しかし、あの国は今、かなり情勢が不安定ですよね」
「うむ、しかし、余が集めた情報では唯一、ヤナバル王家が精霊の紋章を所有している事だけが分かっておる」
「つまり、ヤナバル王国に行って精霊の紋章を手に入れたら良いのか」
「ちょっとカート、簡単に言わないでよ。
王家所有の物を『下さい』って言って『どうぞ』ってなるわけ無いじゃない?」
「でもこっちは勇者だぞ?
世界の平和の為に協力してくれるんじゃないか?」
「ところでカート、お前も付いてくるのか?」
「ああ、もちろん!
勇者の仲間なんて憧れるじゃないか」
「まぁ、分からなくはない」
「ちょっとそんな事は後でいいからあんた達もどうやって精霊の紋章を手に入れるか考えなさいよ!」
ガヤガヤとした話し合いは夜遅くまで続くのだった。
昨日は人生で1番長い1日だった。
国王陛下から俺が勇者であると、告げられ、両親や村の仲間が俺を守る為、石像へと変えられた事を聞いたのだ。
それに俺を狙った魔族によって殺された無関係な人達も居る。
その日は、すでに日も落ちてしまった為、王宮に泊めてもらう事になった。
まさか俺の様な田舎者が王宮で1泊する事になるとは……
『ベッドが柔らか過ぎて寝られねぇ』とは翌朝のカートの言葉だ。
朝食(これも信じられない程豪華な朝食だった)を頂いた後、俺達にあてがわれた部屋で旅の準備をしていると、国王陛下とレオンハルト殿下がやって来た。
普通、こう言う場合、俺達の方が国王陛下の居る部屋に呼ばれるんじゃないのか?
いや、よく知らないけど……
後でマーリンに聞いたら『勇者』に気を使ったのだろうと言っていた。
恐ろしい事だ。
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