・・その狂気は伝染する・・

華岡光

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第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断37

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 その時だった。

 「天誅!!」

 伊藤甲子太郎の脇から数名の隊士が槍で伊藤の体を次々と刺す。

 「ぐわーー!なにものじゃ!!」

 伊藤は頭巾を被っている新撰組隊士の頭巾を剥がした。

 「ぬ、きさま、原田・・」

 その原田の横から永倉が眉間に袈裟斬りに斬り付けた。その場に倒れる伊藤甲子太郎。

 その背中におよそ8回ほど槍や刀でさらにとどめをさす新撰組。

 「よし、これでいい。あとは御陵衛士の残党を呼びよせて、ここで皆殺しだ。」

 御陵衛士の屯所がある高台寺へと使者を送った新撰組はじっと待ち伏せをする事にした。

 ・・高台寺・・

 「なに!!先生が討たれ先生の遺体は油小路に放置されたままだと??おのれ!!卑怯なり、こんな闇討ちをするのは新撰組しかおらん!ものども先生の遺体を取り戻しに行くぞ!!」

 篠原泰之進の言葉に武装した御陵衛士数十名はただちに油小路へと向かう。その中には沖田総司の親友藤堂平助もいた。
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