神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ

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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》

19話 偵察とわたし

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  丸1日掛けてゴブリンの村の近くに着きました。
  今日はここで野営して、明日更に近くに拠点を作り、明後日の夜明け前に奇襲をかける作戦です。
  これから主要メンバーでミーティングです。
  何故わたしが主要メンバーに入っているのでしょうか?
  ギルドマスターに聞いたら、治療の要なのだから当たり前だと言われました。  
  確かに今回、毒を治療出来るのはわたしだけです。
  主要メンバーに呼ばれるのは当然ですね。

「とにかくゴブリン供の現状が知りたいですね」

「だか、斥候を出すのはリスクが高いぞ」

「しかし、村の正確な規模と重要拠点くらいは確認しないと不味いのではないか?」

「大きな村だ。恐らく斥候小鬼ゴブリンスカウトも居るだろう。
  見つかれば警戒されて、奇襲の効果がなくなるぞ。」

  どうやら偵察を出すべきかどうか悩んでいるようです。
  偵察しなければ曖昧な情報だけで奇襲をかける事になり、偵察を出せば敵の斥候に見つかるリスクがあります。
  そうなれば奇襲自体が不可能になるかも知れません。
  どうやらここはわたしの新魔法の出番ですね。

「それならわたしが偵察します」

「ん?嬢ちゃん、スカウトのスキルでもあるのか?」

「いえ。アルザックさん。
  でもわたしには鳥系の従魔がいます。従魔と視覚を共有する魔法で偵察が可能だと思います」

「なるほどな。
  それなら気づかれる可能性もまずない」

「ああ、嬢ちゃん早速頼めるか?」

「はい」

  わたしはハクを召喚するとゴブリンの村が有る方に飛ばし、視覚を共有する魔法を使います。
  練習どうり、わたしは地上2、30メートルを飛ぶハクの視界を見る事が出来ました。

  数分後、わたしの視界に粗末な小屋や雑な作りの塀などが見えて来ました。
  かなり大きいです。
  目に付く物を報告していきます。

「村は報告に有ったものよりかなり大きいです。 
  村の周りにはゴブリンスカウトやゴブリンソルジャーなどが警戒しています。  
  村の南側は、岩山になっていて村の中心から少し岩山寄りに大きな屋敷ぐらいのボロ小屋があります」

  わたしは地面に図を描いて説明します。

「恐らくその屋敷がゴブリンキングの巣だな。……しかし嬢ちゃんは絵が下手だな」

ぐぅ

  ギルドマスターハゲが痛い所を突いて来ました。
  わたしは無視して偵察を続けます。

「あ!ゴブリンキングを確認しました。  
  例の屋敷に入って行きます」

「決まりだな」

「ユウさん、ゴブリンの亜種や上位種はどれくらいいますか?」

リサーナさんの質問に、わたしはゴブリンを観察します。

「確認出来る亜種は、弓兵小鬼ゴブリンアーチャー兵士小鬼ゴブリンソルジャー薬師小鬼ゴブリンメディスン騎兵小鬼ゴブリンライダー隊長小鬼ゴブリンリーダー魔法使い小鬼ゴブリンメイジ、上位種は王小鬼ゴブリンキング騎士小鬼ゴブリンナイト魔導師小鬼ゴブリンウィザード将軍小鬼ゴブリンジェネラル指揮官小鬼ゴブリンコマンダー、総数は目算ですが400~500くらいです。」

「おいおい!いくら何でも多すぎないか?」

「い、一度撤退して、援軍を要請したほうが良いのでは……」

  予想以上の数に皆さんが及び腰になっています。
  しかし、ここで引くのは得策では有りません。
  この村は余りにもガナの街に近すぎます。
  これ程の規模の村を維持するのには相応の食料が必要です。
  このままでは、数日の内にガナの街にゴブリンの軍が押し寄せる事になります。
  他の街に援軍の要請を送り、軍や冒険者が準備を整えてガナの街に辿り付くのは最低でも10日、天候などによっては20日ほど掛かるかも知れません。
  それまで、ガナの街が無事だとはとても思えません。
  彼らもそれは分かっているはずです。

「落ち着け!相手はたかがゴブリンだ!
  こちらはDランク以上の冒険者が約100人!
  1人が5匹のゴブリンを仕留めれば良いだけの話だ!」

「そ、そうだな!
大丈夫、俺たちならやれる!」

「そうですね。取り乱してすみません」

  楽観するのは危険ですがこの場合は仕方ないですね。
  彼らもアルザックさんが皆の動揺を抑えるため、わざと現状を楽観的に言った事くらい分かっているようです。

「あ!!」

「どうした!嬢ちゃん!」

  わたしが思わす上げた声にギルドマスターが反応します。
  わたしは地面に描いた図に1つ小屋を書き足します。

「この小屋に獣人族の女性が連れ込まれて行きました」

「ちっ!そいつは繁殖用に捕まった旅人だろう。
  恐らく他にも居るはずだ」

  わたしは獣人族の女性が捕まって居る小屋の近くに有る小屋を調べて行き、3つの小屋に5人の女性が捕らえられていることが分かりました。

「襲撃班とは別に救出班を編成するべきだな」

  ギルドマスターの言葉に皆が頷きます。
  わたしは捕まっている人達がなんとかあと1日耐えられる様にと、顔を思い出せない神様に祈りました。
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