正義が悪に変わる時

少年は警察官の道へ

 「そうだよ。あとは元の生活に戻って、もうこの事件の事は忘れ楽しい日常を過ごせるように、お巡りさんは願ってる！！」

 伊藤刑事と雅之はしばし部屋の中で談笑をしながら過ごした。そして、再び車で雅之の家まで送り届けると、帰り間際にこう言った。

 「じゃ、雅之君！！約束通り、今度一緒に山登りしょうね！！約束だよ」

 雅之は笑顔で頷くと、また、伊藤刑事も手を突き出して親指を立て笑顔で雅之と別れた。雅之に連絡先が書かれた名刺と他に包み袋が入った大きな紙袋を渡してその場を後にしたのだった。

 雅之は家に入ると、さっそく袋の中の包みを開けてみた。するとそこには警察グッズであろう下着とタオル、シャーペンやメモ帳等が入っていた。そして、透明なフィルムの中には伊藤刑事の連絡先が記載された名刺もあった。雅之は大切そうにそれらを部屋に持ち帰り、大切にしまった。