事故物件

真相を求めて

　山本はバイクでさりげなく近くまで行くと顔をよく観察してみた。

　「やっぱり社長だ！！」

 山本はバイクを再び路上の脇に止めると、社長の元へと走りだした。

　「社長！！山本です」

   「あ？山ちゃん！！どうしたの？」

 山本は家の棚を取り付けるネジを購入しに町へと来たのと、昨夜の家で起きた不思議な現象の事もついでに社長に伝えた。しかし、その　"不思議な現象" な事を伝えた途端に社長の顔色が変わった。

　「そ、そ、そんな事が、お、起きたの？きっと気のせいだよ。それより山ちゃん今度海釣りに行こうよ？」

   「海釣りすか！！いいすね、是非是非行きましょう！！あとそれから、あの玄関の脇にある祠なんすけど、あれ壊していいすか？」

 山本の祠を壊す発言を聞いた社長は態度が突然豹変した。