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記憶の破片
第7話 罪人の子
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「はぁ~面倒なことになったな・・・」
村はずれで私はため息をついていた。実はさっき、町の人たちの話を聞いてしまったんだ。
それは、私の姉であるアンザン・マナークのことだ。
国民に税や差別などの政治をしているため、国民から嫌われているのだが、アンザンお姉様が、
「王族や貴族に逆らった者は即死刑だ!」
と言ったみたいで、誰も逆らえない。
アンザンお姉様が行っている政治は違法行為のものもある。お父様の時代も、違法行為に当てはまる政治もあった。
親と子は似ているな。
というわけで私たち王族(ダイヤは元)も国民から嫌われている。そりゃあ村人たちも陰口を言うのは当たり前だ。
エボニィから聞いたんだけど、私のことは〈突然の病で亡くなった〉と、国民に伝えているみたいだ。
もしも私たちが国民なら、罪人として捕まる。この前パールと調べてみたんだけど、
ジュエリー王国の王族は、昔から理不尽な政治を行っていたみたいなんだ。
私は罪人の子だ。となると罪悪感がすごい。アンザンお姉様達だけじゃなく、
私のことも皆嫌っているみたいなんだ。
『おい、ダイヤ、おい!聞いてんのか?』
「あ」
気がついたらコモルが話しかけていた。
『ダイヤ、何か、悩んでいる。話、聞こうか?』
「え、い、いや~、何でもない何でもない」
「私、本当は王女のコウカク・マナークで~す」だなんて言えない。
でもいつか言わないと。ずっと隠していても、いつかはバレる。
「さ、さあ、ムラニモドロ~カ!」
おどおどしながら言った。
私たちが来たのは、タンザナイト町。皆は、多分宿屋にいると思う。
『う、人間が、ゴミのようだ』
「そんなこと言わない」
『ダイヤ、俺、腹減った。飯、くれ』
「はいはい」
路地裏に来て、実をあげた時だった。
「いい加減にしろ!」
怒鳴り声が聞こえた。声がする方へ向かったら、一人の子供に複数の子供が囲んでいた。
「どうしたの?」
子供たちに聞いたら、
「こいつの父ちゃん、罪人なんだ」
「だから懲らしめている」
その子供はひどく怯えている。
「その子も、悪いことをしたの?」
子供たちは首を振った。
「じゃあ、いじめる必要はなくない?」
子供たちは少しためらって、
「で、でも、町の宝物を盗みやがったんだ」
「それをこの子1人にすべて押しつけることないんじゃない?」
子供たちは黙った。
「ごめん」
子供たちが口々に言った。
「ううん、いいんだ」
私はその様子をじっと見つめていた。
『おい、ダイヤ』
気づいたらその場に子供たちがいなく、私とコモルの二人っきりだった。
『今日の、ダイヤ、変、何か、考えている』
「そ、そんなわけないよ」
慌てて返した。奥を見るといじめられていた子供といじめていた子供たちが楽しそうに遊んでいた。
『何を、考えていたんだ?』
「何か、私と似ているな・・・て」
思わず素直に言ってしまった。
『何が?』
やばい、問い詰められている。まだ本当のことを言えないよ・・・。私はこの状況を乗り越えるための最終手段にでた。
レンジャー
ふう・・・。次に呼び出すとき、嚙まれるだけじゃすまないかも・・・。私は向こうで楽しそうに遊んでいる子供たちを見て、何を思ったのか目が離せなかった。
「遊んできたら?」
ふと横を見るとルビーが立っていた。
村はずれで私はため息をついていた。実はさっき、町の人たちの話を聞いてしまったんだ。
それは、私の姉であるアンザン・マナークのことだ。
国民に税や差別などの政治をしているため、国民から嫌われているのだが、アンザンお姉様が、
「王族や貴族に逆らった者は即死刑だ!」
と言ったみたいで、誰も逆らえない。
アンザンお姉様が行っている政治は違法行為のものもある。お父様の時代も、違法行為に当てはまる政治もあった。
親と子は似ているな。
というわけで私たち王族(ダイヤは元)も国民から嫌われている。そりゃあ村人たちも陰口を言うのは当たり前だ。
エボニィから聞いたんだけど、私のことは〈突然の病で亡くなった〉と、国民に伝えているみたいだ。
もしも私たちが国民なら、罪人として捕まる。この前パールと調べてみたんだけど、
ジュエリー王国の王族は、昔から理不尽な政治を行っていたみたいなんだ。
私は罪人の子だ。となると罪悪感がすごい。アンザンお姉様達だけじゃなく、
私のことも皆嫌っているみたいなんだ。
『おい、ダイヤ、おい!聞いてんのか?』
「あ」
気がついたらコモルが話しかけていた。
『ダイヤ、何か、悩んでいる。話、聞こうか?』
「え、い、いや~、何でもない何でもない」
「私、本当は王女のコウカク・マナークで~す」だなんて言えない。
でもいつか言わないと。ずっと隠していても、いつかはバレる。
「さ、さあ、ムラニモドロ~カ!」
おどおどしながら言った。
私たちが来たのは、タンザナイト町。皆は、多分宿屋にいると思う。
『う、人間が、ゴミのようだ』
「そんなこと言わない」
『ダイヤ、俺、腹減った。飯、くれ』
「はいはい」
路地裏に来て、実をあげた時だった。
「いい加減にしろ!」
怒鳴り声が聞こえた。声がする方へ向かったら、一人の子供に複数の子供が囲んでいた。
「どうしたの?」
子供たちに聞いたら、
「こいつの父ちゃん、罪人なんだ」
「だから懲らしめている」
その子供はひどく怯えている。
「その子も、悪いことをしたの?」
子供たちは首を振った。
「じゃあ、いじめる必要はなくない?」
子供たちは少しためらって、
「で、でも、町の宝物を盗みやがったんだ」
「それをこの子1人にすべて押しつけることないんじゃない?」
子供たちは黙った。
「ごめん」
子供たちが口々に言った。
「ううん、いいんだ」
私はその様子をじっと見つめていた。
『おい、ダイヤ』
気づいたらその場に子供たちがいなく、私とコモルの二人っきりだった。
『今日の、ダイヤ、変、何か、考えている』
「そ、そんなわけないよ」
慌てて返した。奥を見るといじめられていた子供といじめていた子供たちが楽しそうに遊んでいた。
『何を、考えていたんだ?』
「何か、私と似ているな・・・て」
思わず素直に言ってしまった。
『何が?』
やばい、問い詰められている。まだ本当のことを言えないよ・・・。私はこの状況を乗り越えるための最終手段にでた。
レンジャー
ふう・・・。次に呼び出すとき、嚙まれるだけじゃすまないかも・・・。私は向こうで楽しそうに遊んでいる子供たちを見て、何を思ったのか目が離せなかった。
「遊んできたら?」
ふと横を見るとルビーが立っていた。
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