最大の敵は作者でした

はぐれメタボ

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主人公、ヒロインに物申す

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  主人公は振り返った。

「振り返るだけでかなり時間掛かった気がしますぞ?」

  仕方ないだろ、リアル忙しかったんだ。
  そんな事よりヒロインだろ!チェケラー!

「久しぶり過ぎてキャラを忘れているでござるぞ。
  過去作を読み返し候。
  早く、某のキャラを思い出すぞなもし!」

 主人公は振り返った。

「こいつ、無かった事にしやがった!」

  そこに居たのは先程の馬車の御者だ。
  身長は俺の胸ぐらい。
 顔はフードで隠されているが、絹の様な銀髪が光を反射してキラキラと輝いている。

「あの……助けて頂きありがとうございました。
  君……強いんだね。
  あたし、ビックリしちゃった」

「い、いや、はっはっは。
  何でもないですよ、これくらい」

  俺は赤くなる顔を悟られない様に頭をかく。

「あ、すみません、あたしったら自己紹介もせずに……」

  御者はゆっくりとフードを取った。
  絹の様な銀髪が流れる。
  そうしてフードに隠されていた顔がハッキリと白日の下に晒された。
  肩口で切り揃えられた光を反射する美しい髪。
  命溢れる森を凝縮した様な瞳は少し垂れ目。
  スッと通った形の良い鼻。
  太く力強い眉。
  赤く瑞々しい唇。
  しっかりと2つに割れた顎。

「あたしはドモルガン、行商人よ」

「おっさんじゃねぇか!!」

  君の希望を勘案した結果だ。

「嘘付け!投稿しなかった数日で思い付いたんだろ!悪ノリだろ!」

  違う違う!
  ちゃんと最初からおっさんの設定だったよ。
  その証拠に一度も彼を『少女』や『女性』と描写していない筈だよ。
  
「チェンジだ!チェンジしろ!」

  おいおい、モノローグに構っている場合かい?

「何がだ?」

  ピンチだよ、君の貞操。

「ふふ、緊張しているのね。
  大丈夫よ、全部あたしに任せてくれて良いの……」

「何してやがるおっさん!」

「あん!せっかくお礼に気持ち良くさせてあげようと思ったのに……」

「無用だ!ノーセンキュー!」

「でも何かお礼を……」

「なら、あれだ!
  その……そう、次の街まで一緒に連れて行ってくれ!
  道に迷っているんだ!」

「う~ん、分かったわ。
  馬車を修理したら次の街まで送るわね」

「ああ、助かるよ」

ボソ
(次の街まで3日……十分な時間ね。ジュルリ)

  俺の背筋に冷たい何かが走ったのだった。
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