正義が悪に変わる時

少年は警察官の道へ

しばらくすると伊藤刑事とは別の制服姿の警官がやってきて、雅之を別室に案内した。その部屋には机と椅子が置かれ、その前にカーテンで仕切られた大きな窓枠らしき物があった。

 「じゃ、ここに座って下さい。このカーテンの向こう側には2人の男性が立ってます。こちら側を見てますが、決してこの部屋の中は見えない作りになってます。なので安心して下さい。今からカーテンを開けるので、2人の男性の顔をよーく見て下さいね」

 制服を着た警官はそう言うとカーテンを手で開き始めた。開いてる途中にその先にいる男が見え始めてきた。雅之はその瞬間に "ハッと" した。そう、見覚えのある顔だったからである。